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バッドアート美術館の作品を鑑賞した記録

2018年11月から、2019年1月まで、バッドアート美術館展が開催された。

バッドアート美術館はボストン近郊にある美術館で、価値を持たないと市場から判断されている絵画を収蔵している。美術館創設のきっかけはゴミ箱に捨てられていた絵画にあった額縁が欲しくなったが、よくよく絵画を見てみると絵画もよいのではないかと評価を改めたことがきっかけだそうだ。バッドアート美術館 (日本語版wikipedia, 2019.2参照)にバッドアート美術館の生い立ちが詳しく書かれている。ボストンからコレクションの一部を持ち込んできたので、実物を見ることができる。


名もなき画家が描いた絵の集合


私は、美術品に対し自分の都合の良いように見て感じ取ったメッセージを読み取り、解釈し評価をする。さらに市場や周りの評価、歴史的な絵画であれば斬新な構図の手法の手本になっているなど、絵に対する研究資料を見た影響を受けつつ、鑑賞をする。バッドアート美術館展で展示されている絵はなかなか、絵に込められているメッセージを読み解くことが難しい。


空中浮遊する花瓶

この空中浮遊する花瓶は、まず、絵を見ただけだと違和感がわかなかった。絵の右下に書かれている花瓶の説明の文章を見てから、違和感とおかしさに気がついた。この花瓶が置かれている机は、透明なガラスで作られているか見えない物質で作られているか、なんだかわからない。

加えて、なぜか葉っぱも透明だし、極めつけなのだが、机の足を見てもらえるとわかるが、エッシャーのだまし絵のようだ。どう成立しているのだろう。

ブルーノ

これは、ブルーノというトラである。トラが書かれていて、手前にバッグがある。そして空に書かれたBrunoという文字が、ブルーノという作品であることを示している。



犬という題が付けられた絵。見かけ犬であるが顔が人間のようで、瞳に注目がいってしまう。雪山と一体になった犬であり、瞳は何を訴えているのかが大変気になる。会場で一番印象に残った絵だ。


セーフ

セーフという題の絵。一見すると普通の野球試合を描いている絵にみえるのだが、真ん中に足がカンガルーになっている人が寝ている。そして左手でキャッチャーを捕まえている。これはなぜこのようになったのかさっぱりわからない。読み取ってはまずいのだろう、と考え、理解しないようにした。


これ以外にもたくさんの作品が掲げられていて、見ていて思考が混乱したが大変良い美術鑑賞となった。絵についてはWebで自由に閲覧できるようになっていて、コレクターが付けたキャプションも見ることができる(英語)。たくさんの絵が掲載されているので、興味のある人は見てみると良いだろう。今回のバッドアート展には持ち込まれていないコレクションが含まれている。


http://museumofbadart.org/collections/



http://museumofbadart.org/oozing/


今回、絵画以外で印象的であったのは絵を手に入れた場所がリサイクルショップであるものが多かった点だ。海外ではリサイクルショップで絵が売られているのが当たり前であったりするのだろうか。個人の、どんな画家が描いたかわからない絵が売られているのだろうか。そうだとしたら大変、うらやましいなと思う。実際どうなのか、もし現地(ボストン)に赴くことがあれば確かめてみたい。


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松崎啓治
記事を読んでいただき、ありがとうございます。うれしいです😊