米国株 まとめ 12月28日:ハイテク株高とエネルギー株安で株価はまちまち*備忘録*
S&P500指数 (SPY) は+0.04%上昇、ダウ工業株指数 (DIA) は+0.14%上昇、ナスダック100指数 (QQQ) は-0.05%下落
S&P500種指数は約2年ぶりの高値まで上昇し、ダウ工業株30種指数とナスダック100種指数は史上最高値を更新した。 米連邦準備制度理事会(FRB)が来年早々に利下げを開始するとの観測が株価を下支えしている。 また、人工知能ブームがチップ株の上昇に拍車をかけるなか、テクノロジー株も下支えとなっている。 ナスダックは、テスラの-3%の下落が指数の重荷となり、序盤の上昇をあきらめ小幅安で引けた。
米経済指標は、週間失業保険申請件数が予想を上回り、11月の住宅販売保留件数は予想を下回った。 マイナス面では、原油価格が-3%以上下落し、エネルギー株の重荷となった。
米週間新規失業保険申請件数は1万2,000件増の21万8,000件と、予想の21万件増を下回り、労働市場の悪化を示した。
米11月住宅販売保留件数は前月比横ばいとなり、予想の前月比0.9%増を下回った。
市場は、次回1月30-31日のFOMCで-25bpの利下げが実施される可能性を16%と織り込んでおり、次回3月19-20日のFOMCでも同じ-25bpの利下げが実施される可能性を101%と織り込んでいる。
欧米国債利回りは上昇した。10年物T-Note債利回りは+4.8bp上昇し3.837%となった。 ドイツ10年債利回りは+4.9bpの1.944%に上昇した。 10年物英国ギルト利回りは+5.7bpの3.493%に上昇した。
海外株式市場はまちまちだった。 ユーロ・ストックス50指数は-0.31%。中国の上海総合指数は+1.38%上昇。 日本の日経平均株価は-0.42%。
おもな株価の動き
不動産投資信託は、来年のFRB利下げへの期待から上昇した。ミッドアメリカ・アパートメント・コミュニティーズ(MAA)、カムデン・プロパティ・トラスト(CPT)、エセックス・プロパティ・トラスト(ESS)は+1%以上の上昇。
木曜日、ネバダ州ゲーミング委員会は、ラスベガス・ストリップのギャンブル収入が前年比22.6%増の8億2,100万ドルになったと報告し、カジノ株は上昇した。 その結果、シーザーズ・エンターテインメント(CZR)、ラスベガス・サンズ(LVS)、ウィン・リゾーツ・リミテッド(WYNN)、MGMリゾーツ・インターナショナル(MGM)は+1%以上上昇した。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、同社の新しいAI製品ラインが来年の利益を押し上げるとの楽観的な見方から、+1%以上上昇しナスダック100の上昇率トップとなった。
エスティローダー(EL)は、カナコード・ジェニュイティが目標株価を109ドルから138ドルに引き上げたことで、+1%以上の上昇。
アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、HSBCが買い推奨、目標株価86ドルでカバレッジを開始した後、+1%以上上昇した。
チャブ・リミテッド(CB)は、HSBCが買い推奨、目標株価263ドルでカバレッジを開始した後、+1%近く上昇した。
リジェネロン・ファーマシューティカルズ (REGN) は、ヴァイアトリスが開発した眼科治療薬の廉価版によって同社の特許権が侵害されたと裁判所が判断したことで、水曜日の+2%の上昇に加え、+1%近い上昇。
テスラ(TSLA)は、ロイター通信が2人の米上院議員が、同社が顧客やユーザーのミスのせいにしてきた、故障が頻発する部品を搭載した車のリコールを求めていると報じたことで、-3%以上下落してS&P500種株価指数とナスダック100種株価指数の下落率トップとなった。
WTI原油価格が-3%以上下落したため、エネルギー株とエネルギー・サービス・プロバイダーは後退した。 その結果、アパ・コーポレーション(APA)、ヘスス・コーポレーション(HES)、マラソン・ペトロリアム(MPC)は-2%以上下落して引けた。 また、シェブロン(CVX)は-1%以上の下落で引け、ダウ工業株指数の下落率トップとなった。 さらに、マラソン・オイル(MRO)、オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)、エクソンモービル(XOM)、フィリップス66(PSX)、コノコフィリップス(COP)、ハリバートン(HAL)、デボン・エナジー(DVN)、ダイアモンドバック・エナジー(FANG)、シュルンベルジェ(SLB)が-1%以上下落して引けた。
ボーイング(BA)は、FAA(連邦航空局)が737 MAX型機のラダーコントロールシステムのボルトが緩んでいる可能性があるため、対象機の検査を監視していると発表したため、-0.67%安。
債券、為替、原油市場
3月限10年物T-Note債券先物は-14ティック下落し、10年物T-Note債利回りは+4.8bp上昇し3.842%となった。 タカ派的なECB発言により10年物ドイツ・バント利回りが上昇した後、欧州国債の下落によるマイナスのキャリーオーバーに圧迫された。 木曜午後、財務省が実施した400億ドルの7年物T-ノートの入札に対する需要が弱く、入札締め切り時点の発行時(WI)利回り3.837%を上回る3.859%で落札されたため、安値まで下落した。
米経済指標は、週間失業保険申請件数が予想以上に増加し、11月の住宅販売保留件数は予想より低調だったため、米国債相場の損失は限定的だった。
債券利回りの上昇でドルが回復
ドルインデックスは+0.24%上昇した。 ドルは5ヶ月ぶりの安値から回復し、緩やかな上昇を記録した。米国債利回りの上昇は、ドルのショートカバーに火をつけた。 ドル円は当初、タカ派的な日銀の発言で5ヶ月ぶりの高値まで上昇した円高を受けて下げた。 また、FRBが2024年に利下げを開始するとの観測もドルの重しとなった。
