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おきみゅー

沖縄県立博物館・美術館へ行ったのは昨年の12月だった。沖縄は小春日和の暖かさだった。
沖縄のグスク(城)をイメージしてデザインされた、コンクリートの要塞のような外観だ。ここでは美術館と博物館が併設されている。

沖縄県立博物館・美術館 現代のグスクをイメージして設計された

エントランスに入ると、外から見るのとは違い、自然光が入り開放的な空間が広がる。企画展とコレクション展を鑑賞した。特にコレクション展では、沖縄美術を戦前、戦後復興、本土復帰後、沖縄系移民、そして現代美術を章ごとに展示しており、沖縄ゆかりの作家やその作品を鑑賞でき、見ごたえがあった。

中は開放的な空間が広がる

コレクション展の中でも戦後すぐに、できた芸術家の共同体「ニシムイ」の作品に興味を持った。ニシムイの美術家たちと米軍の精神科医が偶然出会い、その交流を描いた小説『太陽の棘』(原田マハ 2014年 文藝春秋)を以前読んでいたからだ。

企画展の中で、小さな肖像画に目が止まった。戦後すぐに描かれたものだと記憶している。おそらくアメリカの軍人男性だろう。キャンパスの中には顔を左に向けてポージングしている。襟元までが描かれていて、その服の色が
カーキ色だった。戦争中は敵同士だったものが、描き、描かれている。

ミュージアムカフェで休憩をし、おきみゅーを出た。時折戦闘機が飛ぶ轟音が響く。ここは今も戦場だった沖縄と繋がっていることを実感させられた。




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