学校であった怖い話 秘密/告白ルート 見解と製作話
※ネタバレを含んでいるので要注意
自己満足ですが個人的見解と製作話をここに残しておきます。
まず学恋を期待していた方々には申し訳ないです。
最初は恋愛話を考えていたんですけど、主人公が素っ頓狂な行動をしたからこそ、ふざけ半分で選択した先にある導入部分の落差で心を捉えたいというやましい気持ちもあってあえてのホラーに。それでも告白を題材に話は広げたいと思っていたので、恋愛絡みの話で何かないかと孫の手のあるページを眺めていてひらめいたのがifストーリーというか、七不思議の後日談じみた話だったので今回、学怖S岩下さんの五話目を僭越ながら取り上げさせて頂きました。
誰かは伏せときますが、最初の犯人役は全く違う人でした。しかし書いてる途中であまりにも盛り上がらなくて、特に何の捻りもなくただただ平坦なシナリオになってしまい後半をばっさり没に。
結果として初心者さんやSを未プレイの方には少し不親切なシナリオとなってしまい申し訳ないです。
S面白いのでおすすめです。
Sでは男主人公と女主人公を選べるシステムがありまして、どちらの主人公を選ぶかで語り部たちの話が変わるんですよね。
なので話数によって二つ存在する話にはもしかしたらその話のバックグラウンドが存在(殺人クラブと隠しシナリオは別としまして)している可能性も坂上くんと恵美ちゃんが同じ時間軸に存在していればあり得るのではないかという考えを経てこのルートのシナリオがうまれたのですが実際に書いてみたら岩下さんが動かしづらくて 大 苦 戦
頭の中で貫禄ありすぎる位に彼女が不動で焦っていました。
一概には言えませんが岩下さんって他人を羨んだりと嫉妬深い反面、内山くんの話の時に見せた一面のように同じ痛みを背負うために自分も後を追ってしまう危うい人であり、身内に対してはとても愛情深い人だと思うんです。
そんな身内の中でも恐ろしいと思うのが許嫁の存在。
交通事故で死んだ運命の恋人という既存の話は自分にとって純愛話に見えるようで見えなかったんですよね。実は内心複雑なのでは?と勝手に解釈していました。二人の関係を恵美ちゃんが否定したらラップ音が響いてくるくらい激怒されるので若干岩下さんが言わされている感も否めないなと……。
岩下さんからの愛し続けられる自信はある?という質問で、yesを選んだら『かつての私も、あなたと同じだった』という答えが返ってきますし、一応危険な人であると認識しているのであればこの言葉の意味も色々と含まれていたのかなぁと穿った見方ばかりしていました。
なので、恋多き彼女なら溝のない生活が二人の間に永遠に続く事は難しそうだなと……彼女にしてみれば逃れられない呪縛になっている可能性もあるんじゃないかと思った訳ですが……あくまでも私見です。
相手に与えていた愛は自己満足でしかなく、ただの一方通行でしかなかったと自覚した時、そのやり場のない気持ちが狂気として向かう先が内か外でいったら五十嵐くんは後者。裏切ったら怖いけれど、愛する人には危害加えない分、他はどうでもよさそうなので恐ろしい事を仕出かしそうだな…と。岩下さんのために度の過ぎた愛情を示す五十嵐くんはいわゆるヤンデレではありますが、Sにて岩下さんの体を使って恵美ちゃんに危害を加える時点で彼女の手を汚してまで巻き込んでいるので、ヤンデレとも少しズレた部類だと思っています。
恋は盲目という言葉もある通り、ベクトルが変な方向に飛んでしまうくらいの理性や常識を逸した行動は深い愛故で周りが見えなくなってしまう程の暴走に見えるように書いていました。
そのため坂上くん以上に葛城先生を不憫な立場にしてしまいましたが、実は裏に描いた背景はまだまだありました。
