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どこよりも速い、フットサルトップリーグ監督インタビュー。Y横浜・前田 佳宏編

5/18(土)、昨季、F2リーグを優勝し、F1リーグ昇格を果たした、Y.S.C.C.横浜の前田 佳宏氏にインタビューを、zoomで行わせていただきました。

Y.S.C.C.横浜からは、渡邉 瞬GMと、メンタルトレーニングコーチの小泉 隆裕氏も同席。

選手たちも『見守る』中で、前田監督の誕生日に行われた、インタビューの内容です。

F2優勝、F1昇格の要因は?

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―Fリーグ ディビジョン2、優勝おめでとうございました。昨シーズンのポイント・・・どんな戦いを目指していたのか、結果を出すための鍵はどこだったかなど、まずは伺いたいと思うんですが・・・。

前田監督「まずはチームスローガンでもある『絶対昇格』というのが僕に課せられた、"最低でもあり最高のミッション"だったので、どうやったら勝ち切れるのか、というのをまずは考えて、そこから逆算をして・・・。

(チームとしてはFリーグは)2年目で、1年目の最終節にデウソンさんに負けて、その時のすごく苦い経験が自分の中にはあって、2年目にそういうことが起きると優勝は厳しいと、自分の中に(危機感は)持っていたので・・・。

優勝っていうのはなんて言うんでしょうね・・・。まぁ選手たちを信じてたと言いますか、自分が考える練習を選手たちが100%でやってくれたら必ず優勝できるなと思っていましたので。

優勝だけではなくて、Y.S.C.C.というのは『こういうフットサルをやるんだよ』というのを、F2だけではなくて、日本のフットサル に残るようなフットサルをしようと思っていました」

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―おそらく今シーズンも引き継がれていくものだと思いますが、具体的に、『Y.S.C.C.のフットサル』とは?

前田監督「まぁ簡単な言葉でいうと、『走行距離とスプリント回数』が日本で一番になりたいなと、まずは思っています。その中で局面的な『デュエル』というか、『戦い』が起きると思いますが、基本的には『1対1を競り勝って』『走り勝って』というのがスタイルになってくると思います」

―では、選手の補強に関しても、『走れる選手』っていうのは一つ、Y.S.C.C.の哲学というか、補強する上でのポイントになっている?

前田監督「そうですね。もちろんスピードだったり、体力だったりという部分はあると思うんですけれども、そこは(渡邊)GMとも強く話しているところです。

ただ、一番は『人間的』というか、『人間性』をすごく大事にしています。

『走れる』というよりも『走ろうとするマインド』だとか、『スプリントするというマインド』だとか、『戦おうとするマインド』を大事しています。

―そこを見極めるのは、どういうところで見ているんですか?

前田監督「ケースバイケースですね。プレーだけではなくて、例えばプレーが切れた時とか、ベンチでも表情とかはすごく見るようにしています。あとはそれこそユニフォームの着方一つにも、そういう部分が出ると思っています。

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―今は日本もパンツをシャツの中に入れなくてもいいルールになりましたが、どのあたりを見ているのでしょうか?

前田監督「まぁそのシャツの問題だけではなくて、自分の体に自信があったらちょっと小さめのユニホームのサイズを着ていたりとか、ソックスの感じとか、やっぱり人間性っていうのはすごくその選手の目を見たり、フォルムを見ると伝わって来る部分があると思います。

僕はちょっと自慢ではないですけど・・・、良いフットサルが伝えれるかどうかはわからないですけど、『人を見る目』っていうのは少なからず、日本の指導者の中で、上位に入る自信は持っています」

シーズンを戦う中で、予想よりうまく行ったこと、行かなかったこと

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―昨シーズンが始まっていく中ではY.S.C.C.はなかなか良いいい結果を出して、7節で北九州に引き分けるまで全勝で進んでいたと思います。昨シーズンに関しては北九州との一騎打ちか、そこに浜松が絡んでくるか?という感じだったかと思いますが、ライバルとの力関係などはどういう風に見ていましたか?