米経済指標は、FRB政策にハト派的で、ドルには弱気だった。 週間新規失業保険申請件数は1万2,000件増の21万8,000件となり、21万件に増加するとの予想よりも労働市場の悪化を示した。また、11月の住宅販売保留件数は前月比横ばいとなり、前月比0.9%増の予想より弱い結果となった。
ユーロ/米ドルは-0.35%下落した。ユーロは5ヶ月ぶりの高値から反落し、緩やかに下落して終えた。 ドルの反発は、ユーロのロング清算圧力に火をつけた。 ユーロ/米ドルは、ホルツマンECB理事が、ECBが今利下げを考えるのは「早すぎる」とタカ派的な発言をしたことで、当初は上昇していた。
ホルツマンECB理事が、ECBが今利下げを考えるのは「時期尚早」であり、「2024年の利下げを保証するものではない」と述べた。
スワップでは、ECBによる-25bpの利下げの可能性を、次回1月25日の会合で6%、次回3月7日の会合で71%としている。
米ドル/円は-0.30%下落。 円は対ドルで5ヶ月ぶりの高値まで上昇した。 木曜日、植田日銀総裁のタカ派的なコメントにより、円はサポートされた。
植田日銀総裁は、3月に予定されている年次雇用統計の結果を見極めた後、4月の政策決定会合でマイナス金利政策からの脱却に動く可能性があると述べた。 また、鉱工業生産と小売売上高に関する日本の経済指標は、円にとって強気材料だ。 米国債の利回りが上昇したため、円は最高水準から反落した。
日本の11月の鉱工業生産は前月比-0.9%減と、予想の前月比-1.6%減より減少幅が縮小した。
日本の11月小売売上高は前月比+1.0%増と、予想の+0.5%増を上回った。
金は-9.60(-0.46%)、銀は-0.269(-1.09%)
金と銀は小幅安で引けた。 ドルインデックスが5ヶ月ぶりの安値から反発し、上昇に転じたため、ドルの回復が金属価格の重荷となった。 また、世界的な債券利回りの上昇は、これまでの金属に下落圧力となった。また、ECB理事会のホルツマン委員が、ECBが今利下げを考えるのは「早すぎる」とタカ派的な発言をしたことも、金価格を圧迫した。
ドル高と世界のエネルギー需要懸念で原油価格が急落
WTI原油は-2.34 (-3.16%)、RBOBガソリンは-6.22 (-2.88%)
原油とガソリン相場は大幅安で寄り付き、原油は1週間半ぶりの安値、ガソリンは2週間ぶりの安値となった。 ドルインデックスが5カ月ぶりの安値から当日高値に回復したことが、エネルギー相場を下押しした。 また、中国のエネルギー需要の減速懸念も原油価格の重荷となった。 EIAの在庫統計は、原油価格にとって微妙な結果となった。
中国のエネルギー需要の鈍化は、原油価格にとって弱材料だ。 中国石油化工集団公司(シノペック)によると、中国の石油製品需要の伸びは、2023年の+16.1%から2024年には+1.7%に鈍化すると予測されている。
米経済指標は予想より弱く、エネルギー需要と原油価格にとって弱気材料となった。 週間新規失業保険申請件数は、1万2,000件増の21万8,000件と、予想の21万件増を下回り、労働市場の低迷を示した。 また、11月の住宅販売保留件数は前月比横ばいとなり、前月比0.9%増の予想より弱い結果となった。
木曜日のEIA原油週報は、原油とその製品についてまちまちの結果となった。 弱気な面では、EIAの留出油供給量は+741,000バレルと、予想の+20,000バレルを上回った。 また、WTI先物の受け渡し地点であるクッシングの原油供給量は+151万バレル増加した。 強気材料としては、週間EIA原油在庫が-711万バレルの減少となり、予想の-285万バレルを上回った。 また、EIAのガソリン在庫は66.9万バレルの減少となり、予想の25万バレルの減少を上回った。
EIA報告によると、(1)12月22日時点の米国原油在庫は季節的な5年平均を-1.9%、(2)ガソリン在庫は季節的な5年平均を-2.3%、(3)留出油在庫は季節的な5年平均を-9.3%下回った。 12月22日に終わる週の米原油生産量は、前週比横ばいの1,330万B/Dとなり、過去最高を記録した。
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ブリッジウォーターの大胆な飛躍:AIを取り入れ、ダリオ後の戦略を見直す世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツは、億万長者である創業者レイ・ダリオの退任後、過去40年間で最も大きな変革を遂げようとしている。CEOのニール・バー・ディアに率いられ、ブリッジウォータ ーはリターンを高め、収益性を向上させ、新たな収益源を開拓するために新たな戦略的方向性を採用している。この転換には、旗艦ファンドの規模に上限を設けたり、人工知能や機械学習への注力を強めたり、従業員を約100人削減したりすることが含まれる。この大改革は、会社の運営と文化を進化させることを目的としており、急進的な透明性とシステマティックな投資アプローチというダリオの時代からの脱却を意味する。ブリッジウォーターの変化はまた、マルチ・ストラテジーの巨人、サステナブル・ファイナンス、ジェネレーティブAIや量子コンピューティングのような先端技術の重要性の高まりなど、ヘッジファンド業界のより広範なトレンドを反映している。ブリッジウォーターのフラッグシップであるピュア・アルファ 戦略は、かつては規模の制約を無視していたが、現在ではリタ ーンを最適化するために上限が設定されている。この動きは、同社の従来のアプローチからの戦略的なピボットであり、金融情勢が変化する中で大規模なファンドを運用することの課題を認識している。
ブリッジウォーターの変革
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