〈鈴々ちゃんと人形の旅⑥〉
その夜、私たちは夢を見た。
私たち4人がシェアハウスの居間に集まってた。目の前には4本の棒があり、その棒の先には星やハートのマークが付いていた。
アンジュちゃんは教えてくれた。
「この棒をエイッて振ると魔法が使えるのよ。」
アンジュちゃんか棒を振ると星屑が散った。
「へぇ、私もやってみたい。」
鈴々ちゃんが振ると星屑は鈴々ちゃんの周りを取り巻いてグルグル回り、鈴々ちゃんは宙に浮いた。
「じゃあこれからお外に出てみようよ。」
アンジュちゃんは窓から外を見た。外は綺麗な星空だった。
「わぁ、綺麗な星空。夜のお散歩に出かけましょ。」
僕たちはみんな棒を振って宙に浮いた。窓から飛び出し、そのまま夜空の中へ飛んでいった。周りにはお人形やぬいぐるみ、ベッドなどが浮いてた。
僕たちは空中を回転したり、手を繋いだり、いろんなことをして遊んだ。
山の上の展望台に降り立った。目の前には夜景が広がっていた。僕は言った。
「夢の中では手から好きな物を出すことが出来るよ。」
僕は鈴々ちゃんに手から花を出して渡した。
「わっ!?」
鈴々ちゃんは少し驚いた。
まほろちゃんは手からコップに入った水を取り出し飲んでみた。
「うん。美味しい。」
アンジュちゃんは棒で地面に円を描いた。僕たちは円に入った。
「じゃあ私は手から何を出そうかな?」
鈴々ちゃんが考えてると地面が揺れ出した。
「地震?」
僕は周りを見た。鈴々ちゃんは、
「巨人よ。」
と言って夜景の方を見た。
巨人が夜の町を歩き回り暴れながら町を壊してた。
「とりあえず空中に逃げよう。」
僕たちは再び宙に浮いた。まほろちゃんは言った。
「鈴々ちゃんが、巨人が来るって言ってたのこのことだったのね。」
鈴々ちゃんは動揺してた。
「町が壊されていくよ。どうしよう。」
「私に任せて。」
アンジュちゃんは巨人に向かって話しかけた。
「巨人さん、町を壊すのはやめて。どうして町を壊すの?」
すると巨人は答えた。
「俺が暴れる理由が知りたければ文殊様に会いに行くがよい。」
その後、僕たちは目覚めた。
現実の居間に集まり話し合った。
「さっきの夢見た?」
「見た。」
「私も。」
「僕も。」
4人とも同じの夢を見てたみたいだった。
つづく