生成AIの時代になってエンジニアの仕事はなくなるのか？

2025年に入り、生成AIを筆頭とする技術革新のスピードは異常なまでの早さで進化・発展をしてきています。
直近では「GPT-o3」「Deep Seek」「Deep Research」「Copilot Agent」「Operator」など、さまざまなキーワードで語られる技術革新を目の当たりにしている方も少なくないと思います。

私オーロラは、ソフトウェア開発の現場で15年近く過ごしてきました。
最近の開発エンジニアでよく話題に上がるのは「AIによってエンジニアの仕事はなるなるのか？」という話です。
これには多くの意見や考え方があり、未来の捉え方次第でどんな表現にもなり得ますし、楽観的に考えるか悲観的に考えるかで答えは大きく変わります。
ただ、これまでの歴史でも技術革新は起こっていて、それに合わせてエンジニアの存在価値は変わってきました。

今この時代まで、開発の現場が時代がどう変化してきて、それに合わせて技術がどう進化してきたのか。
これからのさらなる技術の進化で果たしてエンジニアはどうなっていくのか。
開発現場で過ごしてきた経験から、これまでの変化とこれからの進化を「主観的」に意見を述べていくのが本noteになります。

初回となる今回のテーマは
「エンジニアの仕事はなくなるのか？」
です。
初回から結論を述べていく内容になっております。ぜひ続きをご覧ください。

エンジニアの仕事はなくなるのか？

結論を申し上げます。
エンジニアの仕事はなくなりませんが、エンジニアの仕事を自らなくすべきです。
ここから説明していきます。

コーディングという仕事はしなくなる

「エンジニア」という職種には、その中で行う業務はさまざまです。

• 課題・ニーズに対してどういうものを作るのか要件定義

• 要件を満たすシステム設計

• 設計を元にコーディング

• 作ったシステムのテスト

• リリース

• フィードバックを受けて改善

• 保守運用

ウォーターフォールの工程ごとにわけるとこのようになっており、エンジニアとして関わる領域はコーディング以外の工程も含めることが多いですが、特にエンジニアとして一番の腕の見せ所は コーディング の工程なのではと思います。
プログラミング言語を用いて、プログラムを書いていき、実際に動くシステムを作り出すという業務です。

残念なことに、このプログラムを書いていくコーディングの工程は、人間が行う必要がなくなります。すでになくなってきていると体感してきている人も多いと思います。
GitHub Copilotをはじめとした生成AIでの部分的なコーディング支援により、自分自身でプログラムを書かなくなってきている状態です。
最近だと、AIエージェント的に自律して、部分的なコーディング支援だけではなく、コード全体を書いてくれる生成AIも増えてきています。

この、コーディングに対する技術の進化は加速します。
今はまだ、生成されたコードを人間がチェックして受け入れるというフローを用意することで、人間のエンジニアが最終的にチェックするという業務を残していますが、それすらも必要なくなります。
生成AIがコーディングを行った上に、必要なテストを実施して品質を担保し、問題がなければシステムはマージされる。
自動的に作られたものを人間がリリースするだけになるということです。

これは、産業革命前後の製造業をイメージしてもらうと理解がしやすいと思います。
産業革命以前は、素材を元に人間が加工し製造し、完成したものを人間がチェックし問題なければ流通させる、という工程でした。
これが産業革命を契機に、製造工程が機械化・自動化されていきました。最初は部分的だった自動化も、技術の進化によってどんどん範囲を拡大させ、今では製造工程全体を自動化し、製品が完成するまですべて機械で行われて人間が必要なくなりました。

ソフトウェアの開発工程も、産業革命の進化と同じ流れです。
生成AIという技術を契機に、コーディング工程がどんどん自動化されていきます。最終的にはリリース（流通）する前まで人間は必要なくなります。

生成AIを活用しない限りエンジニアの仕事はなくならない

これまでの話でコーディング業務は生成AIに取って代わられるような話をしていますが、そもそも生成AIを活用しない限りエンジニアの仕事は何一つなくならないです。
世の中で自動化・機械化が進んでいてもなお、ひとつひとつ手作りにこだわる尊厳と覚悟を持ち続けて製品を提供しているメーカーと同じです。
これが冒頭に申し上げた「エンジニアの仕事はなくならない」の理由です。

人間は機械より遅いしバグを生むという自覚を持たなければいけない

ただし今話しているのはソフトウェアの世界です。
ソフトウェアを通して価値を届けるにあたって、その内部のプログラムが人間が書いていようが機械が書いていようが、利用者にそれが肌身で伝わることはありません。
それよりも、「早く」「安く」「質の高いもの」が提供できていた方が良いです。
そう考えたときに

• 生成AIによって自動化され、高速で作られ、品質を担保したシステム

• 人間によって手作りし、限られた稼働時間で作り、バグを埋めうるシステム

のどちらが価値提供として最適かというと、圧倒的に生成AIです。
価値提供の面で見る限り、生成AIにさせない理由はないということです。

エンジニアとして何のために仕事をしているのかを考えると、自ずとこの答えにたどり着きます。
より良いシステム・サービスを社会に提供するためにより質の良い手段を取ることが最適だと気づくはずです。
これが冒頭述べた「エンジニアの仕事を自らなくすべき」の理由です。

エンジニアの仕事を自らなくして良いのか？

エンジニアの仕事を自らなくすというのは「今やっている仕事を生成AIに代替させる」と読み替えることができます。
今の仕事を生成AIに代替させるのは積極的にやるべきです、それは先ほどの価値提供の話につながってくるためです。
ただそのときに新たに生まれる仕事が、今までエンジニアの仕事ではなかったがこれからエンジニアとしてやっていくべき仕事です。
それが「生成AIを開発プロセスに組み込む」という仕事です。