スリッパで階段は危険だと説いていたら、結局ミニモニ。に落ち着いた話

テーマ:スリッパ

私の実家では、年中みんな、裸足で過ごしていた。
冬はモフモフの靴下を履いていた気もするけど
寒さよりも、階段で滑る恐怖が勝ってしまった。

姉は、就職前、大学生活最後の数ヶ月に
自分で貯めたお金でロンドンに留学した。
行動力とか、そのためにお金を使える勇気とか
あと、向こうでちょっとした恋模様があったとか
そんな姉をかっこいいなと思っていた。

ロンドンでいつも履いていたからと言って
実家でもスリッパを履くようになったことだけ
唯一、癇に障った。

帰国後数日間はスリッパを履いていたけど
ある日、スリッパのまま階段を上っていた姉が
盛大にコケた。

踊り場に顔面からぶつけ、うずくまって泣いている姉。
ただ、彼女の前歯は床よりも硬かった。
前歯は無傷のまま、踊り場が凹んでいた。

姉は早々にスリッパを捨て
母は踊り場の凹みに絆創膏を貼った。

実家を手放すまで10年近く貼られたままだった絆創膏は、床と一体化していた。

姉が親知らずを抜いたときは
歯医者に「抜いた歯を学会に出したい」と言われ
診察には関係ないレントゲンを何枚も撮ったらしい。
姉の歯は、研究対象レベルだった。

私が今住んでいるのはマンションなので
階段で転ぶ危険はなく
履くだけで痩せるというダイエットスリッパを愛用している。

毎回、意図しない場所がすり減って捨てているし
全く効果は感じていないけど
信じる者は救われるはずだと
また新しいダイエットスリッパを買う。

自分を信じていくのだぴょん。

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