![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/109878423/rectangle_large_type_2_18b430c4c382de2c23cdb90928bcb15e.png?width=1200)
PV数だけではない?広報が向き合うべきnote運用の目標設定とは
会員数622万人(2023年2月末時点)を突破し、巨大プラットフォームとして注目を集める『note』。個人だけでなく企業や団体の利用者も多く、企業noteでは、ブランディングや採用広報を目的に、社内のノウハウ発信や、社員インタビューなど魅力的なコンテンツが公開されています。
noteは従来のWebメディアよりも、コミュニケーションを重視したSNSとしての側面が大きいことが特徴です。
しかし、note運用の目標設定となると、従来のWebメディアを参考にしてPV数やいいね数などの短期的な数値目標を中心に考えることが多いのではないでしょうか。
広報視点で考えると、note運用の効果は中長期的に現れるもの。
結果に注目した数値目標も必要な指標ですが、「読者とどのようなコミュニケーションを図れるか」を考え、発信頻度や定性的な目標を持つことも同じくらい重要です。
今回の記事では、企業の広報noteを毎月10社以上運営するフリーランス広報ユニット「ふたり広報」が、PV数やいいね数だけに踊らされないnote運用で大切な目標設定の方法をお伝えします。
PV数だけではない、note運用の目標
note運用の目標値としてパッと思いつくのは、数字で測りやすいPV数やいいね数ではないでしょうか。実はそれ以外にもさまざまな評価基準があります。
📌アウトプット評価(=発信に対する「結果」)
PV数、いいね数、SNS拡散数、コメント数、フォロワー数、読了率など
アウトプット評価は発信に対する「結果」を指します。数字で測りやすいため、多くのWebメディアの運用目標として用いられています。
投稿ごとのビュー数やいいね数のほか、有料版のnote proで確認できるPV数、読了率などが当てはまります。
noteはプラットフォームとして読者とのコミュニケーションを大切にしているので、読者側のリアクションである「いいね」や、エンゲージメントを図る「読了率」を確認できると良いでしょう。
📌プロセス評価(=発信の「アクション」)
投稿本数、投稿頻度など
プロセス評価は、運用側が計画的にコントロールしやすい中長期的な指標です。ふたり広報では、まずは投稿頻度と本数を定めて運用を開始します。
note公式でも最初は記事の更新本数を目標に置くことが推奨されています。
「書く側の心が折れないような、余裕をもったペースをこころがけましょう。」というアドバイスもあり、まずは体制に応じて週1本〜月に1本などから始めてみてはいかがでしょうか。
📌アウトカム評価(=発信による「変化」の結果)
サービス認知、採用応募者数など
アウトカム評価は、発信によってもたらされた変化の結果を基準としたものです。
たとえば、noteが読まれたことによるサービス認知度や採用応募者数の変化などが挙げられます。
こちらはnote単体では計測が難しいため、流入先の媒体の数値をチェックしたり、営業や採用など各部署と連携して、定期的に想定読者(ユーザー、クライアント、採用候補者)にヒアリングを実施できるとベストです。
【ふたり広報流】目標設定の3つのポイント
1. 明確なKGIに紐づく定量・定性のKPIを設定する
企業の経営目標から、広報の「KGI」を設定し、note運用のKPIまで落とし込むことが大切です。
たとえば、ふたり広報が運用を担当している「シーシャラウンジ」のnoteでは、顧客獲得(特にリピーター獲得)をKGIとして、ブランドの世界観を形づくる「ヒト」「モノ」「コト」に焦点を当てて、1年半ほど運用を継続しています。
シーシャをカルチャーとして根付かせたいという思いから、広く知っていただくために、中長期的なシーシャ関連ワードでの「ビュー数」や、まずは興味を持っていただくための「いいね数」、そして店舗のSNSや誌面と連動することで、実際に店舗でnoteの文章をきっかけとする会話が生まれることをKPIとして置いています。
アカウント全体としての目標だけでなく、実際に記事を書く際にもテーマが目的とズレていないかを確認し、記事ごとに応じた目標を設定できると良いでしょう。
2. noteから生まれる「理想のコミュニケーション」を描く
