〈30.平和を広めるアイデア〉

 みんなでカフェのテーブルを囲みながらアイデアを出し合う。

「日本が好きなニューヨークの若者が日本に来れるようにしようよ。宿とか用意して日本での仕事も用意してさ。」

 アンさんもそれにノッて提案する。

「日本に来たらその様子をYouTubeで流して大勢の人に伝えましょう。

 日本のアニメが好きな外国人をネットで繋いで交流を深めて、魔法とカワイイで世界中の若者と仲良くなって。」

 キングくんも提案する。

「仕事を通じて日本人と交流して日本の文化を学べるような仕事をするといいよな」

 アーサーくんもアイデアを言った。

「ニューヨークのものを日本に売って、日本のものをニューヨークに売るといい」

 みんなでアイデアを色々言っているとダンススクールの人がやってきた。

「ダンススクールのみんな!」

「だったらこんなのはどうかしら?」

 ダイアナさんの声がした。声はするけど周りを見渡してもダイアナさんはいなかった。

「あれっ、ダイアナさんがいない」

「こっちよ、こっち」

「ダイアナさん、どこ?」

「上よ、上」

 ストリートライトに登ってた。

「ダイアナさん何でそんな所にいるの?」

「実は私、くノ一 なのよ。私は黒人問題の解決のためにいろいろ準備してきたの。その1つが忍者の技なの」

「えーっ!ダイアナさんって忍者だったの!?」

 ダイアナさんは5m位ある高い所から飛び降りてでんぐり返りで難なく着地した。

「もし手錠で手を繋がれても手を手首より細くできたら抜け出せるって気づいたの。それで親指の関節を外して手を細くするの」

「ダイアナさんって関節外しができるわけ?」

「錠破りやスリもできるわよ。パルクールもできるわ。」

「じゃあその技を使えば街中の物、盗み放題だ」

 そういうシャックに対してダイアナさんはたしなめた。

「ダメよ、忍者の技を悪用しちゃ。黒人問題の解決のために使うのよ。忍者の技って何のためにあると思ってるの?」

 スライは言った。

「そりゃあ戦うためだろう」

 スモークも言った。

「スパイのため?」

 グッドマンも言った。

「強くなるため?」

 シャックはこう言った。

「歯向かってこない限りこっちも手を出さない。但し暴力的な真似をするようだったら容赦なく倒す」

 その意見をダイアナさんは否定した。

「違うわ。忍者の目的は生き延びることよ。どんな争いのただ中でもただ生き延びること、それだけが目的よ。私たちは誰かと戦うわけじゃない。平和のために忍者の教えを役立てるのよ」

「ダイアナ、応援してるぜ(We got your back.)」

 グッドマンは胸を叩いた。ダンサーたちがダイアナさんの仲間になった。

 僕は聞いた。

「いつ修行してたの?」

「ハーバー大学でレッスンしたの。1つの授業が終わったら別の先生がすぐ来るようにしてもらって、移動時間をできるだけ減らす工夫をしてもらってたの」

ストリート編終わり

上流階級編につづく

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