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「ペンシルパズル」っていう趣味を知ってほしい!

「パズル」といえば、どんなものを思い浮かべるでしょうか。

  • 100個とか1000個とかあるピースをうまく組み合わせて1枚の絵を完成させるやつ。「ジグソーパズル」ですね。

  • 立方体をくるくる回して6面の色を揃えるやつ。「ルービックキューブ」ですね。

  • 組み合わさった金属の部品をうまく操作してバラバラにするやつ。「知恵の輪」ですね。

  • テトリス・ぷよぷよといった「落ちものパズル」とか、同じものをくっつけたりなぞったりして遊ぶ「スマホパズルゲーム」とかもありますね。

  • 画像やオブジェから手がかりを読み取って答えを導く「謎解き」を想像した方もいるかもしれません。

  • マス目に1~9の数字を入れていくやつ……そう!それそれ! 「数独」「ナンプレ」と呼ばれるペンシルパズルの1つですね!

  • ヒントを頼りに言葉を入れていくやつ……はい!そういうのもナイス! 「クロスワード」とか「アロークロス」とか、それもペンシルパズルの一種!

ということで本記事では、「ペンシルパズル? なんじゃそりゃ聞いたことないぞ」という読者の皆さんに「パズルといえばペンシルパズル!」という新たな選択肢を刷り込んでいきます。

「ペンシルパズル」、ぜひ覚えてください!


1.ペンシルパズルってなんだ?

冒頭で触れた通り、一口に「パズル」と言ってもさまざまなものが存在します。そして、パズルの中の1つのジャンルが「ペンシルパズル」なのです。

さてそのペンシルパズル、Wikipediaにも解説はありますが、ここはあえてもう少しざっくりと説明しようと思います(若干不正確な部分もあるかもしれません)。

ペンシルパズルは……

  1. 紙に書き込んで解く、あるいは画面上で紙に書き込むようにして解くパズルです。
    物体を操作するパズルと違って、筆記用具(あるいは指だけ)さえあれば解くことができます。
    場所も取らず、いつでもどこでも気軽に楽しむことができます。

  2. たくさんの種類があります。
    数十・数百なんてレベルではなく、本当に数えきれないほどの種類のペンシルパズルが存在します。しかも、日々新しいペンシルパズルが様々な人によって考案され続けています。
    飽きません。

  3. 種類ごとに、どのようにして解くのかというルールが決められています。
    種類にもよりますが、どのペンシルパズルにも3〜5項目程度(1文だけのものも!)のルールがあり、解き手はそれに従って問題を解いていきます。
    「考えること・できることが多すぎて何をすべきか分からない!」と頭を抱える心配が比較的少なく済みます。

  4. ルールに従って解くと、(基本的に)ただ1つの答えが導かれるように作られています。
    ほとんどのペンシルパズルには「すべてのマスを埋める」「1つの大きな輪を作る」といった明確なゴールがあり、それぞれの問題でゴールはただ1つ。そのゴールに至ったときの達成感は何ものにも代え難いでしょう。
    例として、いくつかのペンシルパズルの問題とその答えを紹介します。

「解答図がきれい」と評判のペンシルパズル。
白く残る部分が長方形になるように、直角二等辺三角形のピースを配置する
鉛筆を配置するという異色な設定の、まさに"ペンシル"パズル。
軸が長いほど線も長く伸びる
舞台は海。敵艦隊の位置をすべてあぶり出せ!
ぶつかると危ないから艦隊どうしはくっつかない

2.ペンシルパズルの楽しみかた、いろいろ

先に解説した通り星の数ほどあるペンシルパズルは、楽しみかたも様々。自分のスタイルに合わせて、いろんな形でペンシルパズルと付き合うことができます。

ちょっとした時間潰しにサクサク解く

何かの待ち時間に、電車やバスでの移動中に、仕事や勉強の休み時間に。いくらでも時間を溶かせます。

己の限界に挑む

いかに早くパズルを解けるか、どれだけ難解なパズルを解けるか。ただパズルを解くだけでは飽き足らない方向けの、マニアックな楽しみかた。

芸術性を楽しむ

息を呑む美しさの盤面にドキドキ! あっと驚く展開の解き筋にゾクゾク! ペンシルパズル美術館は年中無休、24時間いつでも開館しております。

研究する

「このような条件を満たすパズルの盤面は存在するか?」「盤面にこのような情報があるとき、解はどこまで確定するか?」などなど、ディープな研究に勤しむのも楽しみ方の1つ。

解く技術を競う

日本および世界各国では「ペンシルパズルの競技大会」が定期的に開催されていて、決められた問題をどれだけ早く正確に解くことができるかが競われています。ペンシルパズルを極めんとするあなたに。

懸賞を当てる

書店で懸賞パズル誌を買って、解いては応募、解いては応募……運がいいとそれなりの額の現金が当たります。個人的な経験談ですが、割とよく当選する気がします。

自分で問題を作る

ペンシルパズルは解くだけじゃない! 作り方を知ってしまえば、意外と気軽に作れるのもペンシルパズルの大きな魅力です。問題を公開する場もいろいろあるので、制作のモチベーションも保ちやすい。

自作の問題を本に載せる

あなたが作ったパズル、パズル誌に載ります。特に株式会社ニコリが出版するパズル誌の問題は、ほとんどが読者投稿によるもの。目指せパズル作家デビュー!