広告やマーケティングと異なり、短期的な成果が見えづらい広報では、1つの施策に対して、複数のポジティブな効果が生まれる状態をつくることが継続の鍵。
例えば、採用広報を目的としたnote運営では1記事をつくることでこのような効果を想定することができます。
✅(記事を読んで)応募率アップ
✅(取材を通じて)社員のモチベーション向上
✅(記事を紹介して)新メンバーのスムーズなオンボーディング
数値目標も大切ですが「noteを通してどんなコミュニケーションが生まれたらハッピーか」という理想のイメージを設定しておくことで、広く、長期的な視点でnoteを活用できます。
その際には「リアルな声」が目標の指標となります。
ふたり広報が運用を担当している企業noteでは、「noteをきっかけに会話のネタができた」などの社内からの声や「noteを読んで応募しました」という声が実際に届いています。
一時期standfmでラジオ番組やってた時もそうだったけど継続して何か発信していると会話のネタになるのでとてもいい… pic.twitter.com/M6ehJBD4Qr
— 関根貴大-buggy Inc.CEO-🏴☠️ (@mu41208) May 23, 2023
3. アカウントのキャッチコピーを設定しておく
note運用にかかわるのは広報担当だけではありません。
ライターや編集者、インタビュイーなど複数人がかかわってくるからこそ、note全体のトンマナや広範囲での想定ターゲットをチームでズレなく共有できる状態にしておく必要があります。
そこでおすすめなのがアカウントの「キャッチコピー」を設定すること。
例えばお手伝いをしているコープさっぽろさんのnoteのキャッチコピーは「小売DXのおもしろ参考書」で、難しいDXをわかりやすく伝えることをモットーにしています。
キャッチコピーがあることでチーム内でnote運用に対する共通認識ができ、記事ごとに目標が異なっていてもふたり広報の色や軸をぶらさずに記事制作を進められます。
目標の振り返りこそnote運用成功の近道
記事を投稿しておしまい!……ではなく、目標は振り返ってこそ意味を成すもの。
目標はどのように振り返る?
いいね数やnote公式のツールで確認できるビュー数などのほか、SNSでのエゴサーチでも目標達成度を評価する指標となります。
サービス認知や採用応募者数などのアウトカム評価は、ヒアリングやアンケートを通して測ることも。たとえば、求人に応募してくれた人に「どの媒体から企業に興味を持ったのか」尋ねてみるのも良いですね。
目標が達成できなかったときに見直したいポイント
「想定よりも読まれなかった」「読者の反応が得られなかった」など、目標を立ててnoteを運用しても思うような結果にならないこともあります。そんなときに見直したいポイントが下の3つです。
✅記事の切り口
✅想定ターゲットが適切か
✅記事の魅せ方
記事があまり読まれなかった場合、企画の切り口が弱いのではないか?という仮説を立てて記事を見直していきます。
読者が記事を読むかどうかの決め手は「タイトルとアイキャッチ」です。タイトルやアイキャッチで提示している切り口が、より読者の興味を引くものとなるよう検討する必要があります。
読者に新しい価値提供ができているか、そもそも届けるターゲットが間違っていなかったか、根本の企画から見直して次の記事に活かしていきましょう。
また、記事の魅せ方の見直しも重要なポイント。読みやすい構成となっているか、適切な見出しが設定されているか、スマートフォンでも読みやすい改行がされているかなど、読者の目線に立った編集やデザイン設計が大切です。
✍️
今回はnote運用で大切な目標設定についてお伝えしました!
KGIやKPIなど一見難しそうに思える指標も、まずは「noteを通してどうなったらハッピーか」を考えるところから始まります。
短期的な数字だけを見るのではなく、中長期的な「広報視点」で目標を捉えていくことが大切です。
ふたり広報のnoteでは、チームの活動紹介や広報に役立つノウハウをお届けしていきます。次回の更新もお楽しみに!
▼マガジン「企業noteの育て方」前回の記事はこちら
🤝 ふたり広報
企画やデザイン、ライティングなど、様々なスキルを持つフリーランスがチームを組み、広報活動を支援。既存の広報の枠組みにとらわれない“新しい広報のカタチ”をご提案します。
https://futari-kouhou.com/