
Ruy López Opening: Marshall Attack, Modern Main Line – 攻撃的カウンターの魅力
「ルイロペスを相手にすると、押し込まれて苦しい展開になりがち……」
「ルイロペスに対してポーンを捨ててでも主導権を握る、攻撃的なカウンターを知りたい!」
そんなあなたにおすすめなのが、「マーシャルギャンビット(Marshall Attack)」です。
ポーンを犠牲にしてダイナミックな駒の展開と、キングサイドへの鋭い攻めを狙うこの作戦。実戦での威力は絶大で、あなたの強力なレパートリーになるかもしれません。
今回は私自身の対局をもとに、マーシャルアタックの狙いや実戦的なポイントを解説していきます。それでは、さっそく盤面を見ていきましょう。
序盤:Ruy López Opening: Marshall Attackへ
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.O-O Be7 6.Re1 b5 7.Bb3 O-O 8.c3 d5

白のc3に対して、黒がd5と先に開戦する形がこの形の特徴です。この瞬間、黒はポーンを捨てながらアクティブに駒を展開すMarshall Attack の形になりました。
9.exd5 Nxd5 10.Nxe5 Nxe5 11.Rxe5 c6

白はポーンを取ってリードを得ますが、黒は駒の活性化を優先しています。Marshall Attackは「ポーンを捨ててダイナミックな攻めを作る」のが特徴ですが、この局面もまさにその典型です。
中盤:黒の反撃
12.d4 Bd6 13.Re1 Qh4 14.g3 Qh3

黒のクイーンが早くもhファイルに侵入し、白のキングにプレッシャーをかけます。通常はh3にクイーンを持っていくことで、Bg4やf3の地点からさらなる攻めを狙う形です。
15.Be3 Bg4 16.Qd3 Bf3?

黒のBf3は悪手。白にとって絶好のチャンスが生まれました。しかし……
終盤:白の致命的なミス
17.Nd2?? Qg2 0-1

白はここでNd2と指してしまい、一瞬の隙を突かれてチェックメイトになりました。
Nd2のところでは、白が Qf1と指していればクイーン交換を狙うことになり、危機を脱することができました。

ポイントまとめ
✅ Marshall Attack の狙い
黒はポーンを捨ててアクティブな駒配置を作るのが特徴
✅ クイーンのh3侵入は要注意
白はこの形に対して慎重に対応する必要がある
✅ ミスが命取りになる終盤戦
白のNd2が決定的な敗着
Marshall Attack は白にとって受けが難しい攻撃が生じやすい変化のひとつです。今回のゲームのように1手のミスで勝負が決まることもあるため、駒の配置と受けの手筋をしっかり覚えておくことが重要です。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。