ふたりが夫婦になった理由。移住によって生まれた良い変化とは?
こんにちは!夫婦やカップルの本音をシェアするコミュニティ「フタリノ」です。今回から、新連載として「ふうふのA面・B面」をスタートします。
記念すべき第一回のゲストは
ふうふで長野県辰野町に移住した北埜さんご夫妻。
夫婦で移住したきっかけは?
別れの危機から、結婚・移住をした理由って?
移住したあとに訪れたふたりの変化とは?
など、出会いから結婚、そして移住した今思うことについて、夫(A面)と妻(B面)のそれぞれの視点で、当時の本音や背景を深掘りしてきました!
今回はA面として、夫のコウタさんから、ふたりが夫婦になった理由や移住後の変化についてお届けします。ぜひ最後までお楽しみください。
ふたりの出会い
ーーーー馴れ初めをおしえてください。
コウタ:
ミサとは、大学3年の辰野町(現在の移住先)でのインターンで出会いました。辰野町ではインターン生同士で話し合う時間も多く、東京に戻ってからも連絡を取り合うようになり、付き合い始めました。そこから7年たって、今は9ヶ月のこどもと3人で暮らしています。
ーーーーちなみにコウタさんからみて、ミサさんはどのような方ですか?
コウタ:
ひまわりや太陽みたいなイメージの人ですかね(笑)
ぱっと見て明るい人で、元気な感じが伝わってくるというか……。「人に対して安心感や親しみやすさを与える人だな」というのが第一印象でした。ブラジルに留学していたこともあって、コミュニケーションや自分の感情を豊かに表現できる人だと思います。
ふいに訪れた移住のタイミング
ーーー辰野町に移住されているおふたりですが、どちらが辰野に行きたい!と手を挙げられたのでしょうか?
コウタ:
移住の話で言うと、最初にミサが会社を辞めたんですよ。「次どうしようかな」と思ってるときに、僕も仕事を辞めて、移住するのもいいんじゃない?という話になって……。
会社を辞めた理由はいくつかあるんですが、お世話になっていた辰野町のインターンの受け入れ会社から、「地域おこし協力隊を募集するんだけど、もし興味があったら一緒にやらないか」と声をかけていただいたことがキッカケです。
前職がWEBメディアの広告部門で企画や記事制作に携わっていたのですが、「ローカルという自分の現場を持って、伝えたいテーマをライターとして発信したい」と思っていたタイミングだったので、これだ! と思いました。
ミサもおなじく、辰野町のまちづくり会社の理事になっていたので、たまたま2人ともご縁が重なり、最終的に移住を決めたところが大きいかと思います。
ーーーーお互いにとってタイミングがぴったり揃ったんですね。
コウタ:
そうですね。でも実は、移住をする直前には別れ話もあったんですよ(笑)。移住してなかったら結婚してなかったかもしれないなっていう話は、今でも2人でしますね。
移住をしていなかったら
結婚していなかったかもしれない
ーーーー気になります! いったい何があったんでしょうか?
コウタ:
別れ話が出てしまっていた理由は、僕は常に外で活動しているタイプで、社会人なってからも土日も別の仕事をしていたんです。一方でミサは生活を大事にするタイプで、「私と一緒にいる意味ある?」とよく言われていました(笑)。
「自分は2人の時間を大事にしたいけどコウタは2人の時間より自分のやりたいことや仕事を優先するのが悲しい」みたいなことを言われてぐさっときた記憶があります。
ある日、一緒に参加した「LOCAL WRITE」というライター合宿のワークを通して、お互いの半生や価値観を深く聴き合う時間を多く過ごしました。”深く聴く”ということは、そのまま相手になりきるということに繋がっていき、ミサの気持ちを深いレベルで追体験したことで、新しい関係性が芽生え始めました。
コウタ:
ビジョンがない中で、お互いが違う生活スタイルでいると「一緒にいる意味ってあるんだっけ?」と疑問に持つこともあると思いますが、共通の理想像があって、そこに向かって2人で進んでいけるならいいと思っていて……。その共通の理想が、僕らにとって移住という選択肢だったと思います。
ミサは「手触りのある暮らしを大事にしたい」という気持ちから移住に対して思いがあったし、僕は「自分がやりたいテーマでライターとして発信したい」ことを地域(移住先)に求めていたんです。
”辰野町”というコミュニティに飛び込むことで、2人とも道が開けていく感覚があったし、移住をきっかけに2人の人生の方向性が重なってきたのかなと感じます。
ーーーーお2人にとって、移住が人生のキーポイントで、可能性を広げる場所がたまたま地域だったんですね。
コウタ:
あと、もし移住していなかったら結婚していないと思うもう一つの理由として、お互いに「結婚」という形にあまり重きを置いてなかったんです。
大学時代に、知人が立ち上げた「家族留学」という仕組みを使って、2人で京都のご夫婦の家に半日お邪魔させてもらったことがあって。僕らの場合、文化体験や異文化を体験することが好きだったので、家族留学は”違う家庭に異文化体験しに行く、ちょっと変わった旅行”みたいな感覚で参加しました。
そこで出会ったご夫婦がユニークで、1年ごとにふたりの関係性を契約更新していたんです。一度結婚したからといって、一生隣で過ごすわけでもない。お互いがお互いを尊重しているふたりと出会って、パートナーとの関係性は色んな形があってもいいんだなという気づきがありました。
ーーーーそれでも最終的に”結婚”という形を選んだ理由はなんだったのでしょうか?
