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どこよりも速い、フットサルトップリーグ監督インタビュー。湘南・奥村 敬人編<前編>

今季、2020/2021シーズンも湘南ベルマーレフットサルクラブの指揮を執ることが決まった、奥村 敬人監督にインタビューをさせていただきました。

2回に分けて、Futsal Media Note(このnote)で紹介させていただきます。第1回(前編)は「来季に向けての準備」「フットサルを始めたキッカケ」「監督を始めたキッカケ」などについて、です。

アルゼンチン留学で一番学んだことや、最後には、Fリーグを盛り上げるために必要なことについても、お聞きしました。

続投コメントにあった『フットサルに没頭する』の真意とは?

―今季も監督続投、おめでとうございます

奥村監督「ありがとうございます。おかげさまで」

―チームのスタートはいつからですか?

奥村監督「4月の中旬ぐらいからスタートになります」

―湘南の続投のニュースのコメントに『フットサルに没頭する』という言葉がありました。個人的にその言葉にワクワクしたんですけど、『没頭する』の真意とは?

奥村監督「どれだけで追求できるか・・・ですね。フットサルはいくら勉強しても奥が深くて・・・。終わりのない追及だと思います。そこに対してどれだけ没頭できるか。選手たちにも、試合の中で如何に『没頭できるか』という話をしています。そういった意味で、"没頭"という言葉すごく良いなぁと思いまして。その言葉を使いました」

―これまでもフットサルには没頭はされてきたと思うんですけども、これまでとの違いというのは、奥村さんの中にはあるのでしょうか?

奥村監督「うーん、没頭してきても、優勝できてなかったところで、より細かい部分というか・・・。もっとフットサルと言った競技だけじゃなくて、他の部分・・・、食事だっり、私生活だったり、筋トレとかもそうですし・・・そういった部分でも、もっともっと突き詰めていかないとっていうところをすごく感じています」

―優勝するために、タイトルを獲るために、ということですね?

奥村監督「そうですね、はい」

奥村監督05

現在、来季に向けて行っている準備は?来季のチームの修正ポイントは?

―今はまだチームの方は始動されていないということですが、今、奥村監督はどういう日々(準備)を過ごさせれていますか?

奥村監督「今は昨シーズンの試合を観返してますね。どういうところが足りないのかもそうですし、居なくなる選手もいますので、かなり。そういった部分でどういう選手を使っていけばいいのか、というところを考えながら。後は村松(コーチ)と、第2クールからあたりから構築してきたものを、これからどうやって"もっと良くしていくか"という部分を考えながら、観ています」

―今の時点で"ちょっと足りなかった"とか、"ここを修正したい"というポイントはありますか?

奥村監督「そうですね・・・。一つはセットプレーからの得点っていうのがすごく少なかったので・・・。そこの質の部分もそうですし、誰をどこに置くのかという配置もそうですし・・・。

オフェンスも、ディフェンスも、まだまだ全然足りないので・・・。ディフェンスの部分はより早く反応できるというか・・・、相手が整う前に攻め切ってしまうというスタイルをチームとして、より身に付けるのと、ディフェンスに対しても前から激しいプレスに行って、高い位置でボールを奪うというところをもっと追求したいと思っています」

奥村監督08湘南

奥村監督が、監督として大事にしていること

―監督には、モチベーターだったり、理論で引っ張ったり、色んなタイプがあると思いますが、奥村監督はどのタイプでしょうか?

奥村監督「モチベーターですかね。『理論的なところも・・・』という部分はあるんですけど、そこは逆に今は村松に任しています。自分のモットーとしては、コーチやトレーナーも如何に育てて行くか、ということを考えています。仕事も与えて(任せて)います。

後は自分の場合は、"指導者として一番になる"とかは考えてなくて、"自分より優れた指導者を育てたい"と思っています。どちらかと言うとクラブが一番になることを考えていて、その中で、"人材を育てて行く"というところもすごく重要だと思っています。

なので、役割としてはモチベーションの部分というか、選手をしっかり観察して、どういうアプローチをして行くか、というところには、普段からすごく気を使っています。

あとは、村松に練習を任せることによって、自分は落ち着いた状況で練習が見れますので・・・。感情的にならずというか・・・。練習を自分が見てしまうとどうしても熱くなってしまう部分もありますし・・・。そういったメンタルコントロールがすごくできていますので、かなり落ち着いて(練習を)見ることができています。

それにより、試合になった時のメンバー構成だったり、交代のタイミングがすごくイメージしやすくなったというのもあります」

奥村監督03

―現在、奥村監督は普段のトレーニングにどこまで関わられていますか?組み立てや実際のトレーニング中の声掛けなど。そこは今はもう、ほぼ村松コーチに任せている状態なのでしょうか?

