『ピサーダ』『前プレの2列目』『シュートコースの判断材料』『門の間』・・・全日本・トルエーラ柏×名古屋オーシャンズ戦の全ゴールを独自に徹底解説
2021年2月28日(日)、三重県営サンアリーナで行われた、JFA 第26回全日本フットサル選手権大会の準々決勝で、F2クラブのトルエーラ柏がF1絶対王者の名古屋オーシャンズを破る、ジャイアントキリングを起こしました。
この記事では、YouTube、JFA TVのフルマッチ動画を元に、トルエーラ柏と名古屋オーシャンズ戦の両チームの、全3ゴールを、独自解説していきます。
※トルエーラ柏の1点目は『24分11秒』から見ていきます。
※『24分11秒』より前も、自陣『右キックイン』から、名古屋オーシャンズ相手に『ポゼッション』する場面がありますので、興味がある方は是非そちらもチェック・分析してみてください。
最初の『寄せ』も、対する『プレス回避』も、細かくも非常に『高次元のやり取り』が行われていると思います。(^^)
橋本選手が上手く寄せても、『ピサーダ』(ヒールパス)で回避した松原選手
柏⑦松原 友博選手に対し、名古屋⑲橋本 優也選手の『寄せ方』が素晴らしいです。
ドリブルでの『縦突破』で、自身が『裏のスペース』を奪われることを『ポジショニング』で消しつつも、『中』を切りながら距離を詰めることに成功しています。
『縦』か『中』、どちらかは『空いてしまいがち』ですが、橋本選手はうまく、両方を消しながら距離を詰めることに成功しています。
『中』を切ったのは、柏の『3枚目』のサポートの④サカイ・ダニエル・ユウジが『中』にサポートを取ったことを『認知』して。
フットサルに詳しい人なら(この時のサカイ・ダニエル・ユウジ選手の動きは)『ボランチ』の動きといえばわかるでしょうか。
名古屋・橋本選手が上手く『寄せた』のですが、柏・松原選手はそれを上回り、『ピサーダ』とも呼ばれる『ヒールパス』で、橋本選手、名古屋の『プレス』を『回避』します。
橋本選手が寄せてきていたので、『ヒールパス』を『スペース』に落とせば、名古屋の守備網の1列目(2枚)を突破し、サカイ選手にボールがわたる状況はできていました。
前回の記事でも書いた通り、前線からディフェンスに行く場合、1列目に3枚並んでしまうと、自陣ゴール前にスペースを空き、(ボールサイド以外の)カバーリングもできなくなるため、『3枚目』のディフェンスは来れない(ことが多い)からです。
名古屋の2列目のカバーリング対応と、柏⑫内野選手の足裏2タッチ
松原選手からのボールを受け取ったサカイ選手は『逆サイド』を見て、展開を試みますが、カバーリングが『逆サイド』を切っていたため、『縦パス』を選択します。
この場面、名古屋は『逆サイド』(ななめ前)、『縦』、いずれに出されても攻撃の『前進』を許してしまいますが、前プレをかけ、『逆サイド』は『走られていた』(マークを外された)状態だったので、『逆サイド』のコースを切ったのは正解だったと思います。
サカイ選手からの『縦パス』を、右サイドに『流れる』格好で受けた⑫内野 脩麻選手はうまく『マーカー』と『ボール』の間に体を入れつつ、足裏でボールなめて、ディフェンスから『遠いところ』にボールを置きに行きます。
その後、A. ファーストタッチの際にディフェンダーが足を出したから、B. 前のスペースが空いたから、どちらかはわかりませんが、『前が空いた』のを見逃さず、2タッチ目(も足裏!)で『縦突破』に成功し、間髪入れず、ボールをゴール前に折り返しました。
ボールは懸命に戻った名古屋⑤星 龍太選手に当たり、浮いたボールを⑯野村 啓介選手がボレーで押し込み、先制ゴールとなりました。
※トルエーラ柏の2点目は『30分18秒』から。
左サイドで、名古屋オーシャンズの⑮ 吉川 智貴選手が『1対1』を仕掛ける場面から始まります。
吉川選手は『カニドリブル』とも呼ばれる、『横移動』しながら、『縦』にも『中』にも行ける、『いやらしい』(笑)持ち方で、柏陣内に『侵入』していきます。
『ズルズル下がらない』。宗像選手が『ディフェンスアタック』を仕掛けた位置に意味はあるか?
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