コウタ:
”2人で一緒に移住をする”と決めたときに、ある程度お互いの人生にコミットする一つの線引きとして結婚を決めました。なので入籍も、引っ越す(移住する)直前に区役所に行ったんですよ。
結婚がなかったら移住もしなかったし、移住しなかったら結婚もしてなかったという両方ある気がしますね。1人だけで移住するのは色々心配もあるし、そういう意味でも2人で行く安心感はあったりします。
籍を入れるかどうかについては、現実的に移住を考えたときに、事実婚はまだ地域では馴染みがないし、何か訳あり夫婦なのかなと思われることも避けたかったので、最終的に入籍を選びました。
移住してからの
ビフォーアフター
ーーーー移住してから、ふたりの関係性で変わったことを教えてください。
コウタ:
移住した当初は、身近に相談できる人が少なかったこともあり、2人で対話する時間が圧倒的に増えましたね。
あとは、辰野町に来てからは、不満を溜め込んでどちらかがパンクするような夫婦喧嘩がなくなりました。 たまに笑いを交えながら喧嘩することもあるんですけど、前に比べると深刻にならなくなった感じがします。
東京にいた頃よりも、カジュアルに意見を言い合えるようになりましたね。気持ちがおおらかになったり、すぐに感情を出せるようになったのは、移住した環境の変化が大きいと思います。
ーーーー綺麗な自然に癒された効果ですかね……!? 都会よりものびのびと暮らせているからでしょうか。
コウタ:
そうですね。あとは地方の場合だと、コミュニティの度合いが濃くなる分、2人で過ごす時間が増えました。
夫婦で移住をすると、もともといた場所の時以上に、”暮らしをともにつくっていく”感覚が強くなるんじゃないかと思います。
東京で暮らしているときは、他にもコミュニティが多くあるから、あまりお互いのことを必要としない。そうすると結婚に対してのモチベーションにも繋がりにくい気がするので、僕らは移住がいいキッカケになったと思っています。
一風変わったシェアハウス
拡張家族での暮らし
ーーー地方にいくことでコミュニティが狭くなる分、依存先や逃げ場がなくなることが感じられたり、しんどくなることはないんでしょうか?
