公共男子トイレに入ることになった日

今週に入って、初めて子どもが2人とも保育園に行けた。1ヶ月近く有給休暇をいただいているのに、子どもが変わるがわる体調を崩すので自由に過ごせるはずだった日々の半分は子の看病をしている。

ようやく自分の予定をこなせる日。午前中は電車に揺られて病院へ。右足のふくらはぎに下肢静脈瘤があるので、検査をしてもらった。下肢静脈瘤とは、足から心臓に血液を戻すための弁がうまく機能しなくなっために血液が足に溜まり、浮腫んだり、血管がボコボコと浮き出るなどの症状が出る良性の病気。妊娠・出産をすると発症リスクが上がるらしく、わたしも長男を産んで半年ほどした頃にふくらはぎの血管が大変なことになっているのに気がついた。

あまりにも見た目が悪いので、1週間後に手術をしてもらうことにする。手術とはいっても10分ほどで終わる簡単なもので、普通に歩いて帰れるらしい。

帰宅して会社との面談。復帰後の働き方を決める。9時〜14時+1時間(朝・夜など)という超時短で復帰することの了承を得る。一応時間はきめたけど、中抜けして後ろを伸ばしたり、子ども通院させてから勤務開始するなどもできる。一時は退職も考えていたけど、とても柔軟な対応をしていただいて頭が上がらない気持ち。


保育園後はいつも一緒に公園遊びをするママ友とその息子くんたちと児童センターへ。閉館時間になってもキャッキャとしている長男とママ友長男の3才くん。隣のコミュニティセンターまで行って走り回り、階段をかけ上がったりするのを体重11キロの次男を脇に抱えてダッシュで追いかける。次男は何が面白いのかゲラゲラ笑っていた。

途中、3才くんが「おしっこ」と言って1人で男子トイレに行った。わたしが「男子トイレには大人は2人とも入れないしどうしよう」とアタフタしている横で、ママ友は冷静に「ここで見てるからね〜」と声をかけて、男子用小便器の前に立つ3才くんを外から見守っていた。どうやらパパと一緒に男子トイレに行ったことがあり、小便器の使い方も知っていたようだった。

わたしが走り回る次男を追いかけている隙に、「長男くんも一緒におしっこする!」と長男が言うのが聞こえ、振り向くと長男はすでに男子トイレの中に消えていた。

彼はまだおむつ中心の生活だし、小便器はおろか外出先のトイレは一度も使ったことがない。でも本人はやる気満々でズボンを下ろしお尻を出して小便器に向かってちょこちょこ歩き出していた。次男を脇に抱えて焦りまくるわたしに「ちょっとくらい入っても大丈夫なんじゃ?誰か来たら教えますよ」とママ友が言ってくれ、わたしも男子トイレへ。

洋式のトイレは嫌で、どうしてもお友だちと同じ小便器で用を足したい長男に、「もう少しおちんちんだけ前に出して!あ、でもトイレは触らないで!ばっちいから!」と使ったこともない小便器の使い方を懸命に教える。大人サイズの小便器で用を足すのは簡単ではなさそうで、うつむいた頭が小便器の中に入っている状況にわたしは絶叫寸前だった。頭が直接触れたわけではないから別に汚れてはいないのだけど、嫌なものは嫌だった。


ようやく帰宅。お風呂に直行する。脱衣所で子どもたちの服を脱がせながら、ママ友が長男を褒めてくれたときの自分のリアクションを振り返って反省する。

ママ友が「長男くん、もうパンツなの?すごいね!」と褒めてくれたとき「いやでも基本おむつですよ!園でも何度もお着替えしているみたいで」と変な謙遜をしてしまった。わたしは、子どもの前で子どもを下げる発言をしたり、褒められたのに「そんなことないんです」と謙遜して否定することはしないと心に決めていた。子どもが自信をなくしてしまうだろうし、良い気持ちはしないと思うからだ。なのに、反射的に謙遜をしてしまったことがショックだったし、長年染み付いた謙遜癖の恐ろしさを知った。


お風呂後はすぐに夕飯。長男がお味噌汁でガラガラうがいをしていることにガミガミ言っている隙に、次男から目を離してしまう。ハッと気がついたときはすでに手遅れで、次男はパジャマの上下はもちろん足の裏まで納豆まみれになり、ベトベトの手で髪の毛を触っているところだった。

賞味期限が切れそうだからと軽い気持ちで納豆を出したのが運の尽きだった。

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