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米国株 まとめ 11月1日:FRBの利上げ打ち止め期待で株価上昇 *備忘録*

S&P500指数(SPY)は+1.05%上昇、ダウ工業株指数(DIA)は+0.67%上昇、ナスダック100指数(QQQ)は+1.77%上昇

株価は上昇し、S&P500種株価指数とナスダック100種株価指数は1週間ぶりの高値、ダウ工業株30種株価指数は1週間半ぶりの高値となった。米国のADP雇用統計とISM製造業景況指数が予想を下回ったため、債券利回りが低下し、株価が上昇した。
午後、パウエルFRB議長が「我々が直面している不確実性やリスクとともに、我々がこれまで歩んできた道のりを考えると、FOMCは慎重に進めている」と発言し、FRBが利上げキャンペーンを無期限に一時停止する可能性を示唆したため、株価は上昇幅を拡大した。
マイナス面では、ペイコム・ソフトウェアが通期の売上高見通しを下方修正し、-38%以上下落して引けた。 また、エスティ ローダーは、第1四半期の調整後売上高がコンセンサスを下回り、第2四半期のEPSがコンセンサスを下回ると予想したため、-18%以上下落した。 さらに、マッチ・グループとトリンブルは、第4四半期の売上高がコンセンサスを下回ると予想したため、-12%以上下落した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は12対0で、連邦資金の目標レンジを5.25%~5.50%に据え置くことを決定した。 FOMCは、「家計と企業の金融・信用状況の引き締めが、経済活動、雇用、インフレを圧迫する可能性が高い」と述べた。 委員会は、「インフレ率を長期的に2%に戻すために適切と思われる追加的な政策引き締めの程度」を決定する際に、経済とインフレ率へのラグ効果だけでなく、金融政策の累積引き締めも考慮に入れると付け加えた。
米10月ADP雇用者数は11.3万人増
と、予想の15万人増を下回った。
米10月ISM製造業景況指数は予想に反して-2.3低下の46.7となり、予想の49.0から変化なしを下回った。
米9月JOLTS求人件数は予想に反して5.3万件増の955.3万件と4ヵ月ぶりの高水準となり、減少予想の940.0万件を上回った。
市場は、12月12~13日に開催される次回FOMCで+25bpの利上げが実施される可能性を19%、2024年1月30~31日に開催される次回FOMCで+25bpの利上げが実施される可能性を27%と割り引いている。 そして市場は、FOMCが2024年後半に米国経済の減速に対応して利下げを開始すると予想している。

欧米債券利回りは低下した。 10年物T-Note債利回りは2週間ぶりの低水準となる4.751%まで低下し、-16.1bp低下の4.770%。 ドイツ10年債利回りは2週間ぶりの低水準となる2.749%まで低下し、-4.2bp低下の2.764%。 英10年ギルト債利回りは2週間ぶりの低水準となる4.450%まで低下し、-1.3bp低下の4.499%。
中国10月財新製造業PMIは予想に反して-1.1低下の49.5となり、予想の50.8上昇を下回った。
海外株式市場は上昇した。 ユーロ・ストックス50種指数は+0.75%上昇。 中国の上海総合指数は+0.14%上昇。 日本の日経平均株価は+2.41%上昇。

