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【F1】通算300試合出場の試合でアシストの名古屋GK篠田龍馬「今季一番大事と言って過言ではないゲームだった」

 誰よりもチームのことを考える選手だ。大一番を前に期するものがあっただろう。7月30日のペスカドーラ町田戦、名古屋オーシャンズのフエンテス監督は、ゴールマウスにキャプテンのGK篠田龍馬を送り出した。

 経験が問われるビッグマッチに先発した篠田は、期待通りのパフォーマンスを見せたといっていいだろう。ピンチの場面では好セーブを見せ、後半にはFP甲斐稜人の加入後の初ゴールを正確なノールックスローでアシストをした。

 最後の4秒で勝利の女神がほほ笑んだのは、通算300試合目のFリーグ出場試合となった篠田への贈り物だったのかもしれない。

 15シーズンをかけて大記録を築いた小柄な守護神は、「シーズンで最も重要と言っても過言ではない」ゲームで、「こういう時の名古屋の強さを見せられた」ことを何よりも喜んだ。

キャプテンとして、試合前のコイントスに臨む篠田

――試合を振り返って?

篠田 相手の町田は、すごく良いシーズンを過ごしています。対戦してみて、試合に入るまでのイメージとまったく同じチームでした。全員がハードワークして、最後のところは素晴らしいピヴォが相手にいて、そこで勝ってきているというイメージと、まったく同じ試合展開になったと思います。逆に僕たちは、前半は良かったけれど少ないピンチで失点してしまいました。僕にも責任がありますし、こういう展開になってしまうと名古屋にとっては難しい試合になるのは昔からの流れです。そこで難しい展開にしてしまったというのは反省点ですが、監督がハーフタイムに修正をかけた話をしていましたが、スコアに執着しすぎているというところで、前に急ぎ過ぎずに自分たちのリズムでボールを回してやっていこうと話をされて、後半は良いリズムで焦らずに相手のスキを見極めながら攻撃ができたと思います。相手も少し疲れが見えていたと感じた。そこをしっかり突けてよかったと思います。最後はみんなが信じていた結果、ゴールにつながったと思います。本当に苦しい試合でしたが、勝ててよかったです。

――3位でこの試合を迎えることになったが、どんな思いだった?

篠田 僕たちが3位だから悪いというわけではなく町田、横浜がここまで素晴らしい試合を継続しています。僕たちがどうというよりも、他の2チームが良いからこの順位にいると思っていました。ただ、今日の試合は分岐点になると思っていたので、しっかり結果を出せてよかったです。何も言わなくても、今日の試合は大一番だったと思います。今シーズンで一番大事と言っても過言ではない試合だということは、全員が理解していましたし、それを体現できたと思います。こういう時の名古屋の強さを見せられたと思います。

――この蒸し暑さに加え、雰囲気も完全にアウェーの状態でしたが、どう対策していましたか?

篠田 この会場が暑いというのは、事前に聞いていたので、練習でもちょっと対策はしました。暑い環境で練習をやったりして、暑さに慣れることを今週はまずしました。ピッチの中は、思ったより暑くなかったのですが、ロッカールームとか、アップのサブアリーナは結構、暑かったですね。試合会場は暑かったですが、34度くらいだと聞いていたので、体感的にはそれよりは良かったので、まだやりやすかったと思います。アウェーの雰囲気については、町田は毎回アウェーで苦しい戦いになりますし、お客さんの力を使ってくる。立川と同じようにホームの圧力がある。アウェーにしろ、ホームにしろ、こういうお客さんがたくさんいるなかで試合ができるのは選手として幸せなこと。それがモチベーションに大きく影響します。そういう意味でも大一番でしたし、その試合を勝ち切れたのは良かったです。

――2点目のアシストについては?

篠田 町田は前からプレスに来ることが分かっていました。うちには良いピヴォがいますし、プレス回避のところはピヴォに当てられたら全部当てるようにしていました。2点目に関しては(甲斐)稜人は結構、走ってくれるので。若い選手は、結構、走ってくれるんです。稜人だったり、(鬼塚)祥慶だったり、(金澤)空だったり。あそこは結構、練習でも狙っています。彼も考えてプレーするプレーヤーじゃない。感覚でやるタイプの選手だと思うので。だけど、あそこに走るのが好きな選手なので、その特徴をわかっていたので出しましたし、通せるなとは思ったので。あとは決めてくれないと何もないので、本当に決めてくれて嬉しいです。

――この試合で300試合出場を達成しました。2009年からケガもなく高いパフォーマンスができている要因と自分を突き動かす原動力は?

篠田 今日で通算300試合というのは全然、意識していませんでした。先週のホームゲームの時に『グッズを作る』という話が出てきて知ったんです。数字というのは、あまり気にしていませんが、僕のデビューは2009年で、今が2023年なので、300試合に到達するにはだいぶ時間がかかりました。いろんな苦しい経験、苦い経験もしてきましたが、ここにいられるというのは、すごく大きなことですし、自分がというよりは、このチームのために自分に何ができるかを考えて行動しています。それが結局、自分の成長にもつながると思うので。この年齢にもなって、やることも増えて、若い選手も増えて、ベテランの域に入っているなかで、プレーだけじゃなく、姿勢でチームに良い影響を与えられるように意識してやっています。本当に、このチームのために結果を出して、貢献していきたいという思いで毎日やっています。

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