コウタ:
僕らは移住直前まで東京のシェアハウスに暮らしていたんですが、そこでの生活がなかったら、けっこう辛かったんじゃないかなと思っています。
同棲していたときに誘われて入ったハウスが、拡張家族みたいなシェアハウスだったんですよ。
シェアハウスという濃いコミュニティでの生活は、移住後の生活と似た部分を感じます。
松尾さんというご夫婦が運営していたんですが、1歳くらいのお子さんが1人、まきおさんというシェアハウスマスターみたいな方と、僕ら2人の3世帯が暮らしていました。そこでの生活が、先ほどお話した「家族留学」の延長みたいな感じで、すごく楽しかったですね。
コウタ:
地方では、仕事のコミュニティと暮らしのコミュニティが被る部分が多いんです。
そうすると仕事で感じたストレスも、むやみに近くの人に吐き出すと、暮らしを通じて関係者の耳に入ってしまうこともあるから、同じコミュニティでは言えない。
そんなとき、全然違うコミュニティに話せる人がいると楽になれるので、シェアハウス時代のメンバーにオンラインで相談させてもらったりとか、ミサとの関係がちょっと難しくなったときに、そのメンバーが関係性を解きほぐしてくれたり……。移住した今も色んなところと繋がることによって、内と外とのバランスが担保されてる気がします。
家族留学でお世話になったホストファミリーとも今も繋がっていて、この前たまたま京都にいく用事があったので、久々に会いにいったりもしましたね。
ーーー家族留学やシェアハウスなどの経験や出会いから、お2人の今の家族観が育まれていったような印象を受けました。
コウタ:
それはめちゃくちゃ当てはまると思います。
シェアハウスオーナーの松尾夫妻や、メンバーのまきおさんが一緒に僕たちの関係についてどう思ってるかお互いの気持ちを引き出してくれました。2人だけだとお互いに矢印が向かいあうけれど、第三者がいると三角形になって話がしやすくなります。そういうクッションのようなみんながいてくれたから、お互いの気持ちを正直に伝え合えて結婚に至ったのかなと思います。
様々な夫婦や家族との出会いから、”ずっと家族でいることが当たり前”な状態にしたくない、いい意味で緊張感を持っていたい、という2人の価値観が生まれ、今の僕たちの家族観に繋がっています。
移住後の妻の変化
ーーー移住してからミサさんに変化を感じたところはありますか?
コウタ:
前よりいい意味で我慢をしなくなったんじゃないかなと思います(笑)。僕も含めて日本人って、自分が怒っていることを我慢して面に出さない風潮がある気がしていて、彼女もそのタイプだったんです。でも我慢にも限度があるから、どこかでパンクして急に口をきかなくなったりして。
僕もそれに対してツンツンした態度をとっちゃったりして、ミサの本心がだんだん出てくる……という流れだったんですが、最近は怒りの感情も自然に出せるようになった気がしています。
彼女自身「怒ってる自分がいてもいいんだ」と許せている感じですね。前は怒ってる自分がいること自体が許せなくて、ストレスを認められなくて……という感じだったのが、最近は割と早いうちに、怒っていることに気付けるようになって、自分の中での対処がしやすくなったと言っていました。
ーーーー移住を決めて4年経った今、結婚したことはお2人にとって良かったでしょうか?
コウタ:
よかったと思っています。やっぱり仕事関係の人や親友であっても、人生そのものにコミットし合う存在ってなかなかいないじゃないですか。一番お互いに踏み込む関係性が”夫婦”だなと思うし、相手がいることで自分がふだん避けてる部分とも向き合うことも多いと思います。
そういうところも含めて、共有できる相手がいるのといないのだと、人生の深みが違ってくる。夫婦関係が濃くなるほど、他の友達や周りとの関係性も深めることができたかなと思っています。
お互いの価値観を
共有できる存在
ーーーこの機会に、ミサさんに改めて伝えたいことはありますか?
コウタ:
僕のマイペースな部分をいつも寛容に受け止めてくれているなと感謝しています。
一緒にいて一番居心地がいいなと思うのは、「あの夫婦が〜だから」とか「この家庭が〜だから」っていう一般論じゃなくて、「自分たちにとってどうなのか」を大切にしているところ。
2人とも「社会人的にはあり得ない」とか、「他の夫婦からしたらありえない」みたいな型に当てはめられることに対して、すごく窮屈に感じるほうなので、そこの価値観が一致していて、お互いの考えを共有できるのは、すごく有難いなと思うし感謝していますね。
ーーーコウタさん、ありがとうございました!
もともと結婚という形に重きを置いていなかったというおふたり。
「ずっと家族でいることが当たり前な状態にしたくない」という家族観が生まれた背景には、家族留学やシェアハウス(拡張家族)での出会いや日々がありました。
移住は、お互いの人生にとって”より良くなるためのキーポイント”であり、結婚の決断にも繋がったと語ります。
辰野町でいま家族として暮らしているのは、決して偶然ではなく、まっすぐと向き合い、お互いを尊重しているからこそ、今のおふたりの関係性があるのだと感じました。
次回はB面として、妻ミサさんに移住や結婚の決断の背景や、移住したあとに思うことについて本音を伺っています。
ぜひお楽しみに!
▼ミサさんの記事(B面)はこちら
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