【F1】立川・府中GK西滉太はデビュー戦で痛恨ファンブルも…「ここで折れたら俺はそこまでの人間」
どんなに偉大な選手であっても、デビュー戦は1試合しかない。そのデビュー戦が、唯一の試合出場となる選手もいる。
立川・府中アスレティックFCサテライトに所属し、特別指定選手でトップチーム登録されているGK西滉太は、17日に行われたボルクバレット北九州戦に先発出場し、初めてFリーグのピッチに立った。
GKというミスが失点に直結するポジションの西だが、前半4分に痛恨のプレーが出てしまう。エリア内のルーズボールを拾おうとした時、手を滑らせてしまい、落球してしまう。そのままであれば、大きな問題にならなかったが、そのボールを詰めていたチャオ・クリスチャンにゴールに決められてしまい、先制点を許してしまった。
実は今シーズンのボールは、コーティングがしっかりしており、非常に滑りやすいとGKの間で話題になり、警戒されていた。そんななかで、起きてしまった失点について「試合経験のなさが、本当に出てしまった」と、西は悔しがる。
それでも、西はそのミスを引きずることなくプレーを続けた。皆本晃や酒井遼太郎のかけてくれた声が、彼の支えとなり、「ここで折れたら俺はそこまでの人間だなというのは、ずっと試合中に考えていました」と、痛恨のミスに折れそうになる心を奮い立たせた。
その後の西は、エラーを引きずることなかった。フィクソとゴレイロの間にロングボールを入れてくる北九州の攻撃に対応し、ピンチをしのいだ回数は一度や二度ではない。結局、チームメートの反撃もなく、0-2というスコアで敗れたが、試合後、皆本晃は「挽回できなかった俺たちのほうが責任は重い。西のミスを責めるつもりは1ミリもない」と言い、比嘉リカルド監督も「デビュー戦とは思えない良いプレーを見せてくれた」と、決勝点につながるファンブルをした西を責めることはなかった。
何気ないプレーを、正確にこなすことの重要性。ミスが起きた時にどういう声掛けをすることが必要なのか。初めてFリーグの舞台に立ったことで、若き守護神が得た経験は、非常に大きい。
「Fリーグにデビューすることが目標ではなく、通過点であることはわかっています。一度、デビューしたことは良かったこととして、自分の目標に向かって、もっと頑張らないといけない」
強烈な苦い思いとデビューを果たした充実感を得て、西は大きく成長を続けるはずだ。
以下、試合後のインタビュー
――非常に記憶に残るデビュー戦となりましたね。
西 いや、本当に恥ずかしいです(苦笑)。
――フォローをすると、今シーズンのボールは非常に滑りやすいから、ああいうプレーがいつか起こるぞとゴレイロの間で話題になっていたそうなんですよ。
西 そうなんですか。練習でもあのボールを使ってやっているのですが、ちょっとコーティングがはがれると滑らないんです。
――でも、試合で使うのは新品ですからね。
西 そうなんです。それが試合経験のなさが本当に出た感じですね。
ここから先は
¥ 300
FutsalXでは、引き続き、国内各地での取材や日本代表戦の海外取材なども続けていきたいと思っています。今後、事業を継続、さらに拡大していくうえでは、資金が不可欠です。いただいたサポートは、取材経費や新たなコンテンツ作りなどに使用させていただきます。ぜひ、ご支援ください。