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魔法の無い世界で魔法のような出来事を作る。

いつも応援してくれてありがとうございます。
花譜の2ndワンマンライブ「不可解弐REBUILDING」を御参加、御視聴頂きありがとうございました。
遅くなりましたが「不可解弐REBUILDING」についてプロデューサーとしての想いを書かせて頂ければと思います。

ようやく花譜の2ndワンマンライブシリーズ「不可解弐」が先日の「不可解弐REBUILDING」によって完結を迎えました。※「2ndワンマンライブが完結」という意味が自分で言ってても不思議ではあるのですが、花譜の2ndワンマンライブは全て合わせると5公演ある事になるので実際「シリーズ」になってしまいました。
全ては花譜を応援してくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。

花譜のワンマンライブ「不可解」は“常に実験性を持ち続けていこう”というのが基本マインドなので元々大変ではありましたが、今回の「不可解弐REBUILDING」はそれを圧倒的に凌駕する大変さで、奮闘を超えた「苦闘」という言葉が相応しいような状況でした。
2020年から始まったコロナ事変の影響で、「不可解弐」がQ1、Q2と分断されてバーチャルライブ路線に切り替えた事からこの苦闘は始まってしまいました。

「全てをバーチャル空間で構築する」というQ1&Q2の挑戦は大変さもありながら同時に面白さもありました。
事前準備が大変ではありましたが、「不可解壱」、「不可解(再)」と比べても圧倒的にクオリティがあがった事も事実です。
Q1、Q2は素晴らしい反響があったので本当に嬉しかったのですが、僕にはもう一つどうしてもやらなければいけないことがありました。

それが2019年8月の最初の「不可解」の再現でした。

2019年8月以来有観客ライブを出来てないまま、気がつくと花譜も高校三年生になっていました。
彼女が高校生の間になんとか「有観客ライブを観測者の方々と実現したい」という気持ちが抑えられずにいました。
様々な話し合いの中で有観客である「不可解弐REBUILDING」の実施を決断したのですが、なんとか確保した豊洲PITの会場も、コロナ禍で日々情勢が変わる中で「本当にやっていいのか?」、「こんな状況下ではもしかしたら実施出来ないのではないか?」という不安な日々が続きました。
当然のことながら様々な心配する声も頂いていました。

それでも花譜が今このタイミングで伝えれる「言葉」は非常に大事なのではないか、今だからこそ「あり得ないくらいの頑張る切実な姿」を沢山の方々に観てもらう事によって息苦しいこの世の中でほんの少しの希望を提示出来るのではないか?と思い、決行する事にしました。

だから「尋常ではないくらい大変な事を形にする」というのがそもそも裏テーマでもあったのですが、3公演違う内容を形にするというのは想像以上の大変な事態となっていきました。

エンドロールを含めて合計約7.5時間にも及ぶ尺の中で披露された曲数は67曲。

その全てに背景映像やリリックモーション、タイポグラフィなどの「制作」が存在しています。
ライブの主となる花譜バンドの皆が70曲近くとなるライブアレンジをしてくれました。※個人的には花譜バンドが今回の最大の貢献者だと思っています。
そしてなによりその全てを花譜は歌っています。

Q1:RE、Q2:REに加えて原点回帰的なコンセプトである「Q3」を実施する事を決めたのでこのボリュームはある意味仕方ない事ではあるのですが、本来1公演を形にするだけでもかなり大変な事なのです。前代未聞のこの物量を前にだんだんと深刻な感じになっていく現場スタッフをみて、僕自身も罪悪感で押しつぶされそうになっていきました。

下手すると本当に準備が間に合わないではないか?
間に合ったとしてもクオリティをしっかり維持出来て、且つ感動出来うる公演となるのか?
そもそも緊急事態宣言が加速していくと花譜が東京に来れない可能性すらあるので詰んでしまうかもしれない。
ライブがリスケになった場合もう年内には場所を確実に確保出来ない。
そうなった場合、ここまで頑張ってスタッフの皆さんが動いてくれている事が全て無駄になってしまう。
67曲を歌う練習を猛烈にしてきた花譜の想いはどうなるのだろう...。

