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025話:靴木型の変遷2(2012年)
削って3年当時の木型。製作経験数は40例くらいです。つまり、削る・靴にする・検証する・改善するを40回繰り返したことになります。
2010年当時と比べると、親指側のムダなスペースをそぎ落とされており、結果としてノーズを短くしても、それほどモサくはならないようにまとめることができました。
土踏まずは、横アーチはあまり変えずに縦アーチを深くしています。
靴にした結果が、こちらですね。
短期間でラストメイキングを上達させる法
当時、私は携わった年数・削っている時間については完全に周りの職人さんと大きな差がついていました。でも、経験については引けをとらなかったのだと思います。
そう、時間=経験ではありません。
ここで大事なのは、惰性で削らないこと。一回削るごとに必ず何らかの検証と改善をいれること。(それが結果的に改悪になったとしても)
たとえ経験が10年あっても、削る・靴にする・検証する・改善する、を行わなければ、経験は実質的にゼロということ。作業した年数ではなく、検証して改善した回数が経験なのだと。
これが、プロの職人さんにも引けを取らずに、履き心地良い木型を削れるスキルを短期間に習得した理由でもあります。
あなたが積み重ねた年月は、作業ですか?それとも経験ですか?
私自身、いつも問い直しています。
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