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しごきぬかれる乙女たち1-3

第一章 某女子大学で鍛えられる乙女たち

ー 寮に到着 ー
198×年4月 桜満開のこの駅に2両編成の列車が到着した。駅舎といえる立派なものはなく、ほぼ無人の改札口を多くの若い女の子たちが大きな荷物を抱えて通過していく。改札台の箱の中に切符をなげこみ、もう、戻ることはできないとの覚悟で駅前の桜並木を進んでいく。

『持ち込む荷物は最低限にしなさい』との入学案内があったが、愛美は海外旅行に7日間くらい対応できる大きなスーツケースに着替えなどの多数の荷物を詰め込み、引きずりながらふらふらと改札口をすり抜けた。

小さな駅舎を抜けたら、赤いジャージに白のTシャツを着た女の子たちがたむろしている。
その中の女の子2人が愛美に近づき、『〇〇大学の新しい先生ですか?』と話しかけてきた。
おそらくこの大学の新2年生か?19歳の子から見たら私はおばさんかな?と
思いながら『いいえ、私は、この大学に入学しました』と小さい声で答えるると、女の子2人の態度が一変し、『なに?声が小さい!聞こえない!名前は?』と怒鳴りつけられた。
愛美は驚き『みや・・』と言いかけた時、再び遮られ『聞こえない!』と怒鳴られた。愛美は慌てて、『みっ宮地愛美です』と大声で答えた。
よく見ると愛美の周りにも他の新入生たちが挨拶をさせられて、泣きながら答えている子達がいた。
これはまだ地獄の入り口にも立っていないと気づくこととなる。

桜並木は舗装されていなく、スーツケースを持ち上げるように歩いていると、4階建ての建物が3棟見えてきた。ようやく到着した。寮の敷地に入ったところに簡易受付のような場所があり、赤いジャージに白のTシャツを着た女の子たちが走り回っている、受付にはジーンズとトレーナを着た女の子が座っているのが見えた。

いよいよ、地獄の入り口だ。24歳の愛美は年下の子から、肉体的にも、精神的にも、酷い屈辱としごきを受けることとなる。

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