おもな株価の動き
ジェネラック・ホールディングス(GNRC)は、第3四半期の調整後EPSが1.64ドルとコンセンサス(1.51ドル)を上回り、14%以上上昇し。S&P500の上昇率トップとなった。
トラン・テクノロジーズ(TT)は、コンセンサスの2.66ドルを上回る2.79ドルの第3四半期調整後EPS(継続事業)を発表し、+12%以上の上昇。
アシュラント(AIZ)は、第3四半期の正味収入保険料が23.6億ドルとコンセンサスの22.8億ドルを上回ったと発表し、+11%超の上昇。
ガーミン・リミテッド(GRMN)は、第3四半期の売上高が12.8億ドルとコンセンサスの12.0億ドルを上回り、通期の売上高見通しを事前予想の50.5億ドルから51.5億ドルに引き上げ、10%以上の上昇。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、新型AIチップ「MI300」の来年の売上高が20億ドルになると発表した後、第4四半期の予想が期待外れだったにもかかわらず、+9%以上の上昇でナスダック100の上昇率トップとなった。
マーティン・マリエッタ・マテリアルズ(MLM)は、第3四半期の継続事業の調整後EBITDAがコンセンサスの6億4,870万ドルを大幅に上回る7億520万ドルとなり、通期の調整後EBITDA予想を従来の20億~21億ドルから20億5,000万~21億5,000万ドルに引き上げ、7%以上の上昇。
10年物米国債利回りが2週間ぶりの低水準まで低下したことを受け、住宅メーカーは上昇した。トール・ブラザーズ(TOLL)、プルテ・グループ(PHM)、DRホートン(DHI)、レナー(LEN)は+4%以上の上昇で引けた。
TEコネクティビティ・リミテッド(TEL)は、第4四半期の純売上高がコンセンサス(40.1億ドル)を上回る40.4億ドルと発表し、+4%以上の上昇。
ペイコム・ソフトウェア(PAYC)は、第3四半期の売上高が4億630万ドルとコンセンサス(4億1110万ドル)を下回り、通期の売上高見通しを従来の17億2000万ドルから16億8000万ドルに下方修正し、コンセンサス(17億2000万ドル)を下回り、38%下落。
エスティ ローダー(EL)は、第1四半期の調整後売上高が35.2億ドルとコンセンサスの35.4億ドルを下回り、第2四半期の調整後EPSは48セント〜58セントとコンセンサスの1.25ドルを大幅に下回ると予想し、-18%以上下落。
マッチ・グループ(MTCH)は、第4四半期の売上高をコンセンサスの8億9360万ドルを大きく下回る8億5500万~8億6500万ドルと予想し、-15%以上下落。
トリンブル・インク(TRMB)は、第4四半期の売上高を8億9,000万~9億3,000万ドルと予想、コンセンサスの9億9,260万ドルを大幅に下回り、-13%以上下落。
デュポン・ドゥ・ヌムール(DD)は、第3四半期の売上高が31.0億ドルとコンセンサス(31.5億ドル)を下回り、通期の売上高見通しを従来の124.5億~125.5億ドルから121.7億ドルに下方修正し、8%以上下落。
ヤムチャイナ・ホールディングス(YUMC)は、第3四半期の既存店売上高がコンセンサスの+4.92%より低い+4.00%と発表し、-15%以上下落。
ヒューマナ(HUM)は、通期の調整後EPSを28.25ドルと予想、コンセンサスの28.30ドルを下回り、-6%以上下落。
ベリスク・アナリティクス(VRSK)は、通期の連結売上高を26.3億~26.6億ドルと予想、コンセンサスの26.7億ドルを下回り、-2%以上下落。

債券、為替、原油市場
12月限10年物T-Note債券先物は+22ティック上昇して引け、10年物T-Note債券利回りは-16.1bpの4.770%に低下した。T-Note債券先物は2週間ぶりの高値まで上昇し、10年物T債券利回りは2週間ぶりの低水準となる4.751%まで低下した。財務省が来週の四半期償還でT-NoteとT-Bondを1,120億ドル売却すると発表したため、これは予想の1,140億ドルを下回った。 水曜日のADP雇用統計とISM製造業景況指数が予想を下回ったことから、米国債は上げ幅を拡大した。
FOMCが2会合連続で利上げを一時停止し、パウエルFRB議長が今後の政策について「慎重に進める」と発言したことで、FRBはこのサイクルで引き締めを終了するのではないかという見方が強まり、米国債は午後に高値を更新した。 最後に、10年物のブレーク・イーブン・インフレ率が水曜日に1週間ぶりの低水準となる2.383%まで低下したことから、インフレ期待の緩和が米国債を支えた。