ホラーって謎を含んで終わるものが多いので何処まで書いていいのかわからなく、敢えて書かないシーンもあったんですけど、説明の塩梅とその正解が未だに解りません。色々と余白を残しても理解不能と言われたらそれまでなので、終盤シーンはまだまだ詰めて書けたであろうと大いに引きずる反省点です。
本ストーリーでは倫理上の観点から迷って明かしていない裏設定があったんですけど、先生の婚約したお相手が裏で岩下さんによこしまな感情を抱いていたという位置付けにして葛城先生を巻き込んでいた実情がありました。
岩下さんに自覚はなくても守護していた五十嵐くんだけが察知して貶めようしていたので、背景では先生の婚約者も恨まれており、坂上くんを含め巻き込まれていた三人の共通点は岩下さん。離れた事で守れなかった・大事な人と結ばれる事が叶わなかった・(死後岩下さんを想って)人を殺めたというそれぞれの罪咎は全て五十嵐くんの抱えるものであり、その痛みを葛城先生を通して三人に体感させ苦しめてから死に追いやるというのが本来彼が企んでいた目的でした。……だとしても岩下さんの命に勝るものはなく、自分の分も人生を託す大事な存在である彼女を失う事を一番に恐れていたからこそ全て許したのであって守護する意味は好きな人の幸せを願うあまり、周りの男性を引き剥がそうとする歪んだ束縛を抜きにしたら愛情は一途なもので、もし生きていたら二人は理想の関係だと思っています。
しかし事件解決後に婚約破棄という経緯があったので、五十嵐くんの企てていた計画の範疇外でも一途でなかった想いにバチが当たった結果だけは五十嵐くんの思惑通りとなり、その企みは彼だけの秘密という形で話を終わらしていました。
話は変わりまして、作成したプロット段階では坂上くんと先生と別の犯人役を登場させるつもりでいたので主に坂上君の単独行動ばかりでした。しかし話がだれてしまい、結果としてブラフ役の荒井さんや皆が忘れているであろう25年目にして引っ張り出すと思わなかったキャラや新堂さんを登場させる事に。
そのため今回は珍しく共闘してくれた新堂さんもいた訳ですがこのシナリオのキーパーソン的存在の彼は正直頼れそうではあるけれど、いざという時人のために動くことって残念ながらあまり無い……。
果たしてこんな動きをさせてしまっていいものかと悩みながらも賛否両論を承知の上で今回だけは後輩のために一肌脱いでくれた頼れる先輩になってもらいました。一応株が上がりすぎると良くないので通常運転の彼も別分岐に入れて均衡は保ったつもりです。
折角書くからには魅せる要素は多く書こうと格好いいシーンを盛り込んだので少しでも頼れる新堂さんの姿を楽しんで頂けたら嬉しいと思っています。勿論主人公も。
最後の見せ場では坂上くんの最強タックルに笑ってなりして頂けたら当方にこにこしております。
新堂さんもですが、それぞれの人物がこんなの違う!とひどい解釈違いでお怒りになられていたらすみません。ここで頭を下げています。
つまらないもの読ませやがって、プレイ時間返せ等の批判と酷評は裏でボロクソとご自由に……。
作品の一部になっている以上、登場させた人物が共通認識される責任があったので、できる限り綺麗めな性格で動かす事をモットーにしていたためヒール役を選ぶ時は正直辛かったです。
パラレルワールドとでも思って許してやってください。
こうして紆余曲折書きながら迷走を辿ってゴールした頃には痴情の縺れが招いた中々の殺意度高めな凶悪ルートになっていました。
暴力的なエンドを少しでも抑えるために工夫は色々と凝らしたんですけど、これはもうコンシューマー的に問題になりそうなので自身としても大幅な改変を希望しています。
もし学恋にでもなっていたら、葛城先生の牙城を崩すのは根気が要りそうですけど攻略出来たらそれもまた新たな秘密になって面白いかもしれませんね。
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