モデリングと3Dプリントを体験する farmtory fab Day #10
framtory-labの設備を使った体験会が2019/2/11に行われた。体験会の中でfusion 360を使ってモデリングを行い3Dプリンタを使ってモデリングしたデータを3Dプリントしてみた。3Dプリントを体験し、デザインルールを学ぶ内容である。私にとって未体験のモデリング作業を行うため、ドキドキしながら進めた。
デザインルールを学ぶ
今回の体験会の目的は、3Dプリンターであれば印刷できる形・造形の限界、レーザーカッターであればカットできる精度の限界をモデルを印刷・カットして知ってみようというものである。デザインルールと言う。scrapbox のページに簡単にどのような形のものを印刷するのかというスケッチと実際に印刷が行われているサンプルが提示されているサイトへのリンクがまとまっている。
3Dモデルのデザインルールのテストとして使われるモデルデータは世の中に公開されたものがある。例えば3Dプリンターの限界に挑戦する意欲のあるモデルデータ。
Fab Academy 2018 Test the design rules for your 3D printer(s) (2019.2.13 参照)
こちらのモデルを印刷したとすると、3Dプリンターの限界について以下の点を知ることができる。
・サポートとなる柱を入れずに間隔を広げて資材と資材の間をつないだ形を印刷できるのか。歪みが発生しないか。
・どの程度、角度を付けて曲げて印刷すると、歪んでしまうのか。
・細い板を印刷したとして、どの程度の間隔を開けることができるのか。
・細いスリットを印刷したとして、どの程度の細さのスリットを印刷することができるのか。
私は "サポートとなる柱を入れずに間隔を広げて資材と資材の間をつないだ形を印刷できるのか。歪みが発生しないか。" の課題を自分でモデリングし、3Dプリンターで印刷することで調べてみる作業を進めることに決まる。
モデリングを行い、印刷準備をする
3Dプリンタ印刷用のモデルはfusion360を使う。私はfusion360を使うことが始めてで、教えてもらいながらモデリングをした。異なるオブジェクト同士を押し出しという機能でぶつけてやると、穴をあけることができたり、サイズの変更についてのUI操作方法などを学びながらモデリングを進めた。
柱の間隔をあけ3Dプリンター印刷の限界に迫るデータを作る
モデリングが終わった後、3Dプリンターに対して印刷を行うための調整を行う。最初設計したモデリングデータを3Dプリンター会社が配布している印刷プレビューソフトウェアに放り込む。そして、3Dモデルが印刷できる高さ・幅に収まっているのかを調整する。3Dモデルを読み込むと、3Dプリンターの印刷できるモデルの大きさを示す枠(スクリーンショットで見える細い線)が出てくる。その枠の内側に、読み込んだ3Dモデルが配置できるように調整する。
3Dモデリングデータのプレビュー
3Dプリントができるのか時間を計測してみる。すると、11時間30分以上かかるという予測となる。
印刷時間が11時間30分以上という見積もり結果となる
この印刷時間は現実的ではないので調整することにした。手順として、出力するデータのスケールを50%に小さくした。その上でプリント予測時間を計測し直してみる。スケールダウンの結果、3Dモデルを1時間30分程度で印刷できるようになることがわかった。現実的な印刷時間で収まることが確認できたので、印刷作業を行う作業を開始。
印刷するサイズを50%にスケールダウンし現実的な時間となる
3Dプリンターでモデリングデータを印刷
3Dプリンターを使って印刷作業に進んだ。印刷用部材(PLA)をセットし、3DモデルデータをUSBメモリーに書き込んで3Dプリンターに転送。そして印刷を行う。
3Dプリンターにより印刷が開始された様子
印刷中暇になるので、雑談したり時折3Dプリンターの様子を動画で撮影したりしていた。頑張って印刷をしている3Dプリンターを見るのが楽しい。
間隔が広く空いたものをつないで印刷しているが部材がゆがんでいる
頑張って印刷を続ける3Dプリンター
印刷出来た3Dモデルの出来上がりを確認
3Dプリンターによる印刷が終わった後、実際どのぐらいの精度でモデルデータが印刷ができたか確認を行う。モデリング時にできていたカッチリした形とは違う印刷具合を見て、3Dプリンターで出力できる形状の限界を身をもって体験することができた。
歪む部材。印刷してみてわかる設計のまずさ。
印刷されたデータの実際の寸法を測り、ペンで寸法を記入する
他の参加者も各々、テスターとなる部材印刷・レーザーカッターによるカットを行い、設計時の寸法と出力されるときの寸法の違いを体験していた。
アクリルをレーザーカッターで切ると実際の寸法より緩くなる
細かいスリット(切れ込み)を印字した場合の限界を調査するためのテスター
手前は角度パラメータのデザインルールを印刷したもの
今回の体験会で、モデリングと印刷に対する自信がついた。自分でモデリングを行い、印刷処理・作業発注などできるようになった。自分の作りたいものを作る、生活のために作るというfarmtory-labの理念に近づけたと思う。
farmtory-labについて
framtory-lab についてnoteのマガジンとして活動記録がまとまっているので、何をやっている集まりで、どのような人がいるのか一覧することで理解することができる。
定期的にものづくりや養蜂などのイベントを行っている。facebook 上でイベントをアナウンスをしている。気になる人はチェックしてみると良いだろう。
参考資料
・fusion360
・モデル作成ソフトウェア。3D CADで利用。
・リンク: https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/overview
・SnapMaker
・今回利用した3Dプリンター。ヘッド交換で3役活用が可能。
・リンク: https://snapmaker.com/
・farmtory-lab
・「新しい暮らしを作る」「衣食住で遊ぶ」を元に活動している集まり。
・リンク: https://scrapbox.io/farmtory-lab/
・STLファイル CADのモデルデータで利用されているフォーマット
・リンク: https://ja.wikipedia.org/wiki/Standard_Triangulated_Language
・scrapbox
・情報集約型wiki形式サイト。リンクをページ間に巡らせることで情報の集約・関係性を自動構築していくことが特徴のサービス。
・リンク: http://scrapbox.io/
記事を読んでいただき、ありがとうございます。うれしいです😊