【予測】ロシア敗北状況 -ロシアによるウクライナ侵略 ロシアはどう敗北するか衛星画像から解析する(2024/05/02) -
要約:戦争をしているのに、モスクワ周辺は活動量が低下しています。
しかし戦争継続可能なのは、ロシアには、ソ連時代から兵器製造専用都市ともいうべき、戦争用の都市が整備されており、その活動により継続できている、ということです。もちろん、補給線としてはシベリア鉄道、つまりロシアのコンテナ鉄道輸送です。
はじめに
シベリア鉄道の輸送網は上の図通りで、極東地方の拠点港湾であるボストチヌイ、ウラジオストクからエカテリンブルグ、モスクワまで路線がつながっています。また、支線がイランまで伸びているので、イランからも買い付けることが可能なわけです。
衛星画像@夜間光解析からウクライナ侵攻の主要補給網といっていい、東からの活動の活性化していることがわかります。
問題は、ロシアのどの都市が活性化しているか、です。
背景の説明:
衛星データ、とくに衛星画像解析から、ある程度先を見通すことが可能です。モスクワから東の活動活性化活性化都市を探ることで、今後を見通そうとしています。
衛星画像は、2022/02/22 (開戦直後) と 2024/04/30(現在) の夜間光差分を採取しました。
(1)モスクワより東方面
青が、再活性化している場所。つまり、戦争遂行のため補給網として動いている場所です。一方、赤(ピンク色)が衰退している場所です。
※赤(ピンク色)が衰退している場所です。
戦争をしているのに、エカテリンブルグ周辺は活動量が低下しています。
エカテリンブルグとは、ウラルの首都と言われ発展著しいロシア第4の主要都市です。ウラル地域の工業・文化・教育の中心地で、交通の要衝でもあります。
ロシアは安保理決議に反して北朝鮮から武器を購入している
モスクワ、エカテリンブルグの位置関係です。
(2)活性化している都市
青が、再活性化している場所。つまり、戦争遂行のため補給網として動いている場所です。一方、赤(ピンク色)が衰退している場所です。
※赤(ピンク色)が衰退している場所です。
上図、左側:イジェフスク が活性化しています。
イジェフスクとは、第二次世界大戦(独ソ戦)におけるソビエト連邦や冷戦における東側諸国の軍事力を支え、世界的に名をはせた兵器製造専用都市です。具体的には、イジェフスクの兵器工場(イズマッシュ社)で、ミハイル・カラシニコフは有名なAK-47を設計しました。そのためソ連時代は外国人の立ち入りが禁止された閉鎖都市でした。
イジェフスクーエカテリンブルグ 関係図
つまり、ロシアには、兵器製造専用都市が存在し、その活動によって戦争が支えられているというわけです。
以下の通り、モスクワをはじめ主要都市の活動量は下がっているのにも関わらず、イジェフスクの都市活動量は上昇しています。
(3)再掲:物流量
2021年12月が、今回のウクライナ侵攻準備です。
2021年を合計で2倍上回る活動量の急激な上昇させました。
しかし、2022年12月15日以降 ほぼ0%、活動停止です。
(赤:2023年の状況 オレンジ色:2024年の状況)
(4)サービスセクター活動量
コロナ渦:2020-2021の平均サービス部門 活動量との比較です。
ここでさすサービス部門とは、工業生産以外の活動量、つまり生活水準です。ロシアの場合、モスクワ=ロシア の活動量 と考えていいです。
しかし、2022年12月15日以降 ほぼ0%、活動停止です。
(5)都市活動量
例年:Baseline 2015 - 2019 年 つまりコロナ渦が発生する前とした、
都市活動量です。
ロシアの場合、モスクワ=ロシア の活動量 です。