前田監督「それもちょっと1年目の話にどうしてもなってしまうんですけど、1年目の経験があって、2年目は先を見過ぎるとうまくいかないなと自分の中にすごく思っていたので、すべてがライバルだと思って、1戦1戦を『本当に勝負しよう』という形で挑んでいましたし、選手たちにもそういう風に伝えていました。

よく言われるこのトーナメントの決勝戦のような・・・、(毎試合)そういう望み方をしていました」

―開幕戦でデウソン神戸に勝ったら、またすぐ次を見て、先を見ずにやっていた?

前田監督「チームの練習のサイクルもそのような感じにしていました。目の前の、次の相手に向かうような練習をして、映像を見て、相手をスカウティングしてっていうのは本当に『一戦一戦』という感じでした」

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―実際にやっていく中で、何か予想より良かったことだったり、逆に予想よりうまくいかない、修正しないといけないと感じたことはありますか?

前田監督「僕の感じでは上手くいかなかったっていうところはほとんどなかったですね。

嬉しい誤算みたいなのは、やはり選手が自分の期待に、必要以上に応えてくれたというか・・・。

僕は何ていうんですかね・・・、選手として成長するだけではなくて、必ず人間として成長して欲しい部分があったので。

一戦一戦、フットサル選手としてだけでなく、人間的に成長していくというのが、自分の中に『哲学』というとちょっとかっこ良くなっちゃうんですけど・・・。

やっぱり人として成長することによってプレーも成長すると思うので、一戦一戦、本当に選手たちが自分たちで考えて行動してくれるようになっていったので、本当に選手たちが成長してくれたという感じを持っています」

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ベトナムのクラブ『タイ・ソンナム』との提携について

―シーズンを戦っていく中で、一つのクラブとしても興味深かったのが、外国籍選手の補強でした。ベトナム代表をF リーグで初めて呼んできたと思いますが、このあたりの経緯と、彼らがチームもたらしたものを、GMも交え、どういう意図でクラブとして外国籍枠を入れようという様みたいなプランがあったのかを伺えればと思いますが・・・。

前田監督「どこまで喋って良いのかわからないんですけど・・・」

渡邉GM「全部喋って!」

前田監督「今(GMからも)言葉をもらったんで・・・(笑)。まずは昇格しようという大きなミッションがあった上で、GMからは、僕に相当なプレッシャーをかけてきまして・・・。

前半戦の7節、前半戦を見て、実際問題、何敗するかで外国籍選手を取るか取らないかをまず一つ目の指標にしようと。

僕たちが話した中で、優勝のキーワードはもう1敗か2敗というところに置いていたので、基本的にその負けが重なった時点で(外国人選手を)取ろうと・・・。ここは『何が何でも優勝するぞ』というところで、段階的には考えていました。

なぜベトナム代表の選手だったかっていうと、 これは横浜と言う都市自体の話にもなるんですけど、すごく『手を取り合っている』都市としてベトナムというのがまずありまして・・・。

その中から、ウチの"スーパーGM"がベトナムに興味を持って、その前に、AFC(フットサルクラブ選手権)で、ベトナムのチームが名古屋オーシャンズを叩いたチームが『タイ・ソンナム』で、ベトナムのチームだった。

そうして興味を持っていたな中で、ベトナムとつながる機会がどんどん出て来て、GMが『前ちゃん、一回、ベトナム行ってくる』となった。ベトナム側ともうまくコンタクトが取れて・・・。

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彼(渡邉GM)がベトナムのタイ・ソンナムに行ってしばらくすると、連絡が来て、いきなり『提携を結ぶことになった』と・・・。『向こうも乗り気だと』これは『大きな提携になる』いう話で。そこでひとつ、タイ・ソンナムと手を取り合いました。

その中から『獲るんだったら、どういう選手が良いのか?』と(渡邉)GMから聞かれていて、僕の方からは、どういう選手が良いという話をして、GMと向こうのオーナーさんの間で話があって、何人かの選手がピックアップされていった感じです」

渡邉GM「前田がほとんど話した通りなんですけど、ベトナムの選手に関しては、Fリーグに入った2018年に、すぐタイ・ソンナムに行きました。何で行ったかというと、やっぱり競技面と、経済面と、あと宗教のバランスがいいなと思って。

