子宮外妊娠となった私の話1(妊娠〜発覚まで)

およそ1%の確率で起こると言われている子宮外妊娠(異所性妊娠)と診断され、緊急手術を経験しました。
同じように診断を受け、大きな不安や絶望感に苛まれてる方へ、そのご家族へ、少しでも私の経験が役に立てばと思い体験談を書き記します。


私の妊活歴

元々私は総合職で働いていましたが、仕事場でのストレスが多く、体調も崩しがちであったことから一旦体調を整えようと退職をしていました。
既に妊活は一年近くしており、退職と同時により不妊治療に力を入れている婦人科へ転院。

そこで多嚢胞性卵胞症候群だと診断を受け、クロミッドと排卵前のHCG注射の治療を開始しました。
その他、漢方やバランスの良い食事の徹底、適度な運動など無理のない範囲で頑張った結果、転院後2周目で初めて陽性反応を見ることが叶いました。
嬉しいけども信じられない気持ち。でも、次第に出てくる悪阻や子宮が大きくなるような痛みで、赤ちゃんが居るんだな。と、幸せを感じていました。

妊娠発覚後の症状について

初めて病院で診ていただいたのはおよそ5週に入った頃でした。尿検査でもはっきり、強く陽性を確認。内診もしていただきましたが、まだ早いせいかこれかな?くらいのものしか見えず、それでも次は2週間後ということで特に問題なく帰宅しました。

そこから1週間ほど経ったある日、少量の鮮血が見られました。病院に電話で聞いてみると、少量であれば良くあることなので様子見でいいとの事。安静にした結果、その日のうちに止まりました。

翌日、一日中定期的に左下腹部の痛みがありました。頻繁だと数分に一回。強い痛みではありませんが、何度もチク…チクチク…と繰り返されるので気になりましたが、痛みも妊娠初期は良くあることだろうと思い、ほっておきました。この痛みは翌日まで続きました。

そこから次の妊婦健診まで比較的穏やかな日が続きました。しかし、健診の前日あたりはお尻の奥に突き上げるような痛みがありました。これも気になりましたが、妊娠中の便秘や下痢の影響でそういった痛みがでることもあるとか。すぐ検診があるし、出血も止まってるし、緊急性はないだろうと思っていました。

そして子宮外妊娠の発覚

婦人科へは午前中に行きました。
時期は7週半ばに入ったところ。今日こそは胎嚢と心拍まで確認できるだろうとワクワクしていました。
内診が始まるとその映像が自分でも見えるのですが、胎嚢らしきものがなかなか映りません。だんだんと不穏な空気がながれ、絶望感が出てきました。

先生「子宮内に血が溜まっている。胎嚢らしきなにかが映っているように見えるが、はっきり分からない。」

そして次に左右の卵胞辺りの確認に移りました。
そして、左を映した途端、素人の私でもすぐ分かるくらいはっきりと黒い丸が映りました。

その後、先生から何を言われたのかあまり覚えていませんが、今回の妊娠が出産にたどり着くものではないことは自分で分かっていました。

その後採血をして、hcg値を確認することになりましたが、結果が出るのに数時間かかるとのこと。その数値次第では今日中に紹介状を出すので翌日大学病院に行くよう言われました。

会計までの間、絶望感でいっぱいでした。ただ待合室は人でいっぱいで泣くわけにもいかず、でも泣かずにいられず、涙だけ少し流しつつ必死に耐えていました。それと同時に夫に報告。仕事中でしたが病院まで車で迎えに来てくれました。
車に乗った途端糸が切れたように号泣。夫は私が落ち着くまで背中をさすってくれました。

一旦家に帰宅しましたが、発覚した途端、左下腹部がまた痛み出しました。激しい痛みではなかったので、事前に出されていたロキソニンを飲んでしのぎました。

結果が出る時間となり病院に電話して確認すると、hcgが24000ほどでした。20000を超えると緊急性が高いとのことで、その日のうちに紹介状を取りに行くため再度来院。

診断後の夜

その日の夜は殆ど寝られませんでした。

待望の赤ちゃんは産まれることができない命だったこと。

いつ着床箇所が破裂して大量出血するか分からないこと。

おそらく左卵管は失うこと。

夫の作ったご飯をなんとか食した後も暗く静かな寝室に行く気にもなれず、観もしないテレビ番組を流しながらリビングでずっと子宮外妊娠についての体験談を検索していました。

夫は、「あなたの体が一番大事だから」という他は何も言わず、ずっとリビングで朝まで一緒に過ごしてくれました。

この経験の中、夫がずっと、ただ私の体を気遣って側についていてくれたことはとても大きな支えでした。

「また授かるよ」
「落ち込んでもしょうがない」

こんなことを励ましとして言う方もおられるかと思いますが、当時の私はあまりの出来事に前向きになる力なんて微塵もなく、何も言わずにただ側にいてくれた夫にはとても感謝しています。

続く。

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