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君に贈る火星の
宇宙飛行士の彼は一年ほど前から火星に居住している。
彼は火星でインフラを整備する仕事に携わっており、人類が安心して住めるよう日々仕事に邁進していて、そんな彼を私はスタッフの一人として地球から支援している。
彼は地球に帰還する予定がなく、私もいずれ火星へと旅立つので最近は断捨離をしていて、手始めに二人で住んでいた部屋からワンルームへと引っ越すことにした。
そんなある日彼からメールが届いた。
『引っ越しもうすぐだね、頑張って!昨日採掘された鉱石はとても美しかったんだよ。そして君にあるものを手配したよ』
これはきっとプロポーズの言葉だ!
私は踊り出したい気持ちを抑え、冷静に準備を進めた。
引っ越しの当日──。
朝早くにチャイムが鳴った。
業者が来るのは10時の予定なのに……そう思いつつインターホンに出た。
「引っ越しセンターです。◯◯(彼)さんからのご指定で来ました!」
もしかして火星じゃなくて加勢……?