【毎週ショートショート】半笑いのポッキーゲーム
11月11日はポッキーの日。
誰が言い出したか知らないが、同じような毎日を送る私たち学生からすれば、それは大切なイベントであった。
「ポッキーゲームしようぜ!」
仲良し三人組のA子が言い出した。イェイ。さっそくポッキーをスタンバイしてじゃんけんでデュエルする。勝者は恥じらう敗者のポッキーゲームを高みの見物だ。
「苦しゅうない。はようせい」
「ぐぬぬ」
私はB実と向かい合い、ポッキーのはじを喰んだ。この時点で既に半笑いだ。B実も半笑いで近づいてくる。よだれがでてる。汚い、汚い!
「うふふふ」
「ぐひひひ」
「あははは!」
この時、どっちが勝ったのかなんて覚えてない。そもそも勝ち負けの基準なんて知らない。大事なのは、どんな毎日でも些細な楽しみを見つけて、全力をかけること。それが私たちが楽しくおかしく生きるコツ。
「老人ホームも一緒なら楽しいね」
そんな言葉を思い出して、あの頃の私たちが微笑ましくて笑った。
みんな、今頃どうしてるかな。
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思いの外青春テイストに着地…。
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