10/6(日)ウォーキング・デッド・ダイアリー 1-2「生き残るための方法」ってなんですか。feat.松平健『マツケンサンバⅡ』


マツケンは毎年生き残ってる

あらすじ

 主人公ニックが、どうやらキャンプしながら(?)生き延びてる集団に遭遇。
 ビルに避難している集団の仲間に混ざってもらったら、集団の1名メルルとかいう差別主義バイオレンス男がいたので、とりあえず手錠かけました。ゾンビが取り囲むビルから、メルルさんを置き去りにして、みんなで逃走です。さようなら〜

ダイアリー

 冒頭、いきなり草原での性行為からスタート。(あの言葉は使わないです)やめてください。しかも誰ですか、あなたたちは。初見なんですが。
 Netflix『地面師たち』を電車の中で見ようとして、唐突に濡れ場シーン出てきて即画面閉じて「電車で見てはいけない作品だった!」と後から気づくようなことが、たまにありませんか。

 ゾンビに追いかけられる主人公リックはNEWフレンズのグレン(スティーヴン・ユァンはかっこいいですね)と共に階段を登り逃走。ゾンビは階段を登れないようです。そういえば(?)通勤途中に階段使ってる人ほぼいない。みんなゾンビエスカレーター。そして、このドラマで、ゾンビは音を立てると襲いかかってくる設定ですね。電車とかでもそうだと思います。

 そこで、私は7/18(木)に見た映画『クワイエット・プレイス:DAY 1』を思い出す。クワイエット・プレイスシリーズは、「音を立てたら怪物に襲われて死ぬから、気をつけてね〜!」という趣旨のシリーズなんですが、『クワイエット・プレイス:DAY 1』のラスト。主人公は、もうあかんわ、怪物に襲われたって私は好きな音を出して生きていくのよ!!といった様相を呈し、iPodに接続されたイヤホンをぶち抜き、ニーナ・シモン『フィーリング・グッド』を轟音で響かせる。死んでもいいから、好きな音を鳴らすんだよ。生きたまま死ぬより、マシだから。
 『ウォーキング・デッド』は、自分たちの音を響かせる日はいつくるのか。来てほしい。

 それでNEWフレンズたちとビルに避難した主人公リックさんはメルルさん(差別主義バイオレンス男)に出会います。こいつは「黒人は〜だからな!」とか言いながら仲間を侮辱&暴力を日常的に行っており、傍若無人を極めている様子。リックさん、とりあえず殴り倒して、即手錠をかけます。保安官の腕がなります。そして、メルルさんが持っていた大切なコカインをビルの屋上からぶん投げる。もうこの世界に、法律はない。怒りのデスロード。(法律といえば、『虎に翼』、全然見れてないな・・・)

 仲間たちとビル脱出を図るため、落ちてる死に絶えたゾンビ(死に絶えたゾンビ?)をナタでぶった斬って、その血とか内臓を身体にベタベタ貼り付け作戦で、脱出用の車を探しに行くことに。「血とか内臓ついてれば、ゾンビが仲間だと錯覚するから」らしいです。 
 唐突に、鷲田清一『ちぐはぐな身体(からだ): ファッションって何?』を思い出す。

個人を匿名の《属性》へと還元するという意味で、制服は一種の「疎外」のマークであるが、同時にそのようにして個人を、つねに同じ存在でいなければならないという《同一性》の枠から外してくれるという意味で、ひとをつかのま解放してくれる(あるいは緩めてくれる)装置でもあるのだ。

鷲田清一『ちぐはぐな身体(からだ): ファッションって何?』


 勝手に分かりやすく解釈すると「スーツ着て、ネクタイしてれば、しっかりしたサラリーマンっぽく見えるねー!(匿名の属性)それでいて、この社会は「あなたらしく!オンリーワン!」(同一性)とかいつも言ってくるから「しっかりしたサラリーマン」演じてれば、「本当のぐちゃぐちゃした私」を安全地帯に置いておけるね」という感じでしょうか。

 みなゾンビ的(制服やスーツ)なファッションを選ぶのは、とても分かりみです。私も毎日スーツだし、それはいちいち毎日「本当のぐちゃぐちゃした私」を会社になんか持っていけないからだ。
 個人的には人は好きな服着て、自分勝手に喜んでればいいと思ってるので、ジャージでもパジャマでもいいと思いますが。ただ社会のコードからズレる勇気が、まだ私にはないんだな。

 「社会圧と自分の欲望を、混同してないか?」という趣旨のことを『上坂あゆ美の「私より先に丁寧に暮らすな」』のどこかで話していたことも、思い出す。最近は、少しずつ社会圧を逸らしてる。それは好きなスニーカーで会社に行ったり、デスクにちびまる子ちゃんのキーホルダーを飾ったり。ほんのささやかな逸らし。それでも、そんなささやかな逸らしが、自分の欲望を叶えていく小さな一歩なので。

 長々と。思考の沼の底は見えない、尽きない。世界は意味で溢れてる。エビデンスは?報連相は?今日のタスクは?
 うるさいな。そんな意味地獄に疲れたときは、スッと離れる術を持っておくことが大切です。そんな時は、『マツケンサンバⅡ』を聞きましょう。この世界で生き残る大切なライフハックです。意味から離れて、踊りましょう。

叩けボンゴ 響けサンバ 踊れ南のカルナバル

松平健『マツケンサンバⅡ』

 話が逸れて、物語を忘れていた。とりあえず、暴力男メルルさんをビルの屋上に放置して、みなさんゾンビに取り囲まれたビルから脱出成功です。やったね。お疲れ様でした。

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