やっぱり(フットサルの)強い国といえば、イランとかアフガニスタンとか、あとタイとかで、あと日本が居て、ベトナムみたいな感じかなと思うんですけど・・・。

ベトナムという国はやっぱり経済発展もしているし、あと今の現状だとウチがフィー払うには結構ローコストで行けるかなと・・・。

かつ競技力も『割と高いな』っていうので興味を持って、タイ・ソンナムに行って、すると行く時に、稲葉 洸太郎くんが『俺、(タイ・ソンナム)行ってたよ』と言ってくれて、さらに、追って(タイ・ソンナムにも)話を通してくれて・・・。

なので、『選手のレンタル移籍が可能なのか』などの話も、いろいろ話をしやすい状況ができていて・・・。

2018年にすぐは難しかった。それはウチのクラブの経済的にも難しかったんですけど、2019年は(経済的にも)行けそうだったので、すぐにまたベトナムに行って、『今年は実現したい』という話をして、向こうも『やりましょう』と快諾してくれて、獲得につながった・・・という経緯です。

その間にはミゲル(前日本代表監督)とも話をしました。

『誰が日本にフィットしそうか』とか、『うちの要望は左利きとピヴォ』いう要望を出して、『それならミン・チーというピヴォと、タイ・フーイという左利きのアラをセットとして呼ぶのが良い』という話などをしていて・・・。

あとはベトナムの選手は結構シャイなので、『一人で呼ぶってのは結構難しいよ』というアドバイスを受けてて、2人セットで呼ぶことになりました」

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―ベトナム代表の2人が入った後も横浜しっかり勝ち点を伸ばし続けて目標のF1昇格を決めました。最終的にシーズンを振り返ると、いかがですか?

前田監督「正直さきほど言ったように、一戦一戦に臨んでいたので、本当にこう・・・昇格が決まるまでは気は許せませんでした。

ただやっぱり、1戦1戦とは言いましたけど、そうは言っても自分の中に目標でもある『名古屋オーシャンズに勝ちたい』というのが常に僕の中にあるので・・・。

F2を戦いながらも、北九州さんとり合いながらも、常に来季F1へに行った時に足りない部分や、少し手をかけていかないところ、来年苦労するなっていう部分は、アップしていくように、選手たちにも伝えていました。

名古屋と戦うには『こうしていかなきゃいけない』というのは、先に進んでいく道としては、他のチームに勝てるようになってくるという話をしていました。

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F1とF2の『差』はどこに感じるか―

―Y.S.C.C.が唯一勝ちきれなかったのが北九州との試合になったと思います。そもそもリーグ戦が始まる時点では(F2からF1に)昇格できるのは1チームだけで、そこから仙台の話もあり、2チームという形になったと思いますが、昇格の枠が変わったことによって自分たちが何か変わることは無かったですか?

前田監督「少なからず僕たちのグループはそういうのが一切なかったと思います。むしろ無かったことが良かったと思っています。

『優勝しないといけない』と僕は思っていたので、もちろん『昇格』というのが大事なキーワードにはなっていたんですけど、一番になれば『昇格』なので、シンプルに物事を考えていました。

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―無事にF1昇格を決められたわけですが、F1参戦に向けてはちょっと選手権で色々試したかった部分はあるんじゃないかと思いますが、いま前田監督が感じているF1とF2の差とは?

前田監督「細かい部分を言い出すと、もちろんこうフットサルのIQだったり、戦術的なところだったり、それこそクラブマネージメントも含め、すべてではあると思うんですけれども・・・。

僕が監督をやらせてもらった当初からずっと言っているのは、『プレーの強度が全く違う』と思っています。

プレー強度は色々あると思っています。『走る』『ぶつかる』『飛ぶ』とか、さらに選手のマインド的にも、それらすべて反映されてプレー強度になってくると思うので・・・。

やはり名古屋オーシャンズが、完全なプロ組織の選手たちだと思うんですけれども、そうなってくるとやっぱりマインドも、プレー強度も高い。

例えばしっかり練習をして、しっかり休めるとか。そういう環境面も整っているので、試合だけではなく、練習を含めて全てのプレー強度が違うと思っています。

そこがやっぱりF2とF1の少なからず差になるというか・・・。

練習の強度が違えば、それが1年かけ、2年かけ、3年かけると、どんどんそれが差になってくると思うんですね。

なので、結局はそこじゃないかなと思います。『プレー強度』だと。

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名古屋に追いつき、追い越すための取り組みはあるか?

