海底模月
あと少しだけ 僕は 眠らずに
部屋を暗い海だとして 泳いだ 泳いだ
あと少しだけ 僕は 眠らずに
滑り込んだ布団の砂でほら 明日を見ないようにしていた
痛いのは まだまだ慣れてないからかな
僕は砂 深く 深く埋もれてしまったんだ
ネプトゥーヌス。海の神。
部屋を海の中としてみるセンスには脱帽する。
海の底にわずかに挿し込む月の光をなんとなく想像する。
一飜役、海底摸月のように。海底が輝いて見える。
しかし、この海にまるで輝きは見えない。
明日を見ないように深く埋もれた砂、布団。
現実から逃げるように潜り込む。
明日を見ないように砂を被っても、現実というものは残酷で、明日は来る。
その現実が痛みとなってくる。
諦めてなれるしか、痛みから逃げる方法はない。
痛みに まだまだ慣れてない僕だから今は
明日の砂 深く埋もれて眠るんだ
僕は砂
僕は砂