075話:ボールジョイントのフィッティングを考える
前置き不要で、ボールジョイント部のフィッティングを数値的に具体的に解説していきます。
以下、ZinRyuの足が出てきまて、描画的に幾分お見苦しいのでその点ご承知おきください。
◆ZinRyuの足のスペックを簡単に
足長259mm。アウトラインはこんな感じです。
足のボールジョイントは座った非荷重状態で、このときは257mm。結構太いように見えます。
ちなみに、メジャーを強く締めたら、231mmまで縮みました。
◆足と木型を比較1
用意したのはアンソニークレバリー7D。既成靴の中では一番フィットしていると思っている靴。木型から起こした純正シューツリーベースではありますが、検証していきます。
足のアウトラインに乗せると。
ご覧のとおり、ツリーがかなり小指より内側に入っていることがわかります。フィットはしているけど、必ず小指は当たります。ただし面でテンションが分散されて当たるので心地よいフィット感です。
そしてツリーのウィズを測ると。
231mm。もとの257mmと大きな差。強く締めた時の231mmと一致していました。ボールジョイントの設計で一つの参考になるとおもいます。
◆足と木型を比較2
今度は、私の足に合わせたビスポーク・ラスト(自作)と比較します。
足のアウトラインに乗せたらこんな感じ。
やはり、かなり小指より内側に入っています。
ウィズは。
229mm。若干ではありますが、クレバリーよりさらにタイトですね。もちろんクレバリーを意識したわけではなく、足に合わせて設計したらこうなったって話。
◆現物を並べると
こうなります。
足より、(自分では本当にフィットしていると思っている)木型の方が、かなりコンパクトなのが見て取れますね。
実際にビスポークラストから製作した靴を足のアウトラインに乗っけてみます。
このように、靴にしてウェルト幅が出てもさらに、小指より内側によってますね。皆様が靴のラストを設計したり、履く靴を選ぶ時の指標として参考になれば幸いです。
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