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【日本代表】いよいよ2021年の始動を迎えるフットサル日本代表ブルーノ・ガルシア監督、初招集3人を語る

 フットサル日本代表は25日よりトレーニングキャンプをスタートさせる。今回もゴレイロ(GK)3名、フィールドプレーヤー(FP)16名の合計19選手が招集された。合宿は、高円宮記念JFA夢フィールドのフットサルアリーナで行われるが、今回も代表合宿は完全非公開となっている。

 この合宿の注目点は、何と言っても新たに招集された3選手だ。シュライカー大阪と名古屋オーシャンズでFリーグ優勝を経験している父が元ブラジル代表監督のペセ氏というFPアルトゥール・オリヴェイラ。クラブが8位だったにもかかわらず、23得点を積み重ねたFリーグ・ディビジョン1の得点王となったFP長坂拓海、そして、Fリーグ・ディビジョン1の新人王を受賞した元U-20日本代表FP毛利元亮の3選手だ。

 特にアルトゥールは、今後、チームの主軸になっていく可能性も高いタレント。フットサルW杯まで、あと半年という時期ではあるが、彼個人について、そして、前回のW杯予選時には一時的に問題となった帰化選手の複数招集について、どのように考えているかを、ブルーノ・ガルシア監督に聞いた。

 以下、ブルーノ・ガルシア監督のオンライン会見

――今回のキャンプの目的、意気込みを聞かせてください。
ブルーノ このタイミングでキャンプをするのは4カ月ぶりになります。いろいろな状況に適応して、スケジュールを再調整して、さまざまな状況に組していくことは、今回始まったことではないと認識しています。今回は、オフシーズンのなかで行う特別な位置づけの合宿ということで、長期でやらせてもらうことになりました。実施できる価値は非常に高いと思っています。そこについては、いつものように最善の時間を過ごし、ここまでできなかったトレーニングの期間、テーマとしては4か月前の状態になるべく早く戻し、最終目標になるゴールになる本大会に向かっての準備の軌道に戻すと位置付けて考えています。

――初選出の3選手について、特徴や期待することを教えてください。
ブルーノ 3人には共通することと、それぞれ個別に異なる背景があり、今回、初招集になっています。共通している部分としては、昨シーズン、非常に高いパフォーマンスを見せて、所属クラブで際立った活躍をしていたこと、力になって、実績を残したことがあります。

 それぞれに違う点で一人ずつ話をすると、アルトゥールは、これまでも私たちのチームでポイントになってきた重要な固有性の高いポジションであるフィクソとして、昨シーズンだけではなく、ここ数シーズンに渡って非常に高いパフォーマンスを見せていて追っかけてきました。日本国籍取得に向けて、非常に大きな努力をして、ついにそれが叶い、招集することができました。戦術的にも非常に感覚が鋭く、パスもできる、アウトレンジからのシュートもできる。守備だけではなく、攻撃面でも大きな起点となることで評価をして招集しています。

 長坂拓海選手は、右利きのアラの選手というところで、このプロファイルの選手は日本に多くの競争環境があります。多くの選手がひしめいていて、競争環境が激しいところです。そのなかでも彼のプレースタイルは、代表チームで取り組んでいるゲームモデル、攻撃でも、守備でも、トランジションの側面でも、非常に貢献心とエネルギーを発揮できます。なおかつ彼の場合は昨季の実績として、得点に多く絡めることを実証しています。多くのタレントがひしめくなかでも、ひとつ頭抜き出た存在として、今回、招集しています。

 毛利元亮は、ピヴォという固有ポジション、注力をしていきたいポジションのなかでも、一つのポイントになる選手です。彼に関しては、年齢、若さがあります。U-20日本代表に選ばれながらも、大会直前の負傷で離脱を余儀なくされ、そのチームが最終的にイランでアジアを制覇して、チャンピオンになりました。そのチームのメンバーの一員として、タイ秋に行くはずのタレントでした。その選手が昨季、チームのなかでも存在感を持って活躍して、アピーリングなシーズンを過ごしました。ここにも競争環境はある認識でいますが、一定のゾーンのなかで競り合っている選手がいるなら、私は以前から、若い選手にその場、経験の余地を与えたいと考えています。これは以前にも話したことがあると思いますが、今回、彼はそれに従って、この場を勝ち取った。そういう位置づけで招集をしています。

――アルトゥール選手についても絡みますが、前回の予選では帰化選手が多すぎるということも一つ問題としてありました。日本は国籍変更が難しい面もあり、帰化した選手は日本に対して愛着を持っていますが、帰化選手が増えることによるリスクなどはあると考えていますか?
ブルーノ 前回の大会、W杯予選の時に私はいないので、そこについてコメントする気もありませんし、できません。ただ、私もほかの国の代表チームで働いた経験がある立場からすると、端的に言うと、何も心配していません。そういう考え方のフィルターは持っていません。招集可能なリストが大きな塊としてあれば、そのなかで優秀な選手をどう組み合わせて最強のチームを作っていくのか。それに対しての慎重なフィルタリングを経て、そのフィルタリングもあらゆる側面でのフィルタリングをかけて、最終リストをつくってきています。そのなかでは、由来が、出自が、ということで特別に通っているわけではありません。今の時点では、そういう考え方はしていないのが現状です。

――今回、1月にAFCフットサル選手権が中止されて、W杯予選が行われない形になりました。現状でブルーノ監督がリトアニアに出場の前提であるのか、その情報は何か入っているのでしょうか。
ブルーノ まずスタートとして、非公式な情報、噂ではコメントをしませんし、考えないスタンスにしています。そこについて、こんな噂があるという話はしたくありませんが、事実ベースで感じている感覚を支える情報として、こちらが大事に握りしめているのは、前回のW杯予選以降のアジアの公式大会で、オルドスでの大会、チャイニーズ・タイペイでのAFCフットサル選手権、バンコクでの予選、AFCの大会は3つあります。もし今回の大会があれば4つになるはずでしたが、日本はAFC絡みの大会を3つ経験しています。そのなかのトータルの成績は11回戦って、チャイニーズ・タイペイでの決勝はイランに負けた1敗のみです。この主観ではなく、客観的なデータを考えれば、私たちがW杯リトアニアに行ける資格があると信じるに値すると思っています。

 また、A代表ではありませんが、日本のフットサルの実績として、U-20日本代表はAFC U-20フットサル選手権の現役チャンピオンでありますし、AFCフットサルクラブ選手権でも名古屋オーシャンズがディフェンディングチャンピオンです。総合的な実績を考えても、その日本のフットサルを代表するフットサル日本代表が、アジアのなかでどういう位置づけにあるか、それもまた客観的な事実を支えるものだと思います。

 オンライン会見はここまで。

 ここからは、この会見に対する感想と、昨日フットサルとは全く別の取材のために、初めて高円宮記念JFA夢フィールドへ行ってきたので、その時の話もしようと思います。

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