【大学選手権】一発退場となった多摩大FP南雲颯太「本当に……みんなには感謝しかない」
[6.2 第15回大学選手権 東京都決勝 多摩大 5-4 慶應大 SUBARU総合]
咄嗟の判断の代償は大きかった。
多摩大が1点リードして迎えた後半6分、自陣でボールを奪われた多摩大は速攻を受けそうになる。慶應大FP木村芳之がゴレイロと1対1になりかけた、その時、何者かが抱え込み、引き倒して木村を止めた。多摩大のキャプテンであるFP南雲颯太だった。
南雲は高校3年時に第3回全日本U-18フットサル選手権に出場した。決勝では一時、3-0とリードして全国制覇に迫ったもののFP斎藤日向(現シュライカー大阪)擁する帝京長岡に逆転負けし、日本一になれなかった。
今年、多摩大のキャプテンとなった南雲にとって、全国大会出場、そしてその舞台で優勝することは、絶対に譲れない目標だった。だが類まれな推進力と細い体からは想像のできない強烈なシュートでチームを引っ張ってきた南雲が、先のプレーの直後に示されたのは、赤いカードだった。
南雲が去ったピッチでは、数的不利になった多摩大が慶應大に同点ゴールを許してしまう。ユニフォームを着替え、スタンドから試合を見ることになった南雲は、悔しさと情けなさに包まれたものの、もうできることはなかった。泣きながら懸命に戦うピッチ上のチームメイトたちを鼓舞し続けた。
チームの主軸を欠いた多摩大だったが、見事に延長戦の末に5-4で慶應大を破り、関東大会に駒を進めた。
試合後の表彰式には、顔をクシャクシャにさせた南雲の姿もあった。
以下、慶應大戦後の多摩大FP南雲颯太のコメント
――大号泣ですね。チームメイトたち、やってくれましたね(笑)。今の感想を聞かせてください。
南雲 ……チームに……迷惑をかけちゃいましたが、本当にみんなのことを……信じていました。上から見ていて……本当に……みんなには感謝しかないです。
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