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インフルエンザの検査結果が「陰性」ではよくない患者がいます
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医師の裁量権
身近な人がインフルエンザにかかっていて、自分も発熱や悪寒、体の痛み等の症状があれば、当然インフルエンザの感染を疑います。
受診、検査をして、抗インフルエンザ薬(以下、薬)を服用し回復を待つ…と思いきや、医師から「検査結果は陰性でした」と伝えられ、薬の処方はなし。次の日にもう一度検査をしに行くと結果は陽性、薬を処方してもらった、という話をよく聞きます。
一回目の検査が陽性であれば時間もお金も無駄にならなかった、何よりももっと早く薬を服用していれば体も楽になっていたのに、と考えてしまいます。このような場合のキーワードは
「医師の裁量権」です。
患者を守るための医師の権利、医師の義務
医師の裁量権とは、医師が自身の知識と経験及びその責任において、患者に有効だと判断した医療行為を実施することができる権利です。
一方で、患者にも自己決定権(どのような医療行為を受けるか、または受けないかを、本人が決定できる権利)が保障されています。
いずれの権利においても義務となっているのがインフォームドコンセント(説明と同意)です。
医師は患者にとって有効な医療行為を実施できるように(医師の裁量権)、患者の同意を得る義務があります。
また、患者が自分で医療行為を選択できるように(自己決定権)、医師は患者が納得ができる説明をする義務があります。
こうした義務によって「医師の裁量権」は成り立っています。
「医師の裁量権」とは考え方です。そうした言葉は医事法(医療法や医師法など、医療に関する法律の総称)には規定されていません。言葉こそ出てこないものの、医事法の解釈から得られた「医師の裁量権」という考え方は、診療の際の根拠や裁判での法的な判断基準になっています。
順番
インフルエンザかも…と感じたらすぐに受診する。
↓
医師に体調や自分の周りの感染状況を伝え、インフルエンザ検査をしてもらう。
↓
検査結果が陽性であれば薬を処方してもらう。検査結果が陰性でも薬を処方してほしい旨を医師に伝える。
ポイントは検査結果が陰性でも医師の判断で薬の処方が可能ということです。患者が要望すれば可能ということではありません。医師が検査結果だけでなく、問診も含めた上で患者にとって最も有効な医療行為が薬の処方だと判断をした場合に、それが可能ということです。
そうした医師の判断で患者にとって一番良い治療をしていいよ、という根拠となるのが医師の裁量権です。
インフルエンザのこんなこと、あんなこと
インフルエンザ検査の精度は100%ではありません。インフルエンザにかかっていても陽性にならないことがあります。弊所がお世話になっている医師の話では、約3割の方はインフルエンザにかかっていても検査結果が陰性と出てしまうそうです。
その他、症状が出ているにもかかわらず病院から、「インフルエンザにかかっていたとしてもウイルスが増えた状態でないと検査をしても陽性にならないので、症状が出て24時間以上経ってから受診してください」と言われたため、辛いのを我慢して翌日に受診した、という話も聞きます。
医師が検査結果だけで診断をするのか、検査結果の他、患者の症状や周りの感染状況、インフルエンザの流行の程度などを含めた上で総合的に診断するのかでは、患者の心身の負担が大きく違ってきます。
結論
体調が悪い時は早めに受診をしましょう。インフルエンザにかかっているかもしれない状態で、病院から時間をおいてから受診してくださいと言われた時は、その病院はやめて別の病院を探したほうがいいかもしれません。体は辛いとは思いますが、より早く心身の健康を取り戻すための弊所からの提案です。