バーチャルシンガー「花譜」3rdマンライブ「不可解参(狂)」について
いつも応援してくれてありがとうございます。
花譜の3rdワンマンライブ「不可解参(狂)」を御参加、御視聴頂きありがとうございました。
「不可解参(狂)」についてプロデューサーとしての想いを書かせて頂ければと思います。
8/24はバーチャルシンガー「花譜」の日本武道館での3rdマンライブ「不可解参(狂)」でした。
ずっと観たかった景色がひとつ実現しました。
今回アーティストの登竜門とも言われる日本武道館という場所でバーチャルシンガーである花譜のライブを行うことには、そんな「バーチャルだからこそ可能になった活動や拡がり」と「リアルでしか得られない体験」の融合を目指したいという想いが込められています。
また今回のライブでは「社会に漂うネガティブな空気感が継続する中で、今はポジティブなメッセージを発信する事が大事なのではないか」と花譜と話し合ってきました。
僕が花譜を聴いて貰っている10代の皆さんの年齢の頃は、世の中はもっとずっと明るかった気がしています。勿論今の時代だからこそ良かった事も沢山あるのですが、自分が生きてきた時間の中でもここ数年は過去最も息苦しい時代であると感じています。
今の生きずらい世の中では、もはやただ生きているだけで本当は凄いのではないか?と思います。
そんな「今を生き延びる人達」が少しだけ気持ちを塗り替える何かをプレゼントしたいとずっと思っていました。
一瞬でもいいから凄く楽しくて儚くて美しい「記憶に残る祝祭」を花譜と一緒に武道館という場所で届けたいと思ったのです。
「不可解参(狂)」の狂は勿論MADではありますが、
英語名は「FUKAKAI III / CRAZY FOR YOU」になります。
本公演を創り上げていく長い過程の中で、やや複雑なテーマ性が徐々に「シンプルな言葉」へと収斂されていきました。
「CRAZY FOR YOU = 君に夢中」
どんなに辛い苦しい分断された世界でも、
だれかやなにかを愛する事が、きっと世界を動かすクレイジーな原動力になるはずだ。
勿論これはとんでもない綺麗事です。
でもこんな綺麗事を本当に思ってしまっている事もまたひとつの事実なのです。
ある意味で僕は狂っているのかもしれません。
今回の「不可解参(狂)」は花譜を中心としたMADな楽しいお祭りでありながらも、同時にライブを通して観た時には出来るだけ「花譜のワンマンライブ」にしたいと考え、ジェットコースター的な情報量の多い四部構成にしてみました。
公演の中でいくつか印象的だったり裏話として補足したい事は以下になります。
などなど。もっと色々あるのですが思い付いたところはそんな感じですね。
そして、このライブが終わった後本当に驚くほどの過去最大規模の反響を頂き、久しぶりに泣きました。※沢山のご連絡ありがとうございました。
でもこの景色は新たなスタートでしかなく、このライブを作り上げたチームと共にもっと心に爪痕を残す表現を作り続けていく事を改めて決意しました。
もうひとつだけ僕の事を伝えさせて下さい。
僕自身は良くも悪くも新しい事象に惹かれてしまうので、手掛ける仕事が流動的というかいつまでたっても一つの仕事を極めたプロフェッショナルにはなれなくて、いい歳して未だ「素人」です。
でもそれを自分としては少しだけ肯定したいと思うようになりました。
自分自身にとっての広義の意味での仕事とは「分からない事をやり続ける事」だからです。
そして「分からない事」は楽しい事ばかりではなくて、大きな恐怖の塊でもあります。
たとえ恐怖で体が震えても、何度死にかけても、自分自身はなるべく素人である期間を延長して「分からない事」と向き合って生きていく。
そうやって僕は今迄生きてきました。
かなり遠回りではありますが、これが僕自身の仕事への唯一の「プライド」でもあります。
そんなめんどくさい仕事の仕方を追求し続けてきた結果、なぜか各方面のプロフェッショナルが5年くらいかけて集結してきたのが今の僕が所属している会社、THINKRです。
逆説的ではありますが、周りの沢山のプロフェッショナルのスタッフ、クリエイターが助けてくれている事で僕自身は今も「柔軟性のある素人」で居続ける事が出来ています。
THINKR、そしてKAMITSUBAKI STUDIOの仲間のおかげで今の自分があります。
尖った作品を作り続ける事が出来るこの環境に深く感謝します。
そして沢山の人達に待望されるようになった「不可解」は指揮者である僕にとっては実はただ楽しいものではなく、常に「喜びと恐怖の塊」でもありました。
勿論クリエイティブとはそもそもがそういうものなのですが、年々ハードルが上がり過ぎてしまいました。
この塊はなかなか本当に手強いです。
苦しいです。
そして恐怖の対象だからこそ、エンディングは愛で終わらせなければならない。
その愛を唯一創り出せるのは「主人公」である花譜と、観測者の皆様なのです。
あの日エンディングロールを一番待望していたのは僕だったのかもしれません。
今回のエンディングがどうだったのかは、もはや言うまでもないですよね。
僕自身も皆さんに救われました。
本当にありがとうございます。
運命的な出会いがあり、花譜やカンザキイオリという素晴らしい若き才能と出逢う事が出来ました。
彼らのおかげで僕は今、新しい景色を観せて貰えています。
自分の人生を変えてくれたのはこの2人との最初の出会いと神椿の仲間達、そして観測者の皆様のおかげです。
2018年にデビューした田舎に住む何者でもなかった一人の少女が、多くのクリエイターや沢山の観測者の方々の応援によって遂に大きな舞台に立ちました。
まさに現代の御伽噺です。
そして御伽噺はまだまだ続きます。
この物語をこれからも一緒に楽しみましょう。
花譜ライブシリーズ「不可解」完結編である「不可解参(想)」を是非お楽しみに。
世界の何処にでもいる普通の女の子の「可能性の拡張」の続きを、今後も是非お楽しみください。
いつも応援本当にありがとうございます。
花譜プロデューサー
KAMITSUBAKI STUDIO プロデューサー
PIEDPIPER
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