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錯覚がチェスマスター級:ナイト2枚で悲劇のチェックメイト

今回はチェスの深い罠と、錯覚の恐ろしさを実感した対局をシェアします。5分切れ負けのブリッツ戦で、オープニングのミスからずっと苦しい展開でしたが、なんとか逆転のチャンスをつかみました。

ところが、g4という“油断”の一手で地獄行き……チェスの奥深さを改めて思い知る経験でした。

では、さっそく実戦の内容を見ていきましょう。


図はh5+まで。

黒のh5+に対し、冷静にKh3と逃げて白の優勢が確定しました。黒はこれ以上の追撃がありません。黒はルークとナイトのフォークが非常に受けにくい形です。

この時点で「黒にはこれ以上の追撃がない」と油断してしまったのが運命の分かれ道でした。

黒はこれ以上の追撃がない。

ここで黒が長考。「さすがにルーク逃げるしかないのでは?」と思いきや、なんとNe2とナイトを跳ねてきました。

黒はルークを見捨てた。

「えー!?まじで!?」と思わず声が出てしまいました。白は当然Bxh8とルークを取ります。これで白勝勢です。

ナイト2枚では反撃の手段がありません。ここで勝ちを確信しました。

白勝勢。勝ちを確信。

しかし、黒はあきらめずにNf5と白のキングに迫ってきます。

黒の最後の追撃。

ここで白の持ち時間は2分3秒。自陣の安全を確認するには十分な時間です。
白は残り1分49秒まで慎重に時間を使って読みを入れました。
白が選んだ手は、g4???????????????????????????????????????

全てが水泡。

「あー、大変なチェスだった。やっと終わった。きつかったなぁ。g2のスペース確保したし、残り時間もある。これでレートも回復だな。」
Nf4+!! 0-1

極めて珍しい2枚のナイトによるチェックメイト。

「はあああああああああああああああああ!?うそおおおおおおおおおおおおおおおお!?」という絶叫がこだました後に、静かな感動がわいてきました。

「まさかナイト2枚でチェックメイトになることがあるとは……なるほど、やはりチェスは奥が深い。これで私はまたチェスが強くなった。」負けてなお、深い充足感がありました。

教訓:錯覚が最大の敵

この対局で痛感したのは、「勝った」と思った瞬間が一番危ない、ということです。ナイト2枚でのチェックメイトは聞いたことがありませんでしたが、チェスとはそういうゲームなのだなと。

勝ち筋が見えた瞬間こそ、時間を使って慎重に確認する重要性を学びました……と、ここまで書いてどこかで同じようなことを書いた気がしますorz


最後に



この記事を読んで、「自分もg4のような錯覚によるミスをしないように」と思っていただけたら幸いです。チェスはミスから学び、そして強くなるゲーム。これからも一緒に成長していきましょう!

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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