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捨てて後悔しているものはある?
わたしは断捨離がけっこう好きなほうだ。模様替えをするのも好き。
特に暇なとき、長い休みなどは模様替えに伴って断捨離がはかどる。やたらと。
暇なときというのは、考えないといけないことがない。
いるか要らないかではなく、好きか、そうでもないのかを雑念なく判断できるので
やたらと暇なときこそゴミ袋は膨らむ。
忙しいときから気になってたごちゃごちゃを潰していくのは楽しい。
自慢じゃないが捨てたものは今までまったく覚えていないので、後からあれどこいったかなという事態にはなったことがない。高かった服も思い出だったはずのピンぼけな写真もなにひとつ。なんであの高い服買ったんだろうという気持ちは残っているけれど。
ただ、ひとつだけ今でも後悔しているものがある。後にも先にもきっとこれだけ。
それは、雑誌。
それもmc SISTER。
形見とかじゃなくてよかったと思われただろうか。
これだけは何度も思い出す。また読みたいと強烈に思う。
他にもたくさん雑誌は読んできたはずなのに、ここまで思い出すのはこの雑誌だけなのだ。mcSISTERは小学校高学年から高校にあたりまで毎月読んでいた。とってあったとしたら相当な量だったろう。
多感な時期におしゃれとはこういうものだとこの雑誌を隅から隅まで眺めて骨の髄にしみこませた。do!family タータンショップヨーク…好きなコーディネートのクレジットから呪文のように脳内で反芻して覚えた。モデルの理恵が神がかってかわいかった。
海辺のブルーと白のワンピースの特集を今も覚えている。打ち模様の犬がでっかかった。
雑貨や外国製の文房具を色別にコーデしているのが抜群に魅力的で、私は
しっかりmcSISTERのようなトラッドでカジュアルを好み、かわいいと思う文房具や雑貨を集めてほくほくする人間に育った。
実家が引っ越しをするときに押し入れに詰めてあったそれをまとめて捨てた。
気に入っているページは切り抜いてノートに貼ってあるから(小山薫堂氏のCMツッコミのコーナーが好きだったあのイラストも)雑誌自体はカッスカスだったはず。仕方なかったし、今目の前にあっても捨てる以外の選択肢はない。
でもまた、雑誌をめくってあの高揚感に触れたいと思う。
あれを読みたいなぁ、と最近特に思う。
大人になるごとに興味の幅を広げてきたけれど、さらに年齢を重ねることによって好きなものが削ぎ落とされてきた今、自分の中の好みの原型になったmcSISTERっぽさをまた求めるようになったのか。えっ老化…そうか…
思いもよらない切なさがよぎる。
ごく個人的の経験ではあるけれど「成長過程で影響を受けたもの」はのちのち見返したくなるかも。特に出版物。
そのときに手に入れられないものだとちょっとだけ後悔するかもしれない、と私は今更ながら学ぶ。
それ以外のものはまったく後悔していないから、残すか捨てるかと言われたら迷わずに捨てろ、と思うけどね。
それにしてもmcSISTER読みたい…国立国会図書館とか行けばあるのかな。