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白のe4に奇襲!チェスで魅せる大胆な逆襲戦法

IMのじゅんたさんのギャンビット動画を何度も視聴してから、ギャンビット熱が再燃してきました。

白の初手e4に対する有力な対抗策はいくつかありますが、「Scandinavian Defense: Blackburne-Kloosterboer Gambit」という作戦をあなたは聞いたことがありますか?

今回はこのScandinavian Defense: Blackburne-Kloosterboer Gambitについての記事です。

e4に対する奇襲戦法を探している方や、ギャンビット、攻めるのが大好きな方にぴったりの戦法です。ぜひ参考にしてみてください。


Scandinavian Defense: Blackburne-Kloosterboer Gambitとの出会い

チェスを始めてから1年未満のときに、一時期黒番の勝率が1割台に落ち込んだことがありました。

白の初手e4に対してどうやっても勝てない時期が続き、かなり悩みました。

全然勝てない時期にふと閃いたのがこの作戦です。当時はこの戦法に名前があることを知らなくて、「俺流スカンジナビアンギャンビット」と勝手に名前をつけて指していました。

非常にマイナーなギャンビットで、OTBの大会に参加したときに他の選手に聞いても皆首をかしげるばかりでした。そんな作戦あるの……?と。

実際、2局ほど大会で試してみましたが1敗1分けでした。ただ、内容的には黒もまずまず戦える展開だったと思います。

前置が長くなりました。次節で私の実戦を実際に見ていきましょう。

Scandinavian Defense: Blackburne-Kloosterboer Gambit実戦編

白 相手氏(レート1700点台)黒 私(レート1700点台)
Chess.comのラピッド戦からの取材です。
1. e4 d5 2. exd5 c6

この作戦の骨子。さらにポーンを捨てる。

dポーンに続いてcポーンも捨てるのが黒の構想で、黒のギャンビットが早くも全開です。
3.dxc6 e5

白のキングへ宣戦布告。ただしエンジンは悪手判定。

黒の狙いはポーンを犠牲にしての中央制圧でした。しかし、エンジンはすでにはっきり白良しを示します。

しかし、エンジン評価では白良しですが、初見でこれに対応するのは簡単ではありません。相手の持ち時間を削る効果もあります。
4.cxb7 Bxb7 5.f3 Nf6 6.Nc3 Bb5

黒のピースが敵陣に向かって全開。

白は黒の宣戦布告などおかまいなしに、ポーンをぱくぱく。黒は2ポーンダウンとなりました。

サッカーで言えば、前半早々に退場者が出た感じでしょうか。しかし、それにも関わらず黒は3トップで絶対に点をとるぞ!という感じの布陣です。

白がナイトしか展開していないのに対し、黒はポーン損と引き換えにピースが活発です。特に2枚のビショップの利きが強力ですよね。
7.d3 O-O 8. Bg5 Qb6 9.Bxf6??

大悪手。白はビショップの利きをe3に残しておかなければならなかった。

白は見慣れない戦法に焦りがあったのかもしれません。黒はこのチャンスを逃しませんでした。
…Bf2+ 10 kd2 Qe3+ 0-1

突然のチェックメイト。

白にミスが出てさすがにうまくいきすぎた感じはありますが、ブリッツやブレットの早指し&初見であれば黒もまずまず戦える戦法だと思います。

Scandinavian Defense: Blackburne-Kloosterboer Gambitまとめ

最後にこの戦法のポイントは以下の3つです。

  1. ポーンを犠牲にして駒の活発さを優先

  2. ビショップの利きを最大限に活用

  3. 相手のミスを誘う大胆な奇襲戦法を思いっきり楽しむ心意気

e4対策に悩んでいる方は、この戦法を実際に使ってみてください。勝敗は分かりませんが、駒がどんどん前に出るので指していてとても楽しいと感じるでしょう。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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