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時の列車
長い眠りから覚めた。
そう…認識する。
ここはどこだろうか。ん…記憶がない。
自分の名前や何者かというところまでのことでは無いが…なぜこんな場所にいるのか…。
そこがあやふやだ。
きっとこれは夢なのだろう。
車窓から外に写り込む私と外の景色。
海が見える。カモメだろうか鳴き声が聞こえる。
夕日なのか朝日なのか
わからない。
わからないなりにこれは陽が差し込み窓の模様が中に映し出される。
ガタンゴトンと揺れる電車は
行く宛てすらわからない。わからないが恐れはない。もし、この電車が私の、いや
時の列車
だとしたら、私はこの列車を下りることはできそうにない。列車は今日もどこかを走り続けている。