成宮由愛と学ぶ！ヘルゴルフ作問基礎【⑥高度なテクニックを取り入れてみよう 〜その2 逆算〜】

みなさんこんにちは、ふーなんとかさん(@fuwa_lica_chan)です。今日から高度なテクニックのお話が始まりましたが、内容は理解できたでしょうか？ 前回の講義はなかなか難しかったと思います。

はい。私もうまく説明できるように、頑張ります。

「逆算」を学ぼう

今回は高度なテクニックの第2弾、「逆算」を学んでいきます。小さい盤面ではうまく問題が作れないので、今日は10×10の盤面を用意しました。
由愛ちゃん、今まではヘルゴルフの問題を解くときはボールから線を引いて解いていましたね。

ですが、この「逆算」はボールではなくHのマスから線を伸ばしてしまうテクニックなのです。

こんな盤面があるとします。

この盤面にはボールが1つもありませんが、実はもう線が引ける場所があるんです。

はい。1つだけ置かれているHのマスに注目してください。このHのマスにボールが入るためには、どんなルートを通ればいいでしょうか？

わかりにくかったら、1方向ずつ考えてみましょう。左は壁なので入れないとして…たとえば、下からこのHのマスに入ることはできますか？

その通りです！ では同じように、右から入るルートも考えてみましょう。

そうですね。これで左・下・右からは、このHのマスに入れないことが判明しました。ということは…？

よくできました！ イレギュラーな線の引き方なので形がちょっと変ですが、こんな線が引かれるわけです。

いえいえ。実はこの矢印はまだまだ伸ばすことができますよ。今度は、今引いた線の先にあるマスに注目しましょう。

さっきと同じように、このマスにボールがたどり着くにはどこを通れば良いかを考えてみましょう。

そうです。では、右に線を伸ばすとして…由愛ちゃん、何マスぶん線を引くことができますか？

由愛ちゃん、上の図で赤く囲ったマスからHのマスに進むために、何マス移動したでしょうか？

さて、ここでヘルゴルフのルールを振り返りましょう。普通は、ボールが移動する距離は1マスずつ少なくなっていきますね。

では、ボールの動きを逆から…つまりHのマス側から見ると、ボールの移動距離はどうなっていきますか？

はい。移動を逆向きに見ると、ボールの1回での移動距離は1マスずつ増えていきます。

では先ほどの図に戻りましょう。少しメモを付け足しました。

その通りです！ このように「Hのマスへ入る方向が1つしかないときに、Hのマスから線を伸ばしていく」というテクニックを逆算といいます。

たしかに、本物のゴルフではこんなことは起こらないですね…まあ、パズルの世界の特権ということにしましょう。

さて逆算で引かれた線は、障害物さえなければどこまでも伸ばしていくことができます。今は「2マス動く」ところまで線を引いたので…

はい、そうですね。ただ3マスの線を、右と下のどちらに進めるかがわかりません。

では、どちらかの進路を塞いでしまいましょう。

このままだと、どこまで行っても進みかたがたくさんできてしまいそうです。

何かに気付いたみたいですね。さあ、どうしましょうか？

はい、その通りです！ ということで、「逆算で伸ばした線につながりそうなボール」を2つ置いてみましょう。例えばここに⑤のボールを置けば…

このように進んで、逆算で伸ばした線につながる可能性がありますね。

一方、ここに④のボールを置けば…

このようにつなげることができます。

ということで⑤のボールと④のボール、どちらも置いてしまいましょう。

さあここからが難しいところです。第5回の軌道確保のときも話題にしましたが、せっかく仕込んだ逆算のテクニックを使わなくても解けてしまう状態になる「手筋消滅」は、なんとしても避けたいところです。

また、今置いた④と⑤のボールのまぎれも用意しないといけません。ということで…ここに⑥のボールを置いてみましょうか。

はい。このように、難しいテクニックを使って引かれた線を使って他のボールの線を引く、というのがコツでしたね。ということで、引けるところまで線を引いていきます。

今の移動のおかげで、進路が決まりましたね！ ⑤からも線を引きましょう。

はい。ここでカップインさせてしまいます。さあ、なぜだかわかりますか？

その通り！ うまい具合にまぎれを作ることができるのです。

さて、いつの間に動かせるボールがまたできていますね。

そうですね。逆算の線につながるのは、こっちのボールだったのでした。

綺麗な線になりましたね！ 面白い動きです。

あとは右の空いているスペースに…まとめてで申し訳ないですが、こんなふうに置いてみました。

今置いた④と③のボールも、もちろんまぎれを意識しています。いろいろな行き先があることを確認してみてください。

いいですね！ 盤面がだいぶ埋まったので、今回はここで完成にしましょう。

それはよかったです。なかなか高度なテクニックですが、解くときに登場するとびっくりな動きをするのでインパクト抜群です。難しい問題を作るときは、取り入れてみると面白いかもしれませんね！

【今回の課題】

「逆算」を使ったヘルゴルフの問題を作ってみましょう。今回作った問題は逆算を使う場所がわかりやすいですが、意外な場所で逆算を使うように作ると芸術的ですね。

問題を作ったら、Twitterなどでハッシュタグ「#ヘルゴルフ作問基礎」を付けて投稿してみましょう。