「シャロン」コトバがなくても伝わるフシギなお店
武蔵小杉にあるコンセプトバー「シャロン」
前々から気になってたお店。コミケ帰りに近くにいたのでふと行ってみました。
横須賀線の駅を出ると、目に飛び込んでくるのはタワーマンションとオシャレなスーパー。「本当にこんなところにお店があるのかな?」と不安に思いながら進んで行くと、急に広がる小さな飲み屋街。その一角にある古びたドア。
「レトロ喫茶 シャロン」
本当にここかなぁ…とドキドキしながらドアを開けると、カウンターでワイワイ酒を飲むおじ様方とキャスト達。ホッとしながら、お店全体が眺められる奥のボックス席に通してもらう。(コミケ帰りで荷物も多かったので)
1960年代のアメリカを思わせるエメラルドグリーンのオシャレな内装。カラオケモニターで流している映画は「ティファニーで朝食を」。なるほど、このお店を作った人はアメリカのレトロな雰囲気が好きなんだな、と聞いてみると、内装も映画も店長さんの趣味とのこと。
その店長さんがカウンターにいるというので、そちらに目をやると、清楚なロングスカートの制服に、つややかな黒髪ロングというビジュアル。アイドル、特に坂道グループ好きそうですね、ってついてくれたキャストに言ったら、まさにその通りとのこと。
そんな店内でもひと際目立つアコースティックギターの飾ってある小さなステージ。もしや…と思って様子をうかがっていると…先ほどの店長さんがステージにあがり、ギターを抱えたかと思うと、なんと見事な弾き語りを披露。歌も演奏も見事すぎて、感動すら覚えてしまいました。
これだけコンセプトがしっかりしているお店。どこぞの有名な老舗コンカフェ出身かと思いつつ、違和感を覚えたのがお店のシステム。コンカフェっぽくないなー、と思って聞いてみたら、店長さんはどちらかというとガルバ系出身だそうで、あ、なるほど、と。
結局、店長さんとは一言もコトバを交わさずにその店を後にしましたが、店そのものが店長さんを体現していたというか。そのお店にいた時間、ずっと店長さんの趣味や経歴の話を聞いていた、そんな気分にさせられるフシギな体験をした気がします。
一方で、年末ということもあり、店内を埋め尽くしていたのはほとんど常連さんだった様子。地元に愛されてる飲み屋、って感じで、あれだけ趣味に走っているのに、作り手の独りよがりになっていないのはスゴイな、と。
最近、「コンセプトとは?」というお店が増えてるコンカフェ界隈。カワイイ女の子さえいればそれでいいじゃない、って意見もわかるけど、これくらい誰かのこだわりというか、世界観が感じられるお店がもうちょっと増えてほしいな、って思う年末でした。
このnoteに出てきたお店
シャロン
武蔵小杉初のコンセプトバー(らしい)。小さなレトロ喫茶のような内装と、坂道系を思わせる清純系の制服を組み合わせた、落ち着いた雰囲気のお店。システムはコンカフェというよりは飲み屋さん、って感じだけど、弾き語りなどのエンターテイメントメニューもある。