出前でキラキラ金曜日

出前ってなんか素敵な響き。サザエさんを見て育った私にとって、一家のちょっとしたイベントって感じがして密かに憧れていた。でも、実際に頼んだことはなかった。なんか、贅沢すぎるかなって。

そんな思いが180度回転したのが今年のゴールデンウィーク。生まれて初めて頼んだ。正確には頼んでもらったんだけど。

どこにも行けない毎日で、ゴールデンウィークの1日くらいはなんか楽しいことがしたいねと恋人と話していた。その頃ちょうどサイゼリヤでテイクアウトができるようになったとTwitterで知った。それで、大量にテイクアウトしてきてパーティーを開こうと約束していた。

メニューを見ながら、

「ピザとパスタはマストでしょ?」
「チキンも食べたい!」
「シュリンプも捨てがたいね…」
「全部頼んじゃおう!」

ってワイワイ選んで、電話をかけた。


「すみません…予約がいっぱいでテイクアクトは受け付けていません…」


断られた。泣いた。まじで泣いた。ちょびっとだけど。「なんで?だってずっとお家で我慢してたのに!!!やだやだやだやだ」って馬鹿みたいに騒いで拗ねた。パーテーするって決めた日から毎日この日を楽しみにしてたんだもん。

彼は最初こそ仕方ないよって慰めてくれてたけど、それでも拗ね続ける私の大人気なさに呆れて放っとかれた。でもやっぱり優しくて甘いから、「出前を頼もう」って言ってくれた。

「寿司、ピザ、中華、なんでもあるよ?何がいい?」
「…お寿司」

夜、お風呂を入って出たら、お寿司が届いた。丸い桶に入ってるやつ。よくチラシで見るあれ。うわーい、寿司だ寿司だ!

パーティーに出すはずだったワインを開けた。だって、これはもうパーティーだよ。大好きな唐揚げも頼んでくれていたし。

この時、お家に届くって最高!ってやっと気づいた。送料の何千倍もの幸せを得られたから。それからちょくちょく頼むようになった。


この前の金曜日はマックを頼んだ。毎年絶対にグラコロを食べるって決めてるから。

ビールとハイボールで乾杯した。マックとお酒の組み合わせってこの上なくジャンキーでたまらない。お店でできないことが家ならできちゃうのも宅配の魅力。 2人でお腹がはち切れそうって言いながも全部食べた。

きっとお正月あたりにも頼んでしまう予感がする。また幸せを届けてもらおう。

終わり
















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?