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二日の自己紹介のはなし(その3)

趣味で写真を撮っている二日です。

前回から「写真に対する考え方が変わったきっかけ」のはなし(という名の自分語り)をしています。

前回と同様にちょっと長い上に、めちゃくちゃな文章なんですがご容赦ください。

大学2回生のとき(後編)

前回「前編」で終わった2回生のときの話ですが、あれがだいたい春〜夏頃の話。その後秋になり人生で2回目の写真展(これもサークルのやつ。というかこれから話に出てくる私が出展した展示会は全てサークルのやつ)にまた「写真」を出しました。いくら「作品」を作ってみたいと思っても、そもそも知識がないし、なんなら写真展にそういうわかりにくい物を出すことことが許されるのかと思っていたし、自分はそんなに口数も多い方ではなく、普段からそこそこ静かに過ごしているような人間で、いきなり周りの写真と雰囲気が違う写真を出せるような勇気というか度胸を持ち合わせていなかったので、私に出来るのは、精々タイトルをちょっと捻ってみることぐらい。でも写真自体は平凡なので、捻りすぎたタイトルを付けたらそれこそ「意味不明」なだけなので、結果的にただの「写真」に当たり障りのない、タイトルとも言い難い言葉を添えただけのものを出展するしかないのです。

そんなこんなで冬が来て、寒さの中にも春の欠片が散見される季節になり、人生3回目の展示、私の1つ先輩方の卒業展示の時期になりました。ここで1つ自分に変化を感じたこととしては、「自分の写真を見て欲しい」という気持ちが少し芽生えていたことです。じゃあ今までなんで出展してたんだよって思いますが、それは「なんとなく」でした。

さて、そんな自分がしたことは、結局「写真」を出したことだったのですが、個人的には、今までの自分の写真とは少しだけ変わったものを出したつもりでした。例えば、初めて組写真(ざっくり言うと写真作品には、1枚で1つの作品とする「単写真」と複数枚で1つの作品とする「組写真」があります)で出してみたり、メインのモチーフをあえてぼかしている写真を出してみたり、実際の写真の上下を反転させて展示してみたり。要は、写真はただ見たままじゃなくても良いんだなと自覚したって感じです。

まぁ展示期間中、特にイベントが発生したということは無かったのですが、展示が終わり、いよいよ先輩方が去り、次の展示からは自分の代が最上回生になるんだと思った時に、今まで先輩方の写真を目当てに来てた人たち、展示を見に来て先輩のは良いけど後輩のはダメだなと思った人たちに、何かしらの衝撃を与えられる物を見せたいという考えに至りました。それは別に肯定的な意見でなくてもよくて、今までにこのサークルの展示で見たことないような物を見せれたら良いなと思いました。

そんな願望を抱いたころ、山口つばささん原作の漫画「ブルーピリオド」に出会いました。これが残りの7割の「きっかけ」。

「ブルーピリオド」は、ちょっと不良で、でも成績優秀、コミュ力高め、現実主義で世渡り上手な高2の主人公が、「美術」に目覚めて、そこから日本唯一の国立総合芸術大学にして、国内の全大学で最高難易度とも言える東京藝術大学の油画専攻の合格を目指すという話。

作中において美術に関して無知なところから始まる主人公と同じように、読者である私も美術に関する知識がほとんど無いという点は同じです。「ブルーピリオド」では、主人公が美術の知識を得ていく過程を描いているので、(あくまでも漫画なので限定的ではありますが)読者も様々知識を得られます。

作中にあるセリフで、「美術は、食べられない食べ物のようなもの。好き嫌いがあるのは当たり前で、高級食材を使った料理が必ずしも口に合うわけではないように、評判の良い作品が必ずしも自分にとって良いものとは限らない」というような事(間違ってたらすみません)が述べられます。これはそのままの意味で受け取ることもできますし、作品を作る側に視点を持ってくると、どんな素人が作った作品でも、誰かにとっては良い作品になり得るのだということ思います。このセリフを読んでから、まず作品を見るときの心構えが変わりました。他人の評価に自分から近づく必要はなく、より気楽に、自分の感性を大事にして、写真や、それこそ美術館で展示されている絵画や、その他の創作物を鑑賞できるようになったと思います。それから、どんな作品を作ろうと、どこかに共感してくれたり、その作品を良いと言ってくれる人はいるのだろう思えるようになりました。流石に写真展で絵画を展示しようとかいう発想には至りませんが、こう思えるようになると、「カメラで撮って印刷する」という写真の最低限のルールさえ守れば、自分がいかに周りとは異なる毛色の「作品」を出そうと、誰かが受け入れてくれるのだから、思い切ったことをしてみようという気になれました。