ドルはFRBのタカ派的ポーズに支えられている
ドルインデックスは+0.14%上昇し、4週間ぶりの高値を記録した。ドルは緩やかな上昇を記録し、FOMCが利上げサイクルをタカ派的に休止したことが支援材料となった。 ドルの上昇は、米国債利回りの低下と、FRBの政策にハト派的な要因である米国のADPとISMの報告が予想を下回ったことで限定的だった。
米国経済指標は、ドルにとってまちまちだった。 支援材料としては、9月JOLTS求人数が予想に反して5万3,000人増の955万3,000人となり、4ヵ月ぶりの高水準となった。逆に、10月ADP雇用者数は+11.3万人と予想の+15万人を下回った。 また、10月ISM製造業景況指数は予想に反してマイナス2.3の46.7となり、予想の49.0から変化なしを下回った。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は12対0で、フェデラルファンドの目標レンジを5.25%~5.50%に据え置くことを決定した。 FOMCは、「家計と企業の金融・信用状況の引き締めが、経済活動、雇用、インフレを圧迫する可能性が高い」と述べた。 同委員会は、「インフレ率を長期的に2%に戻すために適切と思われる追加的な金融引き締めの程度」を決定する際に、経済とインフレ率へのラグ効果だけでなく、金融引き締めの累積も考慮に入れると付け加えた。パウエルFRB議長の発言は、「FOMCは、我々が直面している不確実性とリスクとともに、我々がどれだけ遠くに来たかを考えると、慎重に進めている 」と、ややハト派的だった。
ユーロ/米ドルは-0.17%下落し、2週間ぶりの安値を記録した。ドル高がユーロの重荷となった。 EUR/USDは、FOMCが利上げサイクルをタカ派的に休止したことで、引き続き圧力を受けた。
米ドル/円は、-0.61%下落した。 円は対ドルで火曜日の1年ぶりの安値からわずかに回復した。 日本の通貨当局トップの神田正人氏が「我々は待機している」と発言し、必要であれば外為市場で必要な行動を取る用意があると述べたことで、円は上昇した。また、米国債利回りが急低下したことも円を押し上げた。 加えて、10年物日本国債利回りが0.974%と10年ぶりの高水準に上昇したことも、円を下支えした。
日本の経済指標は、10月じぶん銀行製造業PMIが前回発表の48.5から+0.2上方修正され48.7となったため、円にとって強気材料となった。円にとって弱気材料となったのは、日銀が予定外の国債買い入れオペを発表し、5年から10年の国債を3,000億円、3年から5年の国債を1,000億円買い入れると発表したことだった。

金は-6.80 (-0.34%)、銀は-0.162 (-0.71%)
貴金属相場は序盤の上昇を戻し、小幅安で引けた。ドル指数が4週間ぶりの高値まで上昇したことが、貴金属価格を下押しした。銀相場は、中国10月財新製造業PMIと米国10月ISM製造業景況指数が予想外に低下した後、中国と米国の製造業景況指数が予想を下回り、工業用金属の需要減少を示唆したことから、相場を圧迫された。

原油価格、ドル高とエネルギー需要懸念で序盤の上げ幅を縮小
WTI原油は-0.58 (-0.72%)、RBOBガソリンは-3.18 (-1.43%)
原油とガソリン相場は、序盤の上昇を諦め、小幅安で引け、原油は2ヶ月ぶりの安値、ガソリンは3週間ぶりの安値となった。ドル指数が4週間ぶりの高値まで上昇し、米国と中国の製造業活動に弱さが見られたことも、エネルギー価格の重荷となった。 原油相場は、イスラエルとハマスの対立が激化すれば中東からの原油供給が脅かされるとの懸念から、地政学的リスクにより当初は上昇して始まった。 EIA週報は、原油価格にとってまちまちの内容だった。
中国と米国の製造業活動の低迷は、エネルギー需要と原油価格にとって弱材料だ。 中国の10月Caixin製造業PMIは、予想に反して-1.1低下の49.5となり、予想の50.8への上昇を下回った。 また、米10月ISM製造業景況指数も予想に反して-2.3低下の46.7となり、予想の49.0から変化なしを下回った。
原油相場は、イスラエルとハマスの戦争が激化すれば中東の原油供給が途絶えるとの懸念が支えとなった。 イラン外相は火曜日、イスラエルとハマスの戦争を止めるために「最後の政治的機会」を利用するよう呼びかけた。 国連は、イスラエルと国境を接し、多くのイラン支援民兵が活動するシリア情勢は、イスラエルが空爆を強化する中、「長い間、最も危険な状態にある」と警告した。
水曜日のEIA週報は、原油価格にとってまちまちの結果となった。 強気側では、EIAの原油在庫は+77.3万バレルと、予想の+180万バレルを下回った。 弱気な面では、EIAのガソリン供給量は予想が-13.3万バレルだったのに対し、予想外に+6.5万バレル増加した。 また、WTI先物の受け渡し地点であるクッシングの原油在庫は+27.2万バレル増加した。
水曜日のEIA報告によると、(1)10月27日時点の米国原油在庫は季節的な5年平均を5.2%下回り、(2)ガソリン在庫は季節的な5年平均を2.1%上回り、(3)留出油在庫は季節的な5年平均を12.2%下回った。 10月27日に終了した週の米国の原油生産量は、前週比横ばいの1,320万B/Dとなり、過去最高を記録した。


※当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として翻訳、作成した資料です。投資勧誘を目的としたものではありません。翻訳の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する決定は、ご自身で判断なさるようお願いいたします。

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