文字サイズをいじり始めたら、2時間経っていた話
「資料のここ、文字サイズちょっとだけ気になるなー」
そんな軽い気持ちで始めた作業が、まさかの大惨事に発展するとは思いませんでした。
最初は12pt。「これで完璧!」と思ったら、なんだか大きすぎる気がしてきて11ptに変更。
うん、11ptはスッキリして見やすいけど、今度はなんか頼りない。
じゃあ11.5ptで妥協するか…と設定してみるも、微妙にバランスが悪い。
「まぁ、ちょっとくらいなら、こだわらなくてもいいか。」
そう思えたらどれだけ楽だったことか。
気づけば、「このフォント自体、実は間違いじゃない?」という疑念が浮かび上がり、次の迷路へ突入。
Helvetica、Futura、Gill Sans…次々に試しているうちに、資料の文字列がまるでファッションショー状態。
「これは資料作りじゃなくて、フォントの品評会だな…」と、自分で笑う余裕さえなくなります。
で、次に気になるのが文字色。
「黒より濃いグレーが洗練されて見えるかも?」
「いやいや、濃すぎると真面目すぎるし…やっぱり黒かな…?」
と、Ctrl+Zを連打しながら自分に問い続ける作業が加速していきます。
途中、脳内では天使と悪魔が会議を始めました。
天使 「そんな微調整、誰も気づかないよ。早く次の作業に進もう?」
悪魔「でもね、自分だけが知ってるこのズレ、許せるの?プロとして。」
いや、悪魔の一言、妙に説得力があるのが困るんですよね。
「ここだけこだわれば完璧!」と思わせてくる。その結果、またもや新しい問題が発覚しました。
「余白、全然ダメじゃない?」
こうしてフォント・サイズ・色・余白という「無限迷路」に完全ハマり。
私が解放される日は来るのか…?と不安になったところで、ふと時計を見ました。
2時間経過。
「資料進んでる?」と声をかけられ、答えに詰まる私。
いや、「進むどころかデザイン迷宮にハマりました」とでも言うべきだったんでしょうか?
でも、こんなにも細部に魂を削った努力、クライアントや上司には一切バレないのが不思議。
「きれいにまとまってるね!」の一言で終わるあっさりさに、泣いていいのか笑っていいのか。
それでも、自分が納得しないと進めないこの性分。
これってデザイナーの宿命なのか、呪いなのか…。
毎回こうやって、自分に「その労力、もっと別のところに使えないの?」とツッコミを入れつつ、また次回も同じことをやるのが目に見えています。
デザイナーじゃなくても、「細部にこだわりすぎて時間が溶ける事件」、きっと誰にでもありますよね?
もしかして、私だけ…じゃないですよね?