また、何人かの登場人物が、度々主人公にこのようなセリフを投げかけます。「あなたがそう見えるのなら、りんごもウサギも青色でいい」「(主人公が『縁』というテーマで絵を描いているとき)(主人公)にとって、『縁』は本当に『糸』の形をしていたか」。これはある意味絵画を扱う漫画だからこそ出てくるセリフなのだと思いますが、私には、それは十分写真にも通用する話だと感じました。写真で「作品」を作る時、必ずしも現実と整合性の取れたものしか写してはいけないなんてことはなく、自分の意図を伝えるためには、敢えて「変な」写真にしても良いのだと思いました。そのテーマに対して、自分の中から選び取ったものなら、それが自分を映しているといるのだろう思います。

ここで、大学1回生でカメラを始めた時から、完全に考え方が変わります。「写真」は「真実」を「写す」と書きますが、その「真実」は、人間が肉眼で観測できる「事実」ではなく、人間の解釈が混ざった「私にはそう見えたもの」であり、私にとって「作品」たり得る写真というのは、自分が感じていることを「フィクション」を写すということでできる上がる写真なのだと考えるようになりました。

なんかよくわからないこと言ってる気がしてきたのでこの話は一旦おしまいにします。この辺りの考え方の話はまた詳しくしたいなぁと思っているのでその時にお願いします。

大学3回生から

まぁなんかよくわからないことウダウダ書いちゃいましたが、要するに、自分はコンセプトを持たせた「作品」を作りたいし、それを見てもらいたいと思うようになったということです。

そこからは楽しかったです。3回生になって最初の展示の時に、テーマ展をやろうということになり、その時のテーマについて自分なりに解釈して、作品にしたい状況をセッティングして、それを写真に収めて、出展しました。それまで自分が出展していた写真と明らかに毛色が違っていたし、初めて自分で作った「作品」だったということもあり、正直周りの反応がどうなるか少し不安でした。ですが、良くも悪くも印象に残っているようだと分かって、ある意味自分の狙い通りになって良かったですし、何より、その作品を通じて、自分が本心でコミュニケーションをとれているような実感が湧きました。鑑賞者が自分に声をかけてこない限り、「作品」を見てもらうというのは一方的な行為ですし、感想をアンケートなどに書いてもらって相手の意見知る事ができたとしても、結局はそこでお終いの意思疎通をコミュニケーションと言えるのかはわかりませんが。でもその感覚が、今でも良い記憶、小さな成功体験として、頭の中に残っています。

なので、今自分が写真で「作品」を作るモチベーションになっていることは、作者である自分と、不特定多数の鑑賞者とで、「作品」を通じてコミュニケーションをとることです。それはおそらく難しいことではなく、自分の作品に「嘘」をつかなければよく、まさに自分なりの「真実」ってやつを表現すれば、誰かが反応してくれるのだと思います。

そんな気持ちで、3回生の最初の展示会以降、私はふとした時に感じたことをメモしたり、そこから作品案を考えたりする事が多くなりました。とにかく色んなことに対して、自分であれこれ考えることが増えたと思います。ある意味このnoteを書くことも、その「考える」ことの延長だと思っています。

3回生の時は、卒展を含め残り2回展示があったのですが、2回の展示とも、自分に正直な気持ちで作った「作品」を出展できましたし、自分の考えを形にしていく過程がとても、楽しいというか、普段口数の少ない自分からすると、「話せている」実感がとても嬉しかったのです。特に卒展のときなんかは、かなり楽しかったです。作品数も多めに出させてもらったこともあるのですが、自分の考えを形にして、色んな人コミュニケーションをとれた気がしました。

その卒展で引退した現在も、展示の機会はもうほとんどなくなりましたが、変わらず作品の構想を練っています。というかそういうのを考えるのが自分は好きみたいです。来年の3月に一応そのサークルのOB展というものがあって、そこでの展示が楽しみです。

まとめ

流石に長くなりすぎたし、論点ズレまくってる気しかしないので、ここで書きたかったことをまとめておきます。

  • 写真に対する考え方が変わったきっかけは「ヨルシカ」と「ブルーピリオド」との出会い。

  • 写真にするのは自分の見たままでなくても良く、自分なりの「真実」を写せればそれで良い。

  • 私にとって、「作品」はコミュニケーションツール。

ここまで読んでくださった方がいるのかはわかりませんが、お付き合いありがとうございます。

っていうか「自己紹介」じゃなくなってるし(すみません)。

あー、まぁ、こんな事があってこんな考えを持っている人間なんだよっていう紹介ですね。そういことにさせてください笑。

これからもよろしくお願いします。

次は「好きなもの」に対して最近自分が考えていることでも書こうかと考えています。

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