…いろいろ挙げてみましたが、もちろんこれらだけがペンシルパズルの楽しみかたではありません。
種類がたくさんあり、楽しみかたも盛りだくさん。無限に楽しめるペンシルパズル!

3.ペンシルパズルで遊びたい! と思ったら

ところでここまで散々話題にしてきたペンシルパズル、一体どうやって始めたらいいのかという話がまだでした。
ペンシルパズルで遊びたいと思ったらどうすればいいのか、これからデビューしようと思っている方に向けて解説します。

①問題を手に入れる

主に「書店でパズル誌を購入する」「ネット上に公開されているものを見つける」の2通りの方法があります。

書店で購入する場合は、パズル誌のコーナーを眺めて、面白そうなものをえいっと選びましょう。
週刊誌・ファッション誌サイズで「クロスワード」「ナンプレ」「お絵かきロジック」といったタイトルの懸賞付きパズル誌は、そこらじゅうで見つけることができます。それに加えて、書店によっては小さなサイズのパズル本が並んだコーナーがあることも。

一方で、ネット上の問題を探す場合。検索エンジンやTwitter(現X)などで「○○(パズル名) パズル」と検索すればさまざまなパズルがヒットしますが、後述の「例題」「ルール」が載っていないことも多く、初めて触れる人にはちょっとオススメしづらい面があります。こちらは少し慣れてきた人向けですね。

※例外として、Puzzle Square JPというパズル投稿サイトは例題・ルールともに充実しているので、初めての方でもわりと安心。私も時々ここで出題しています。

②例題とその答えを見てみる

解きたいパズルを用意したら、さあ早速解くぞ!……とその前に、まずは例題とその答えを見てみましょう。そのパズルが大体どのようなことをするパズルなのかを把握することができます。

次にルールを読むことになるのですが、言葉だけだと理解しにくい部分もあるものです。ルールの理解のためにも、例題は大事。

③ルールをじっくり読んでみる

例題を見てなんとなくの雰囲気を掴んだら、ルールを読んでみましょう。一度ルールを把握すれば一生そのパズルで遊べるようになるので、時間をケチらずじっくりと!

親切な本だと、実際にパズルを解く流れを解説してくれていることもあります。ありがたく読みましょう。

④簡単な問題からスタート

例題を見た! ルールも読んだ! これで準備は万端、いよいよ実際に問題を解いてみましょう。

ペンシルパズルに限った話ではありませんが、まずは簡単な問題からトライしましょう。大抵はどこかしらに難易度が書いてありますが、もし書いていなかったら他と比べて小さな問題を選べば良いと思います。

⑤解いてみてどうだった?

無事初めての問題が解けたら、自分を褒めてあげましょう。すごい!
さてそのパズル、解いてみた感想はどうでしょう?

なんかいい感じで解けたな、割とスムーズに解けたな、もっと解いてみたいな、と思ったら別の問題も解いてみましょう。また新たな面白さに出会えるかもしれません。

なんか自分には合わんなあ、難しすぎるなあと思ったら、(本を買った場合はちょっと勿体無いですが)一度スパッとそのパズルから離れてしまいましょう。
たまたま自分には合わなかったんだと割り切って、また別の種類のパズルを探せば良いのです。ペンシルパズルはいくらでもあるので。

おわりに

ということで「ペンシルパズル」、覚えて頂けたでしょうか。

「○○っていうペンシルパズルが面白いから紹介します!」とか、「初心者のために簡単なペンシルパズルを用意しました!解いてみて!」といった試みはこれまで見たことがあるし、主催したこともあります。
しかしペンシルパズル未経験者にとって、これらは最初に必要な情報なのだろうか? 「そもそもペンシルパズルって何者なんだ」という切り口が必要なのではないか? と頭ぐるぐるさせ、本記事を執筆した次第です。

拙い文章ではございますが、この記事がペンシルパズルを知るきっかけに、またペンシルパズルを始めるきっかけになればこの上ない幸いでございます。


◆「ペンシルパズル」は株式会社ニコリの登録商標です。

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