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【日本代表】追加招集となったFP仁部屋和弘とFP安藤良平、話を聞きながら涙が出そうになった2人の思い

 フットサル日本代表が、タイにわたる前、日本で行った最後の練習試合でFPオリベイラ・アルトゥールは圧巻のプレーを見せた。断ることが難しい、圧倒的な高給を提示されたこともあり、Fリーグよりレベルの劣る中国へ渡ったアルトゥールだったが、現地で相当鍛えていたのだろう。体は絞れており、プレーはとにかくキレていた。『今大会はアルトゥールの大会になりそうだ』。そんな思いをもって、国内最後の活動を終えたチームを見送った。

 日本代表がタイに到着してから、アルトゥールが練習中に負傷したというニュースが届いた。そして、非公開となったオーストラリアとの練習試合でもFP清水和也も負傷をした。

 W杯出場権を獲得して、大会連覇を目指す。そのシナリオに大会が始まる前から大きな影が落とされた。FP吉川智貴をしても「マジか……という言葉しかなかった」という大事件だ。チームに動揺がないはずがない。

 そんな状況で追加召集となったのが、FP仁部屋和弘とFP安藤良平の2人だった。

 木暮監督が選手として日本代表から退いてから、10番を長らく付けて2016年にはフットサルW杯予選敗退の屈辱を味わっている仁部屋。

 ブルーノ・ガルシア監督のもと、一時はフィクソとして絶対的な立場にあったが、スペイン遠征でFPソラーノに圧倒されて、フットサルW杯リトアニア2021ではFP星龍太と入れ替わる形となった安藤。

 フットサルW杯の舞台に立っていてもおかしくなかったベテラン2人が、異口同音に語ったことは、彼ら自身がフットサルW杯の舞台に立つことではなかった。仁部屋は「あの時に負けた選手たちの思いも背負って、心を込めて戦いたい」と言い、安藤は「アルトゥールや清水和也をW杯のピッチに立たせるために、自分はここにいる」と、フットサル日本代表がフットサルW杯に行くことの重要性を口にした。

 以下、アジアカップ2024初戦の前日練習後の仁部屋和弘と安藤良平のコメント

FP仁部屋和弘「自分の手、日本代表の手でW杯出場を決めて優勝したい」

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