奥村監督「そうですね。ただもちろん、しっかりと打合せをした上で、です。自分がちゃんと理解しないとダメなので。チームのコンセプト、やりたいフットサルに対しての練習メニューをしっかり話し合った上で、彼に仕切ってもらっている感じです」

―そのあたりの(任せる)範囲や量については、村松コーチが来る前と後では、変化はありましたか?

奥村監督「まあもともと横澤 直樹もそういうことをしてくれていたので・・・。基本的にはそんな変わりはないかなと思います」

フットサルを始めたキッカケ。サッカーでは経験しなかったボコられた試合とは?

―ガラリと質問が変わってしまいますが・・・、奥村さんがフットサルを始めたキッカケは何だったのでしょう?

奥村監督「キッカケは、関野淳太さん・・・、いまペスカドーラ町田で働かれている方と、二十歳ぐらいのときに一緒にサッカーをやってまして・・・。サッカーは21歳ぐらいの時に辞めてしまったんですけど・・・。

その関野さんからある日『フットサルやらないか』っていう連絡があって。最初は正直、全然、興味がなくて。ずっと断ってたんですよ。どちらかというと『ミニゲームでしょ』みたいな感じだったので。

ただ、23歳くらいのときに僕の母親が亡くなったんですけど・・・。その時にもう2年ぐらい連絡を取っていなかった関野さんがお通夜に来てくれて・・・。

それで『この人いい人だな』と思って・・・。フットサルに誘われていたことを思い出して、『一回練習に行ってみよう』と思い、『ちょっとやってみようかな』という話をしました。

そしたら、一発目の練習が・・・、練習というかワンデーの大会に出ることになって、その時の一発目の試合が、甲斐さんとか市原さんのいるエスポルチ藤沢で・・・、いや、もうエスポルチから離れてカスカヴェウになってたのかな・・・、カスカヴェウの立ち上げぐらいの頃で・・・。

それでもうボコボコにやられて・・・。サッカーでそこまでやられた記憶はなくて。それで、逆に火が付いたというか・・・。このスポーツ、面白いな、と感じて」

全くフットサルできなくて、奥村監督を怒った人物とは?

―本格的にフットサルを始めたチームは?

奥村監督「エスポルチですね。関野さんや廣山さんもエスポルチでやっていて・・・。カスカヴェウをつくるメンバーが辞めて行って、人が居なくなったところで、たぶん、メンバーを探していたのもあったと思うんですね。

それで、一発目でエスポルチに入団させていただいて、廣山さんにこっぴどく怒られたっていう感じですね・・・(笑)。全然できなくて。(笑)」

―怒られたというのは、フットサルの動きとかで、ですか?

奥村監督「そうですね。わかんないじゃないですか?最初は何を言ってるのかすらもわからなかったですね、正直。

『抜けろ』とか、サポートとかもそうですし。サッカーで"抜ける"っていう感覚が無かったので・・・。抜けてスペースを創出するという概念も無かった。

自分はディフェンスだったので、どちらかと言うとサポート、サポートというタイプで、そういった部分ではすごく(フットサルに)戸惑いました」

―サッカーの経歴を教えていただけますか?

奥村監督「小学校では県でも『一番強い』とか言わるほどのチームでやっていて、高校は藤沢西高という高校に行って、インターハイにも出ました。高3の(高校サッカー)選手権は神奈川県の決勝で、桐光学園にPK負けをしたんですけど・・・。そこからアルゼンチンにサッカー留学をしました」

―アルゼンチンへは何歳の時に?

奥村監督「高校卒業して、すぐ。18歳から、1年半ぐらい、ですね」

アルゼンチンのサッカー事情。フットサル事情。壮絶な体験

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