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“部室”の日常~行きつけの飲み屋でのあれこれ~

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飲み屋で飲むのが大好きです。 日々経験する出会い、気づき、学びを切り取ります。
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#常連

“部室”の日常 - (6) おじいちゃんたちの健康法

いつもの飲み屋には、20歳になりたての若い人もいるけれど、戦前生まれのおじいちゃん、おばあちゃんも割といる。この店の不思議なところは、なぜか世代を問わずみんなが、「部室」に来る人と普通に話をするところ。 その1:わいさんおじいちゃんの中でも、お店に来る頻度がとても高いわいさん。 地元で商売を続けて40年。今も現役で、多くの人からの人望が厚い飲兵衛。いつも近所のお風呂屋さんに行った帰りに店に寄って、いつものやつを頼んで、気持ちよさそうにタバコを吸っている。 そんなわいさんが

“部室”の日常 - (5) 部室はみんなでつくるもの

「マグロの仕入先を変えてみたんだよね。仕入れ値が◯◯円で安かったんだけど、どう思う?」 店長(兼料理長)がそう言いながら、お刺身を出してきた。 「うーん。。微妙」 「……だよね」 このお刺身、私は客としてお店に注文しているもの。 その後のやりとりが、↑これ。 お店は普通、お客に仕入れ値を言うことはまずないと思うし、「どう思う?」と聞くこともない。 そして客も、お店に対して直接「微妙」ということもあまりないと思うし、それをうけて店側が「だよね」と言うこともないだろう。

“部室”の日常 - (4) 思い出と願いがこもったお酒

いつもの飲み屋に入ったら、若い男の子が私を見て「来た!」という顔をした。そばの席になるとよく話すけいくんが、私を待っていてくれたようだった。 「待ってましたよ!ありますよ、あれ!」 「あれ」……? なんだろう。なんか約束してたっけ?と思いながら「あ……ああ、そうなんだ!」と微妙な返事をする私。 (少なくてもここの)飲み屋の常連同士は、たまに呼び出したり呼び出されたりすることはあっても、約束して落ち合うことはほぼない。そもそも連絡先も本名も知らない人が多い。 でも、期待し

“部室”の日常 - (3)「いつもの」の難易度

いろんな事情で出会い、通うようになったお店がいくつかある。その中で一番自宅から近いこのお店が、今は一番通う頻度が高い。 私の「いつもの」一杯目「何にしますか」 「紅茶ハイ」 というやりとりをして、一杯目の紅茶ハイを注文する。 キンミヤを無糖の紅茶で割ったもの。私が撮る飲み屋での写真には、ほぼほぼこのお酒が写り込んでいる。 かなり長い間通っていて、私はこの店での一杯目はほとんど紅茶ハイしか頼まないけど、私から「いつもの」とは言わないし、言われない。 「いつもの」から見える