077話:インソールのケア方法
こんな質問がありましたので、少しお答えしていこうかと思います。靴内部でもキモになるのはインソール。
靴を作る上で、ほんとうに大事な部品で、長く履くとこのように炭のような色になり、硬化して割れることがあります。(以下画像出典:)
◆インソールケア剤の調合方法
インソール用のケア剤を調合します。必要な材料は2つだけ。
1)アルコール度が高い酒。私はジンを使っています。
2)レモン果汁
これを1:1で混ぜて、スプレー付きアトマイザーに入れます。
◆手入れの手順
1)靴内部奥の方までケア剤をスプレーします。4−5プッシュくらいでしょうか。
2)乾いた布で、靴内部(奥の方まで)の余計なケア剤を拭き取ります。
◆何でこのケア方法なの?
理由は2つです。
1)革のアルカリ化を抑えるため
革が炭のように黒くなり、硬くなるのは、アンモニアによるアルカリ化が原因です。そのため、レモン果汁など酸性度が強いものをインソール革に入れて中和することで、その予防をするというアプローチです。
2)細菌を殺菌するため
アンモニアは人間の汗に含まれる尿素を細菌が分解することで生まれます。その元となる細菌をできる限り早い段階で取り除いておく。そのために、アルコールを入れています。
ちなみに配合比率は結構適当ですので、いい案あったら教えてください!
◆余談
このインソールの硬化現象は、グッドイヤーウェルト製法の靴によく起こります。ハンドソーウェルト製法の靴にくらべ、インソールの厚みが半分程度であることが要因だと思っています。
厚みが少なければ、その分汗の影響、アンモニアの影響が強く出ますから。
靴磨きが好きな方でも、見過ごすことが多いケアだと思いますが、大事な靴を長く履くために習慣化されることをオススメします。
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