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#超ショートストーリー

密やかな恋、第二章(詩)

ぱっと見れば答えがわかる 自分の才能に酔いしれて 得意げだった少年時代 今じゃもう見る影もなく 凡庸で愚直な一般市民 足をひきずって家を出る 満員電車に揺られながら 思い出すのは君の言葉 意味深な単語の羅列に 何かを見たような気がして 頭の隅で転がしていく 鈍った頭を呪いながら だけど気づいたよ、君の寂しさの理由 そうなるともう後戻りはできないと 階段を駆け上がって息せき切って ぱっと見れば答えがわかる かつての才能を呪うけど 今見てみれば立派な武器だ 君の孤独を

それだけの恋、幸せの裏側(詩)

「どうしたらいいかわかんないくらい嬉しい」 って君が言うからそっと肩を抱いて 「何してもいいよ、好きなようにして欲しい」 ってできる限りの余裕醸し出して そんな瞬間をまた夢に見たよ もう何度目だって自分に呆れるけど 君も同じように感じてくれる? ティーカップの柄をその手になじませて 今日も台所 立ってくれる その後ろ姿を横目で確認して きっと同じように感じてるかな 背伸びをしてから出かける用意をする 思えばここにくるまではお互い傷つけあって疑って 誤解したり嫉妬させたり