そんな事が脳裏に駆け巡る不安な日々でした。
ライブひとつ創るだけでこんなに大変な事になる世の中になるなんて、花譜がデビューした2018年10月には想像出来るはずも無かったのです。

それでも諦めずに来れたのは、花譜を筆頭にこのライブに関わる全ての関係者の頑張りを目の当たりにしてきたから、そして花譜の圧倒的な成長をみてきたから。
Q3のオープニングとエンディングで披露されたポエトリーリーディング「魔法の無い世界」 は花譜自身が書き下ろしたものです。

魔法の無い世界で魔法のような出来事を作る

彼女の言葉は日々進化しています。終盤の彼女の言葉には僕自身も涙してしまいました。※普通に会話してると語彙力53なので不思議です..。

もうひとつありました。
カンザキイオリが作った新曲達があまりにも素晴らしすぎたからです。
海に化ける、共鳴、未観測...。
それぞれに違う素晴らしさがあり、その巨大な才能に今更ながら驚かされてとても感動しています。

当日の事をいくつか。

拍手をコミニケーション手段へと短時間で進化させた観測者ハンパないです。※お水助かる拍手とは...。困惑。

Q3の二部の前に入った10分間の休憩は予定されたものではなくて急遽入れたもので、舞台裏にはドラマさながらの事態が起きていました。※この話はいつかどこかでさせて頂きます。

リハーサルで何度も観てきた光景は、皆さんが参加してきてくれた事により全く違う景色になりました。
お客さんだけではなく、スタッフがこんなに泣いている現場を僕は今迄観たことがありません。

僕自身はあくまでプランニング&ディレクションしかやっていないので、本当に大変で凄かったのは各パートを受け持ってくれた手を動かしてくれたクリエイター、スタッフ、関係者の皆様なのです。
99%、彼らが舞台を創り上げてくれました。
本当に色々ありましたが、感謝しかありません。

もう一つ強く思っている事があります。

僕のTwitterアカウントには毎日色々なメッセージが来ます。結構沢山来るのであまり対応しきれなかったりするのですが、本当に胸が痛くなるような切実な言葉を頂く時があります。

そんな若い悩める人達に「不可解弐REBUILDING」を絶対に観てもらいたいと思いました。

絶望の中でも、きっと少しだけ勇気が持てるはずだと。だからせめてQ3「魔法の無い世界」だけはどうしても全編無料配信にしたかったのです。

そしてそれを形に出来たのもクラウドファンディングで沢山の支援をしてくださった皆様のおかげです。
たとえクリエイティブに関わっていなくても、素晴らしい共有体験を作れたのは全てあなた達のおかげです。
心から感謝しています。

最近は花譜が東京に来ること自体もなかなか難しい時がある中、なんとか当日東京にたどり着き、無事ライブを行う事が出来ました。

膨大な曲数を歌いきった彼女に、最大の感謝を贈りたいです。

彼女の才能のおかげで色々な人達の運命が変わりました。僕自身もそうです。そしてここまで身近で彼女をみてきて歌をずっと聴いてきているのに、ずっと好きでいられるってなんなのだろうなあと思う時があります。
本当に不思議な才能です。

素晴らしい“未完成の才能”を持つ幼い彼女との出会いから、もう3年以上経ってしまいました。
出会った当時と比べると今の花譜は、本当に驚く程人間としても歌手としても著しく成長したと思います。
そして彼女自身が言うように、全ては花譜を観測してくれているファンの皆様のおかげです。

自分も出来る限りこれからもこの才能を観ていきたいなと思っています。

どこにでもいるどこにもいない少女の「可能性の拡張」の続きを今後も目撃して下さい。

そして2022年「不可解参」を是非ご期待下さい。※絶対にREBUILDINGを超える体験を作ります。

See you ! Next Experience !

今回は花譜のワンマンライブをみて頂きありがとうございました!


花譜プロデューサー
KAMITSUBAKI STUDIOプロデューサー
PIEDPIPER

 

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