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忘れちゃダメなんですか?

東日本大震災から10年。

「あの日を忘れてはならない」

テレビはそう謳って、災害・被災の映像を放送しています。

そうすると毎年起こるのが「凄惨な映像を見たくない」という意見です。僕も見ると恐ろしい気分になるし、そういった映像が始まるとチャンネルを替えたくなります。

しかし、史実を認識することは大事です。そういう意味でなら、忘れてはならないのかもしれません。

しかししかし、テレビはそのために「忘れてはならない」と言っているようには思えませんでした。

凄惨な災害・被災の映像は、恐怖心を煽り危機感を抱かせることによって見る人の防災意識を高めるために放映されているんじゃないか、と僕は推測しています。そしてこれは最短で成果の出る効率的な方法だと思いました。

つまりテレビは「危機感を忘れてはならない」と言っているのでしょうか。

しかししかししかし、それならば防災意識の高まった状態で、防災知識を学ぶことが必須です。危機感だけで命を守り通すのは相当難しいと思うのです。

しかししかししかししかし、テレビでは凄惨な映像を流しながら「恐ろしいことがあったもんです」と感傷に浸り過去に思いを馳せてエモーショナルになるばかりで、防災知識を深めようという気概を感じません。

結局テレビは、防災能力を高めるための前振りだけして、あとは個々人に任せっきりになりがちです。

別に僕は、テレビは国民のために動くものだ。とは思っていません。

しかししかししかししかししかし、恐怖を煽ったならそれを回収して欲しいのです。

本当の意味で忘れてはならないこと、知ってそのまま忘れてはならないことは、防災知識です。

過去の災害を覚えておくことよりも、同じ危機に陥ったときに命を守るための知識を知ることの方が何倍も価値があります。


だから、恐怖を煽るだけのテレビを見ながら思ったんです。


忘れちゃダメなんですか? って。

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