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このままでいいのか?

出版業界には、ビジョンが必要だと思う。
一冊一冊の本には、発刊される願いがあって、伝えたいメッセージがあって、編集者と著者、その他関係者の思いが込められて出版されている。しかし、本が売れない状況になって、出版社や書店の経営が危ぶまれてくると、どうしても売上や利益を考えて本づくりをするようになる。

貧すれば鈍する。貧乏になると、精神的な働きが衰え、智慧がでなくなることを意味するこの言葉が、業界の現状を表してはいないだろうか。個別の例をあげるまでもない。業界で働く人にぜひ自らの心に聞いてみてもらいたい。モチベーションの変化や、会社組織の雰囲気などから、納得できる点があるように思う。

さまざまな取り組みが業界のニュースとして取り沙汰されてはいるものの、改革の波に乗れていない人も大勢いる。現状をじっと静観し、苦しい状況を耐えている人たちの多くが、疲弊しきっているのではないか。

このままでいいのだろうか? いいわけない。このままでは、精神をつくる本や読書という文化が、ゆっくりと失われていってしまう。

いまこそ、これまでの延長にないビジョンが必要だろう。
そのビジョンを語るときには、ワクワクした気持ちで取り組みたい。
次回の未来出版研究会の議題は、前向きになれるテーマを設けよう。


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