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驚愕のナイトただ捨て!? ナクマンソンギャンビットの魅力と実戦例

あけましておめでとうございます!昨年は記事を読んでいただき、本当にありがとうございました。

今年もチェスの楽しさや奥深さを皆さんにお届けできるよう記事を更新していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、2025年最初の記事ではイタリアンゲームから派生する「ナクマンソンギャンビット」に注目します。

このギャンビットは序盤から大胆に駒を犠牲にし、相手の陣形を崩しながら主導権を握ることができる超攻撃的な戦法です。

ギャンビット好きやアグレッシブなプレイヤーには特におすすめです。

じゅんたさんのギャンビット動画を見てから、「実戦でナクマンソンギャンビットを指す日が待ち遠しい!」とワクワクしていましたが、ついにその日がやってきました。

それでは、ナクマンソンギャンビットの威力を私の実戦を基に解説していきます。


実戦解説:ナクマンソンギャンビットの戦い方

白番が私でlichessのブレット戦からの取材です。

序盤:定跡通りの展開

1.e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4 Nf6 4. d4 exd4 5.O-O Nxe4 6. Nc3

驚愕のナイトただ捨て。

ポイント:

  • d4と突いてポーンを捨ててからキャスリングをするのが、ナクマンソンギャンビットへの第一歩です。

  • ここで6.Nc3がナクマンソンギャンビットの分岐点。この一手でナイトを犠牲にして攻撃の起点を作ります。

中盤:重大な錯覚発生

…dxc3 7. Qd5??

大悪手。白敗勢。

じゅんたさんの動画でビショップをf7に捨てる手を勉強していましたが、重大な勘違いがありました。

本譜は7.Qd5と進行しましたが大悪手です。Bxf7を読んでいたのですが、もっと得ができるのではないかと欲が出てしまいましたorz

代わりにじゅんたさんの動画にもある通り、7.Bxf7+からの展開がナクマンソンギャンビットのエッセンスを最大限に引き出す進行です。

(参考手順) 7. Bxf7+ Kxf7
8. Qd5+ Ke8
9. Re1

エンジンの評価値は互角だが、黒が受けきるのは大変。

解説ポイント:

  • この手順は白が駒損を補う上に、白の駒の利きが素晴らしいので実戦的に黒が受けきるのは大変そうです。エンジンの評価値はほぼ互角ですが、黒がこの後も神経を使う展開は避けられそうにありません。

  • 黒がQd5をとがめる明快な手は「Nd6」です。取られそうなナイトを助けながら、f7の弱点を守る柔軟な一手です。白はこの手をうっかりしており、黒が優勢になる大きなチャンスでした。

変化図。白のQd5をとがめて黒優勢。

決着:攻撃が決まった瞬間

…Qe7 8. Re1 f5 9. Bg5 Nb4 10. Qxf5 Qc5 11. Qf7# 1-0

白のピースが全開。

クイーンとルーク、ビショップが連携し黒の守備を完全に突破しました。このチェックメイトはナクマンソンギャンビットの醍醐味を示しています。

この記事のポイントまとめ

  • ナクマンソンギャンビットは初級者の方にも実戦で使える攻撃的な戦法。

  • 駒損を恐れず、相手にプレッシャーをかけ続ける精神が重要。

ナクマンソンギャンビットは相手のミスを誘いやすい戦法であり、序盤から主導権を握りたいプレイヤーにはピッタリです。今回の記事があなたのチェスライフの手助けになれば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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