―それをどう、名古屋に近づいて越えていく、取り組んでいこうと考えていますか?

前田監督「まず僕らは6時~8時で練習しているんですけども、ここでひとつ、選手たちのマインド的に、プレー強度が高いと思っています。

朝6時から練習するということは、選手たちはたぶん前の晩とか、その前の晩とか、考えながら生活していると思うんです。当日も準備をして練習に来ると思うんです。

そこが例えば9時とか10時から始まるチームよりも、やっぱり6時から始まるという練習に対する想いだとか、これだけ朝早くやってるっていう自分たちもすごく自信がありますし、プライドじゃないですけど、そこもすごく持ってます。

もちろん2部練習だとかいう話は出てきていて、そういう面も少し、今シーズンは考えています。

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―F1に上がるにあたって、練習環境であったり、外国籍選手獲得の話、遠征も増えることでスポンサーも増やさないといけないかと思うんですけど・・・。GMも交えて、このオフの間に何かレベルアップできたという感覚はありますか?

前田監督「日本だけでなく世界がこういう状況なので、『やれない、やれない』と言っていてもしょうがないところだと思います。僕たちクラブとしてもそうですし、一人の人間としてもそうですけど、やはり、自分たちに今、何ができるのかを、クラブ全体もそうでし、選手一人一人が考えてくれていると思います。

少なからず、SNSだとかも使ってアピールしたり、発信したり・・・。

あと、これはまた先ほどの監督をやる、チームを作る上での哲学にもなるんですけど、やっぱり『人間性』というのが、こういう状況だからこそ磨かれる部分もあるのかな、とは思っています。

なので、そういう意味では、キーワードでいつも言うんですけど『選手が自ら考え、行動することがすごく大事』だと思いますので、今みんなが自分たちで考えて行動をしていると思うので、これが最高の上積みじゃないかなとは思います」

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―渡邉GMはいかがでしょうか?すごく動くことがあった時期かなとも思いますが・・・。

渡邉GM「今、このコロナ状況での上積みはどうですかね・・・?そこまで無いですね」

F1に上がったことで、スポンサーメリットは上がったか?

―F1に、トップディビジョンに上がったことは、スポンサー企業にとってはすごくメリットなのかなぁと思うんですけど、そのあたりでの反応はいかがでしたか?

渡邉GM「やっぱりそれはポジティブに働いています。Fリーグ参加初年度より去年のが売上ベース、収益ベースでやっぱり良かったですし、当然今年も去年の1.5倍ぐらいは見込んでいます。そこはポジティブには働いてます。

既存の上積みと、増額という意味で・・・。あとは新規でも数社、増えてきていますので、ポジティブに働いてはいます。

ただ、やっぱりコロナの影響で、ここから更に増やしていくとか、来年に向けてという動きに関しては、めちゃめちゃポジティブに働く状況ではないかなと認識しています。

だから、しっかり『守りをする』ところも見ていかないと、本当にどこかが潰れてもおかしくないと思うので・・・。

後は色々と吉野家さんともやり取りしています。

今は結局、僕らは『フットサル』なので、『リアル』の部分が大きいので、何か一緒に取り組みとかは(今は)しづらいんですけど、少しずつ、今のうちに準備しておくというか・・・。

これからまた出てくるので少し解ってくると思いますが、いま、準備をしておいて、色々とスポンサーメリットと、我々にもメリットがあるような取り組み、当然フットサル界にもメリットがあるような取り組みをしていきます。

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―前田監督がフットサルに出会ったキッカケ、指導者を目指したキッカケ、それぞれ教えてください。

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